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3人展を見て

久しぶりのノートです。
ちょっと時間が経ったんだけど、INTERFACEで行われた3人展について語りたいと思います。

東松素子さんのレタッチ教室に参加した3人の発表会でした。
最初聞いたとき、レタッチ教室の成果と言うことなので、県内の人かなぁと思ってたんだけど、オンラインでのレタッチ教室ということで、3人はそれぞれ、宮城、神奈川、静岡でした。
オンラインでのレタッチ教室もコロナの影響で、実際にCP+に行くなどができないことから始めたようです。
オンラインでのレタッチ教室があるの知っていましたが、どういう感じで行われていくのか、プリントはどうなるのか、ちょっと想像できなかったので、どうなるのかと思っていましたが、展示されていた写真はどれも、きれいでした。。

展示全体の印象は、3人とも写真の内容は違えども、プリントが非常に落ち着いた仕上げになっているので、とても見やすかったあったのが第一印象でした。

それでは一人ひとりの展示の話をしたいと思います。
ただ、1ヵ月近く前の話なので若干記憶が怪しいのですが・・・

まず、さくらいあきこさんの展示からです。
最初のバラの写真が綺麗で、こういう花の取り方素敵だなぁと思って見ており、こんな感じの内容なのかと漠然と思い、そこから順序よく見ていきました。
まぁ、騙された。
バラの花から日常のシーン、身内の不幸を暗示するような展開は、最初のバラのイメージに惹かれは予想外の展開で、ぐっと惹かれた。
その後の娘さんを撮った写真も、何気ない日常の写真の中にある生きると、身内の死の哀しみ、普遍的な生死の問題について、印象深いコントラストを描いていたなぁというのが感想です。特に、最初のバラが美しく生き生きとしていただけに、直接的ではないが祖父がいなくなる暗示によるコントラストがすごく印象的でした。
DMにもある娘さんの後ろ姿もなんともいえない寂しさと、同時に、生き生きとした動きの感じなどがすごくよかった。
写真の並べ方も、最後に静かなに終わっていける感じがすごくよかったです。
最後のほうにあった蓮の写真が天に昇るイメージと、同時に植物の生きる強さのイメージが重なり、明日への希望が見えた。
写真ひとつひとつも、何気なく印象的な瞬間を撮られていました。
それが、今回の展示の奥深さに繋がっていた。

次に、セキナオコさんの展示です。

セキさんの写真は、身近にある何気ない金属の美しさが、印象的でした。自分が、セキさんのような対象を撮ったことがないので、見ていてちょっと戸惑った。
でも、見ていると視線が吸い付くようなプリントに映し出されている金属の美しさに惹かれていった。
蛍光灯が集まっている写真とか、どこかの野外ステージで並べられている椅子、捨てられてる金属もあり、全く誰も見向きもしないような対象たちをセキさんの視点でしっかりと撮っている。
普通の人は見ないところに対する気づきと視線、その先にある作品。普段はゴミと見られている物たちが、セキさんの写真の中で何か生き物のような生き生きとした感じがした。
単に捨てられてる存在なんだろうけど、セキさんの写真の中で、新たな生、新たな価値を付与されていた。
なんでこんなものを撮るんだろう思うかも知れないが、そういうところに目を向け、そこにある美しさ。捨てられる物の儚さの中に、活躍していた者たちの生の終演を写真とで表現していたような気がした。

最後に3人めが江間さんの作品でした。
先の2人は、ギャラリーで個人的にも話できたのですが、江間さんはもう既に帰られたと言うことでお話が出来ませんでした。
もしお話ができたらきっと楽しく盛り上がるだろうと思います。

江間さんの作品は、静岡にある砂丘で撮られたいうことでした。砂丘と言うと、鳥取砂丘が有名ですが、静岡の砂丘があることを初めて知りました。
調べてみると日本三大砂丘の一つに数えられるんですね。

まず最初に目に飛び込んできたのが、何かよくわからない。でも、黒々と迫力のある写真。暗いところを流れる水なのかなと思ったが、よく見るとどうやら古い木のようでした。
まず、この写真のレタッチがすごく良かった。一見何かわからないようなレタッチですが、存在感が強く、不思議な写真でした。
この写真がすごくミステリアスな印象を強く残し、作品に不思議感を漂わせ、ほんとにこれは現実に存在しているのか、まるで火星の写真を撮ってるかと思いを強く感じさせてくれる最初の写真でした。
そのおかげで、写っている者たちはまるで異世界のものに見えた。
不思議の写真が並んでいました。
DMに載っている朽ちた木の写真も、展示されている写真では、全く印象が違っていて、何か不思議な今にも動きだろうな印象を持っていた。
自分の身の回りにこんな面白いのがあるのかもしれないとこの展示を見て思った。
朽ちた亀の死骸を見つけ、それをローアングルで撮ることで、何か異星人の化石のように見えるし、砂嵐みたいな写真も、非現実感が漂い、地球上でないような感じもした。火星や異世界の写真を見てるような不思議な感覚にとらわれる作品でした。
それも、作者の視点の良さの表れだと思います。

3人に共通しているとは思いますが、普段の生活の中の何気ないシーンから、他の人が気づかないようなシーンを見つける。その視点もそれぞれが個性的であり、その3つの個性が並ぶことによって、心が踊るような展示でした。

ほんと、見に行ってよかったなぁと思う。

また、それぞれの写真を見たいと思った。

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