見出し画像

【100分de名著】『黒い皮膚・白い仮面』(フランツ・ファノン)

こんにちは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。
今日は、読んだ本というか…いま読んでいるNHKのテキストをご紹介します。

100分de名著というNHKのEテレの、ひと月全4回で、難しそうな名著をわかりやすく解説してくれる番組です。
最近は、作品説明に加えて、俳優さんによる素敵な朗読を通して、名著のかっこいい文章を味わうことができます。

普通は月曜日夜の放送を観ますが、水曜日のお昼にも再放送をしているので、在宅勤務の日は、お昼ご飯を食べながら観ています。

気になる本のときは、テキストを読んでからテレビを観たりもします。
今月の『黒い皮膚・白い仮面』のことは、知らなかったのですが、これまたNHKの番組・日曜美術館でもおなじみの、芥川賞作家で、仏語文学研究者の小野正嗣さんが解説するというので、きっと面白いだろうな~と思って、テキストも手に入れておきました。

『黒い皮膚・白い仮面』は、フランス領のマルテイニーク生まれの精神科医・フランツ・ファノンが、フランス人としてフランス語を学び、フランスのために志願兵にもなったのに、黒い皮膚のせいで、フランス人として扱われず差別された体験を描いた作品です。

今日の再放送は第三回でした。自分の黒人性を肯定するというネグリチュードの考えの紹介と、差別に差別で対抗していては解決しないというサルトルの指摘に悩み苦しむところまででした。

特に今日の第三回目を観ていて、「心を閉ざすことが暴力」という指摘にハッとしました。
怖くて嫌なものを見なかったことにして、自分の平安だけを望んで暮らす態度は、はたから見れば平和主義風ですが、見なかったことにされた側にとっては、いないも同然の扱いを受けたということ、そういう種類の暴力を受けたという意味になると知りました。

存在を受け止めて否定しないこと。でも日本だと嫌いと言う発言をするくらいなら、見なかったことにする方が、行儀がいいと思われているふしもありますよね。でも、それは一体、誰に対して「行儀がいい」態度だったんだろう…?

来週の放送も楽しみです。

■本日の一冊 NHK 100分 de 名著 フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(NHK出版 日本放送協会 (編集) )

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?