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【クトゥルフTRPG】エピローグを始めよう

探索者 1~4人(目安)
ロスト率 低
所要時間1時間以上(プレイした方いらっしゃったらどのくらいかかったか教えてくださると助かります)
グロが苦手な方注意
第6版シナリオ参考に作っています。
動画配信/生放送でこのシナリオを仕様の際はちょんまげネコに一言メッセージをお願い致します。(個人で回す分にはメッセージは要りません)

KPが回しやすいようにシナリオをある程度改編可

※ 探索者は全員高校二年生であること。

こちらはクトゥルフ神話TRPG専用シナリオです。探索予定の方はここから先の観覧を禁止致します。



※※※※※


■KPへの情報

時は現代日本の某県にある赤実(あかみ)市。人口40万人程度。
1700年代に海外から魔女狩りされそうになった移民がやってくる。そこから土葬墓地のエリアが生まれた。
その中に調合師のローズマリーという名の女性がいた。彼女は移民達のリーダー的存在で赤実市に自分達の居場所を作り、自分達の生き様を残そうと物語を書いた。
しかしある所からローズマリー達が魔女だと噂が流れ、ここでも魔女狩りが行われる。その際に彼女に思いを寄せていたヒソップという男が生き別れる。彼は彼女に会うために死ぬことは許されないと不死身になる方法として定期的に死者を食らい、食屍鬼になってしまう。
探索者にはヒソップを殺すことで救済してほしい。
SAN値減少MAX数値31(KPの判断により変えてOKな箇所有)

■NPC 紹介

剣城翔 つるぎしょう
探索者達のクラスメイト、好奇心旺盛な男
基本的に探索者達のナビゲーターポジション、黒髪黒目、剣道部

STR13 CON14 POW12 DEX12 APP14 SIZ11
INT12 EDU13
技能:剣 60

月見アミ つきみあみ
某出版社で働く翻訳者 27歳、ダークブラウンのボブヘアーに赤縁メガネ。
先祖が赤実市で魔女狩をしたことを知り、ローズマリーの本を翻訳、出版した女性

STR10 CON10 POW10 DEX9 APP13 SIZ8
INT 16 EDU15

ヒソップ
食屍鬼になってから300年以上生きている。
見た目は30半ば、白い肌に高い鼻、色素の薄い髪と目。痩せ型で少し気弱な面もある。日本語は流暢に喋る。

STR11 CON10 POW7 DEX8 APP16 SIZ12 INT16 EDU16

ヒソップ(食屍鬼)

STR16 CON13 POW13 DEX13 SIZ13 INT13 EDU13

武器 かぎ爪30% 1D6 噛みつき30% 1d6+1d4
呪文なし

■探索者

探索者達は全員赤実高校の2年D組の生徒であり、仲が良いこと
男女どちらでも可

推奨技能
聞き耳 包丁 ナイフ 短剣等 目星 応急手当

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■STAGE1

季節は初夏、シーンは朝の赤実(あかみ)高校2年D組の教室。探索者達も教室に到着している中で廊下からバタバタと大きな足音が聞こえて扉がガラリと開く。同じクラスの「剣城翔(つるぎ しょう)」が慌てながらもどこか興奮冷めやらぬ様子で探索者達の輪の中に入ってこう言う。

翔「おい! 聞け! 赤実墓地からゾンビが出たんだ!」

探索者達が各々の反応を示していると翔は話す

翔「昨日の夜、うちのねーちゃんが犬の散歩中に墓地の前を通って見たんだと! 猫背で口の周りを真っ赤にしながらふらふらと歩いてたんだってさ! なぁ、今夜俺たちで確かめに行ってみないか!?」

探索者は行くか行かないか選択肢を持つ

シーンは変わって同日の歴史の授業。この赤実市について先生がこう語る

「えー、この赤実市では日本でも珍しい土葬を許可している墓地があります。それは西暦1700年頃にヨーロッパから沢山の人達が船に乗って流れ着いてはここに住む事になりました。彼らの宗教を受け入れる為にも土葬という選択肢を作ったのです。ただ、それを良く思わない者も当然おり、反乱もあったようです」

この時、探索者全員の所に他の生徒伝いから手紙が回され、見ると「今日の20時にその墓地集合な!強制だぞ!」と書いてある。

■STAGE2

同日20時、探索者と翔は墓地の前にいる。翔は懐中電灯を持っている。
墓地は街灯などの明かりはなく懐中電灯で照らすと映画やドラマで見る西洋式のものであり、商業施設の駐車場を思わせる程の広さ。ただ虫の鳴き声が聞こえる程度で比較的静かな場所。

翔「皆揃ったな!とりあえずぐるっと一周してみようぜ!」

★聞き耳 成功で自分達以外にも一人分の足音が微かに聞こえる

翔について行くかどうかが選べるが、懐中電灯やスマホを持っていないと真っ暗な中一人で居られるのかと翔から指摘される(それでも大丈夫とその場に残ってもOK)

翔と共に歩いていくと痩せ型の男と鉢合わせる。男は30代半ば位の気弱そうな雰囲気。鼻が高く髪と目の色素も薄いので外国の人だと印象を持つだろう。懐中電灯を持っており探索者と鉢合わせて驚く程に絶叫する。

事前にゾンビ情報を入れている探索者は恐怖が倍増している為
★SAN値チェック 0/1

ヒソ「ごめんごめん、てっきりおばけかと思って叫んじゃったよ…俺はヒソップ。君たちはどうしてここに?」

ゾンビの件を伝える

ヒソ「ゾンビ…? 俺はこの墓地の管理人をしていて毎晩ここを見回るんだけどそんなものは見てないよ。あ、もしかしたら俺を見てそう思ったのかもしれないね。」

★聞き耳(-10)で成功するとヒソップから土臭さがする事に気がつける
指摘すると先程ぬかるんだ地面に足を突っ込んだと言われる。

ヒソ「そういえば君たちはまだ学生かい? …赤実高校の生徒さんか! 1つ頼みを聞いて欲しいんだけど、いいかな?」
「俺はずっと人を探していてね、彼女は小説家なんだが、最後に新作を書いてから行方不明になってしまったんだ。その新作がとても生産数が少なくてそこら辺の図書館や本屋じゃ取り扱ってないみたいなんだよ。赤実高校の図書室は市の図書館より大きいんだろ? 本を取り扱っているか調べてくれないか?」

ヒソップから紙を渡される「A.ローズマリー 西洋ファンタジー小説家 」と書いてある。ヒソップは墓地の前まで見送りをするのでこの時に入口で待つことを選択した探索者とも対面する。

■STAGE3

翌日、探索者達は朝のニュースで「赤実市某所で昨夜ひき逃げ事件が発生、警察が駆けつけた時には被害者がどこにもおらず、捜索した結果、少し離れた公園で被害者の遺体が何者かに食われていた形跡がありました。警察では近くの山から熊等の獣が下りてきている可能性を示唆し、注意を呼びかけています」との情報を得る

同日放課後、探索者と翔が学校内の図書館に集まる。ヒソップの言う通り赤実高校の図書館は市の中で一番大きく、取り扱う本の種類も多い。
作者の名前を知っているため、能力なしでローズマリーの新作本を探し出せる。最新作タイトルは「魔女の鉄槌 」"著者A.ローズマリー 翻訳月見アミ" 出版時期は西暦1700年頃、最近新しく翻訳再販された。

(★図書館又は目星成功で 同じタイトルの別の本を見つける事が可能。)

探索者達はこれを読むことが出来る。

本の内容は西暦1700年頃、1人の女性が魔女と周りから忌み嫌われあらゆる拷問を受けて最後に助けを求める話
翻訳者の後書きに" この本を出版するに辺り、私の先祖が侵した罪を償うために自ら名乗り出て翻訳した。" との記述がある

(同じタイトルの別の本では、異端者や魔女に対しての拷問方法が細かく書かれている。ローズマリーの本とほぼ同じ拷問内容である。)

★どちらかでも本を読んだ探索者はアイデアロール
成功するとまるで過去、実際に行われた出来事のように感じてしまう
★SAN値チェック 0/1d3

同日、夕暮れ。探索者が学校を出ると正門の前にヒソップがいる。

ヒソ「彼女の本は見つかったかい?」

本が300年以上前に書かれたものだと探索者が言ってもヒソップは信じない。

ヒソ「とりあえずこの本を読んでから彼女を探しにいきたい。明後日にでも君たちに返すからお願いだ」
「ありがとう! お礼と言ってはなんだが、僕が調合したハーブティーをどうぞ。お湯で3分蒸らしてから飲んでね!ルイボスとマテ茶をブレンドした疲労回復ティーだよ!」

ハーブティーについて聞く
ヒソ「俺はハーブの調合師もしているんだよ。自然の治癒力は素晴らしい! …決して魔女みたいだと思わないでね?」

(目星で見つけた同タイトルの本は頑なに興味を示さない)

★聞き耳(-10)でヒソップから血の匂いがすることに気がつける。
指摘すると「料理で指を切った」と絆創膏を巻いた指を見せられる。
(探索者がアイデア、又は心理を振る事を思いつき成功すれば、その程度の出血でここまで血の匂いがするのか疑問に感じる)

ヒソップは小説を持って帰路につく。
探索者と翔も解散となる

■STAGE4

翌朝、ニュースにて「赤実市で二度目の捕食死体発見されました、土葬墓地が掘り返された様子で近隣住民からは大柄の犬か猿のような獣の目撃もあり、警察が調査に当たっています。事件解決まで外出を極力控えるようお願いいたします」とアナウンスがある。
探索者達はそれぞれ学校から獣が駆除されるで休校にすると連絡が入り、さらに翔からグループ通話に招待される

翔「おい、見たかよあのニュース! 」
「俺、気になって今墓地の前にいるんだけどよー、警察が蔓延ってて全然中に入れなそうだわ」
「なぁ、ヒソップさんが無事か心配にならねぇ? あの様子だと人喰い獣が居ても探し人求めてふらふらしてそうだよな」
「警察が帰った夜にお前ら墓地集合な!」

同日夜、探索者と翔は墓地の前に集合する。整備されている場所なのにどこか土埃が肌をまとう。心無しか血の匂いもするのは気のせいだろうか。

★目星成功で奥の墓石近くで人影を見つける

歩みを進める度に血とカビと腐った肉の臭いが強くなる。やがて探索者達は動く人影の前に立つ。見慣れた後ろ姿からヒソップだとわかるが、背を丸め何やら手を動かし咀嚼音がする。その光景が理解出来ず固まったままの探索者に気が付き彼はゆっくりと振り向く。それは墓地から死体を掘り起こし一心不乱にむしゃぶりつく彼の姿があった。

★余りにもショッキングな光景を目の当たりにした探索者はSAN値チェック (0/1d6)

ヒソ「ああ、君たちか。あの本を読んだよ。あれはどう考えても彼女自身の体験談だ。つまり彼女はこの街の住人に殺されたんだ」
「許さない許さない、この国の人間も僕らの故郷と何一つ変わらないじゃないか! ただ自然を愛し、植物を愛し薬を作った人間を魔女だと決めつけ排除しやがって!」
「俺は仇を取りに行く。 今まで沢山の死者の魂を食べたんだから俺は不死身も同然だ。今の俺なら勝てる!」

(あくまで寿命が伸びるだけであり不死身ではない)

探索者がいくら説得しても「うるさい!」などと言って聞かず、暗闇に姿を消してしまう。ヒソップが居なくなると無惨な姿になった死体が転がっている

ほぼ強制的に死体を見る
★SAN値チェック (1/1d4+1)

取り残された後、ロール中に探索者達が気が付かなければ翔が本の後書きについて言及し、所持しているスマホで調べる

翔「そういえば、ヒソップさんに貸した本に翻訳者の先祖が何かしたとかってなかったっけ?」
「あ、ほら、これだ月見アミ、あ、赤実市在住みたいだぜ? どうする? 行ってみるか?」

翌日アミの家に行くことになり、解散

■STAGE5

翌日、翔が調べたアミが務める出版社に翔と探索者達が向かう
少し年季の入ったビルのワンフロア、受付にて「月見アミに会いたい」と言えば簡単に客間通される。3人掛けのソファが二つ背の低いテーブルを挟んで設置された簡易的な場所であり、案内されると受付嬢がお茶を置いていく。
やがてダークブラウンの髪色をしたボブの髪型、赤い縁のメガネを掛けた20代半ばの女性が部屋に入ってくる。

アミ「えっと、はじめまして。月見アミと申します。今日はどのようなご要件でしょうか。」

ローズマリーの本について話す
アミ「あれを読んでくださったのですね。ありがとうございます。私のデビュー作でもあるので嬉しいです。」

ローズマリーの本の中身について話す
アミ「あれは、作者の実体験です。彼女はあれを書いている中、捕まり拷問され亡くなりました。実は…その拷問を決行したのが私の先祖達なのです。」
「彼女は昔、ハーブで薬を作る仕事をしていた為に祖国で魔女狩りの標的となりました。生き延びるべく仲間を連れて海を渡りこの赤実市に来たと言われております。最初は言葉が分からないながらも平和に暮らしていたそうですが、私の先祖がどこからか彼女達が魔女である事を知り、悪の化身だと噂を広めたのです。
彼女は仲間と共に捕まっては逃げることを繰り返し身を潜めてましたが、ある日ついに…と言った形と聞いております。」

ヒソップについて何か知っているか聞く
アミ「ヒソップ…そういえば一度だけそんな単語が原文にありました。しかし、何故突然植物の名前が出てくるのだろうと思い、文脈から考えて"彼"と訳しましたが…。やっぱり人名だったのですね。…あ、ちょっと待ってください」

アミはいきなり立ち上がり部屋を出ていくと透明ファイルに挟まれた一枚の古びた紙を持って戻ってくる。そこには筆記体で書かれた文字がびっしりと書いてある

アミ「これはかつて彼女が仲間に当てたメッセージです。」

"仲間たちよ、私達の運命がどれだけ残酷でも決して悪魔に魂を売ってはなりません。これを食べたら永遠の命が手に入るとか、全ての知識が得られるとか、誘惑に負けてしまえばそれこそ私達が心から嫌う魔女や魔男になってしまうでしょう。私達が次会う機会はもう無いかもしれないですが、現実を受け止め決して人を恨まず己の人生を生きて欲しい。それが我々自然を愛する者の生き様であることを"

アミはヒソップが生きているとは信じ難い反応をするが、恨まれても当然かと思いを示す。

連日の捕食死体事件や、ヒソップが死体を食らう事を話す

アミ「なんてこと…実はこの手紙には続きがあるんです」

別ファイルを持ち出し、紙を見せてくれる

"もしも、私の仲間が悪魔の手に堕ちた場合、どうか心臓を一突きしてください。躊躇うことはありません。悪魔の手に堕ちた者はもう人間ではなく魔女や魔男だからです。最悪何百年と生き続け、人を襲う脅威となりましょう。それは私達が一番望まないことだからです。"

アミ「ヒソップさんがもし魔男になってしまったのなら、彼女への贖罪としてもこの手紙の通りにするしか方法がないかもしれませんね…。実行するならば私を囮に使うのも手かもしれません。これ以上事件が大事になるのも避けたいですし、今夜墓地に集まってみるのはどうでしょうか。」

■STAGE6

同日21時頃、アミ、翔、探索者達が墓地の前に集まる。他に人の気配はなく、不気味と静まり返っている。
アミが二本の包丁を所持しており、探索者に一本差し出す

アミ「こんな事を頼みたくはないんだけど、万が一私に何かあった時はこれでヒソップさんの心臓を刺して欲しい。なるべく私が刺せるように努力はするけど念の為…。お願い。」

探索者の誰かが包丁を所持する

作戦として、アミが一人で墓地におり、翔と探索者が物陰に隠れる形でヒソップを待つ
やがて足音が聞こえ、ヒソップがふらふらと歩いてくる。とある墓の前で足を止め身を屈めた所でアミの存在に気がつく

ヒソ「…ああ、驚いた。どちら様ですか」
アミ「あ、アミ、月見アミと申します」
ヒソ「月見アミ…どこかで…?」

ヒソップが月見アミを思い出し、あからさまな殺意を向ける

ヒソ「彼女を殺した一族のものだな? 探す手間が省けた。」

ヒソップの身体が変化する。ゴムのような皮膚、とんがった耳は犬にも猿にも見え、指の先はかぎ爪のように伸び、靴の脱げた足は馬の蹄のように割れていた。

★STAGE4でヒソップの姿を見てSAN値チェックをしなかった探索者はここでチェック 0/1D6

アミは完全に足がすくみ、包丁を手放してしまう。
探索者がここでアミの元に駆けつけるならば戦闘中にアミの近くに移動する際にターン消費なし

ヒソ「復讐だ、殺してやる、殺してやる、殺してやる…」 と、早口で言い続けている

戦闘開始、アミは動けない。アミの落とした包丁を探索者が使うことも可。
包丁又は探索者が持っていた鋭利な刃物や銃等でヒソップの心臓を貫く事で戦闘終了となる。
(探索者が頑なに殺すを選ばない場合、翔が包丁で殺しに行く)
とどめを刺すとヒソップは人間の姿に戻り、目の輝きが少しずつ消えつつあり、探索者側も温かい血を浴びるのがわかる。

★探索者は人を殺してしまった(あるいは仲間が人を殺した場面を見て)SAN値チェック
殺した探索者 (1d3/1d10)
殺すのを見た探索者(1/1d6)
(SAN値チェック数値が甘いとKPが判断した場合、事前変更可能)

ヒソップ「何となく分かっていたんだ、彼女はもうこの世に居ないし、あまりにも長い時間が流れた事を」
「それでも信じたくなくて、彼女にいつの日か会えると信じて、死者の体に残っている魂の残骸食べれば長生き出来ると聞いて実行したんだ。会いたかった。」
「彼女は祖国の魔女狩りの標的となった俺らを助けてくれた。それなのに俺は彼女を助けられなかった。」
(どこか遠くを見て)「…ああ、ローズマリー、ここに居たんだね。」

ヒソップの身体が灰になって消えていく。
ふいに吹いた風は薬草の匂いがした気がした。

■STAGE7

捕食死体のニュースも聞かなくなり、学校が再開された頃、アミからLINEメッセージがとんでくる
「ローズマリーやヒソップ達の物語を一冊の本にすることにしたの。完成したら是非読んで欲しい。」とのこと。
本にはローズマリーの「魔女の鉄槌」についての詳細に加え今回探索者達が体験したことが加えられていた。

事件後の探索者達のその後ロールする。(数年後とかでもOK)

物語はここで幕を閉じる

★成功報酬 SAN値回復1d10
(精神のみロストした者も同様)

今後の活動に使わせて頂きます。