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〔詩〕晩春

花吹雪も終わり
僅かに色褪せた花だけが残る桜木に
ふわり指先で触れてみる
提灯も外された木の周りに
集う人々はもういない

あのざわめきを
あなたは覚えているだろうか

もしも甘い実をつけたなら
更に人々は集うだろう
けれど私たちは知っている
あなたにその日は来ないことを

薄緑の若葉が光る
これ以上何を望むというの

時は正しく流れ
私たちは等しく老いていく
花の盛りも
名残の花吹雪も
季節を追いかけて行ってしまった
繰り返すその苦さは
私の中でゆっくりと熟れて

琥珀の欠片ように
ただ静かに眠っている


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小牧さん、よろしくお願いいたします。
読んでくださった方、ありがとうございました。

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