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メンバーシップ登録ありがとうございました / 助産師がフィールドワークに出かけるとき

日本の総合病院で働く助産師だったわたしが、仕事をやめ、オランダで医療人類学を学ぶようになってから、半年ちょっとがたちました。
メンバーシップの記事として、大学の課題で読んだ本・論文を紹介したり、授業で学んだことを毎月紹介してきました。なるべく、読んだこと・学んだことをただまとめるだけでなく、自分自身の臨床経験や日本での状況をもとに、私ならではの視点から書くことを意識していました。メンバーシップ記事というクローズドな空間だからこそ、自分の未熟さを気にせずに自由にかけたような気がします。
今までサポートしてきていただいた方々、本当にありがとうございました。

メンバーシップ限定記事は、この記事を含めて16本あります。私自身が助産師なので、SRHRやマタニティケアに関連した記事が多いですが、人類学を学んでいて興味深かった理論の紹介もしています。
今月中までの公開になりますので、もしご興味あれば、こちらから「猫も杓子も医療人類学コース」のご登録お願いいたします。

今回の記事が最終回となります。研究者のポジショナリティ(立場性、位置性、立ち位置)について考えます。
わたしは、助産師というバックグラウンドがある人類学専攻の学生として、妊娠・出産に関するフィールドワークを行っている最中なのですが、私が臨床現場で培ってきた経験・知識・技術が、インタビューをしているとき、観察をしているときに、思っていたよりも大きな影響を及ぼしているなと感じます。
このように、研究者の背景が研究に影響を与えるとき、ポジショナリティ、つまり自分の立ち位置を考えることが重要と先生から言われていました。そのことに意識的であるために、フィールドワーク中、助産師としての日記と人類学者としての日記を別々につけることを勧められていたのですが、そのような記録を付けていて、自分自身についても改めて理解が深まったなと思います。

今回は、ポジショナリティという考え方について、そして私自身が助産師として妊娠・出産に関するフィールドワークをしていて感じることについて、書いていこうと思います。

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