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〔詩〕祈りの雨

手の甲で溢れる涙を拭う
感情に負けるのが嫌で唇を噛む
そんな子どもっぽい私を
ただ黙って見ているあなた
傷を負ったのは私の方
どこかが痛むような顔はやめて

世界一幸せだと思ってた
いつまでも続くと思い込んでいた
幻日のような夢物語は
愚かで滑稽で
哀れで救いがなくて

遠くで雷が聞こえる
きっともうすぐ
大粒の雨が降り始めるはず
傘を持たないあなたは濡れればいい
私のこの傘を
もう貸してあげることはない

私も傘を差さずに行く
拭っても拭っても顔にかかる雨に
少し困った振りをして

振り切るように走って行く
びしょ濡れのまま
逃げ込める場所を探して

 



こんにちは。
2作目の投稿です。
この「祈りの雨」というタイトルが素敵なので、また書きたくなってしまいました。
山根さん、よろしくお願いします。
読んでくださった方、ありがとうございました。


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