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〔インスタント・ホラー〕赤いリボン

神社からの帰り道、赤いリボンを拾った。願い事をした後の拾い物って、わらしべ長者みたいで何だか縁起がいい。道に落ちていたのに、ほとんど汚れていないサテンのリボン。周りを見回しても誰もいない。少し躊躇ったあと、私はそれをポケットにしまった。

家に着いて、リボンを取り出す。これ、どうしようかな。私はショートカットだし。部屋を見渡して、ふと人形が目に付いた。そうだ、この子に結んであげよう。そう言えば、誰かもこんなリボンを結んでいたけど、誰だっけ。まあ、いいや。私はリボンを巻いた人形を見つめた。かわいい。

2日後。
「ねえ、聞いた?総務課の美也のこと」
「聞いた聞いた!道で倒れてたんでしょ、リボンをグルグル巻いた藁人形、握りしめて」
「うん。彼氏を後輩にとられてから、変だったらしいよ。髪もバッサリ切ってさ。毎晩、神社に藁人形を打ち付けに行ってたみたい」
「でも…何で自分のリボンを、藁人形に巻いたんだろうね…」

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