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〔雑記帳〕私の十二月

十二月になると、読みたくなるストーリーや見たくなる映画(もしくはドラマ)がいくつかある。冬、クリスマス、年末と、様々な舞台が用意されているからかも知れない。

まず一番に浮かぶのは「クリスマス・キャロル」。私はキリスト教徒ではないけれど、この物語は大好きで、特にエンディングがお気に入り。過去と現在、そしてこのままでは迎える淋しい未来を見て、やっと自分の行動がどれほど冷たいものか気付くスクルージ。そこからの変わりようが、短いながらも本当に気持ちいい!心の中が幸せに満たされ、同時に、自分の行動を少し反省したりもする。もっと人に優しくなりたいと、いつも思わせてくれる作品だ。

また、年末に向けて読みたくなるのは「笠地蔵」。笠が売れなかったからといって、頑張って作った笠を全部お地蔵様にあげてしまうおじいさんの人の良さ!そして更に凄いのが、帰ってきた手ぶらのおじいさんを見て「ああ、全部売れたのですね」と喜んだのに、実は全然売れなくて笠はお地蔵様にかぶせてきたと聞いても全く怒らず、「それは良いことをしましたね。年越しは今あるものでいたしましょう」と微笑むおばあさん!いや、私は無理。絶対に一言は文句を言ってしまう。「え?ひとつも売れなかったの?ひとつも?手ぶらだから期待したのに~!どうするの、年越し」とか…うん、一言どころじゃない文句を言うなあ。何とか最後には「ま、持って帰ってもしょうが無いから、役に立ったなら良かったことにしよう」ぐらいは言えるかも知れないけれど。
そんな家には、お地蔵様も米俵なんて届けてくれないだろう。笠をかぶったお地蔵様と、一人だけ手ぬぐいをかぶったお地蔵様の後ろ姿、さし絵を思い出すと涙が出るくらい好きなのに。
実は初めてこのお話を読んだ時、おばあさんがガッカリしたり、怒ったりするんじゃないかって、ちょっとドキドキしたのだ。全部売れたのかと勘違いした辺りで、「うわあ、違う、ごめんなさい!」と、何故かおばあさんに申し訳ない気持ちになってしまうぐらい。そこでこの寛大なおばあさんの言葉。こういう人になりたいと、幼い頃の私は思った。思ったのに、なんか違う私になってしまったのは何故…。

寒い季節限定で読みたくなる絵本は「スノーマン」。あの優しい絵とストーリーに、読む度に子どもの心を思い出す。暖かい地方に住んでいるので、雪そのものにも憧れがあるのだろう。雪かきや雪下ろしも全く必要ないぐらい、降雪量が少ないのだ。子どもの頃は大きな雪だるまやかまくらに憧れたけれど、かまくらの経験は皆無だし、校庭で砂混じりの雪だるまを作れた記憶は一度きり。スノーマンは夢の世界そのものなのだ。で、夢の後の現実に、最後はいつもうるっとしてしまう。

物語以外だと、この時期に聞くクリスマスソングも良い。B’z、坂本龍一、ワム、ゆずおだ…どちらかというと、明るく楽しく盛り上がるクリスマスソングより、しっとり味わう曲の方が好きかも知れない。

そしてクリスマスにはチキンを食べ、ケーキを食べ、年末には年越しそばを食べ、きっと年明けにはお雑煮におせち料理を食べる。反省したり、これからは違う自分を目指そうと思ってみても、人間なんてそう変わらないようだ。取りあえずは、今年も無事に過ごせたことを感謝しながら、年末を迎えられたらいいなと思っている。


こんにちは。こちらのシロクマ文芸部のテーマで書かせていただきました。

何だかダラダラと書いてしまって済みません。何かストーリーが浮かんだら、またこのお題で書くかも知れませんが、締め切りまでには無理だろうなあ。いつか「十二月」から始まるストーリーをアップしたら、「ああ、締め切りまでに書けなかったヤツだな」と察して下さいませ。
小牧さん、季節感のあるお題を有難うございます。
また、せっかくの素敵なお題なのに、こんなダラダラした雑文を読んで下さった方、本当に有難うございますm(_ _)m


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