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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)55・「廃校に泊まる」


 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「廃校に泊まる」。高知県本山町の沢ヶ内に、廃校を利用した宿泊施設があります。教室も音楽室もそのまま、プレートがかかり、黒板まであります。そんな体験記をどうぞ。

 コロナの第8波が本格的になる前にと、宿泊お得クーポンみたいなのを存分に使って来た。訪れたのは、本山町にある「汗見川ふれあいの郷清流館」。

 ココ、一泊素泊まり3,500円なのだが、今なら平日に宿泊すると、県のクーポンとれいほくクーポンを合わせて、プラスになって帰って来るのだ!そりゃ泊まるよね♡

 さて、その清流館。早明浦ダムから汗見川上流の方へ上っていくこと15分。沢ヶ内という地区にある。が、何しろ道がすれ違い出来ないほど狭い箇所があるので、ご注意を。

 ちなみに我々高知県人にとっては、これが「普通の道」であることを付け加えておく。この道から眺める汗見川は、本当に美しい。高知といえば四万十川、仁淀ブルーが有名だけど、汗見川の透き通ったグリーンも3本の指に入るんじゃないか?

 そんなこんなで清流館に到着。ここは旧沢ヶ内小学校の校舎を利用して作られた、宿泊施設である。

 聞いたお話によると、いずれ廃校になる運命だから、その後は地域の人たちが有効活用できるように、木をふんだんに使って心地良いように建てられたんだって。素晴らしいよね、その考え。おかげで音楽室に泊まるという貴重な体験が出来たワケ。

 校舎は廊下も壁も全て木。1学級から3学級までしかないから、複式学級だったみたい。それでもちゃんと図書室も音楽室もあるんだから、日本の公教育は優れてると思う(真面目なこと言ってみた)。

 壁には歴代校長先生の写真が飾ってあって、どうやら平成15年に廃校になったようだ。学校としての役目は終わっても、また新たな道で生まれ変わった校舎、素敵すぎる!

 私たちはクーポンを使って食事を調達して来たけれど、図書室に調理器具が置いてあるから、自炊もできますよ。ただお鍋とかが大きいので、大人数向け。クラブとかサークルの合宿にピッタリだと思った。

 泊まる教室はちゃんと畳敷きになってるので、ゆっくりくつろげる。ストーブも完備。ただしこの時期、朝方は結構冷え込んだから、防寒対策はしっかりとね。楽しかった清流館、また泊まりに行く予定♪

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