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〔雑記帳〕変な癖その1

無くて七癖、というくらいだから、誰にでも変わった癖はあるはずだ。例えば名探偵ポアロは、何かにつけて左右対称に拘ったり、調度品がキッチリと正面を向いていないと気になるらしい。歪みやズレがあると無意識に直してしまうが、時にはそれが事件解決につながるのだから侮れない。

私にも他人から見ると変わった癖がいくつかあるが、そのうちの1つが「銀紙はがし」。適当な言い方が見付からないので、取りあえず名付けてみた。チョコレートなどをねじって包んでいる透明のフィルム(かな?)に、時々ついている赤や黄色のキラキラした部分。四角いフィルムの上下はそのままで、真ん中だけついているアルミホイルのように銀色で薄ーい部分。あれをそーっとそーっと、出来るだけ大きく剥がすのが好きなのだ。きれいに2枚に別れると、思わずガッツポーズしたくなるほどの達成感を得られる。途中で破れても、残りを引き続き剥がし、最後に透明のフィルムが出来れば終了。で、ひとしきり眺めてから、満足して捨てる。

なぜこんなことが好きなのか考えてみた。破れないようにそーっと剥がす緊張感と、指に伝わる危なっかしい感触、最後に仕上げた達成感…。何だか、言えば言うほど嘘っぽい。いや、嘘ではないのだが、そんな大した理由なんてないのだろう。単に「何か好き」というのが一番近い気がする。

でも最近自分で買うお菓子には、この手の包装がない物が多い。だから、たまに出会えると嬉しくてニヤけてしまう。会社の後輩も私の癖を知っているので、「要ります?」とたまにくれたりする。最初は「いやいや、人のものを貰ってまではしないよ~」と格好つけていたが、今は素直にもらって楽しんでいる。けれどこれが事件解決につながることは、今までもこれからも、きっと無い。


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