わたしのお腹の中に溜まった
あなたから受け取った感情
今日もひとりきりの部屋で
ぽつりぽつり吐き出す

筆が紙の上で勝手に歌う
メロディーはないけれど
思いもしなかった言葉が
つらりつらり流れる

ああ 歌にできたなら
あなたに伝えられるかな
でもわたしに曲は作れないから
誰かに作ってほしいな

記憶の奥底に
封印するのはいやなんだ
たとえ伝わらないとしても
わたしから生まれたものだから

産声をあげたいんだ

産まなければ良かったのに
心が未熟な親をみて思う
子供の声には耳を貸さず
世間には耳を貸すのに

それでも今はわかるよ
愛した証を残したかったって
自分たちの幸せのために
自分たちを護るために

親の顔見て我慢して
本当を言えない子供
せっかく人の子に生まれたのに
純粋な感情と言葉を与えたいのに

生まれたからには
ありのままで息をしたい
伝えるために生まれたのだから
あなたを幸せにするために

「伝えたいことはそれだけかい？」

本当は言葉にしなくても
歌になんてしなくても
声に出さなくても
わかるよ 伝わってるんだよ

だけど形にしたいから
不明瞭なものだから
美しいものに変えて
遺すんだよ ほんの少しでいい

未熟なわたしでも伝えたいことがある
あなたに伝わってほしい あなたに
あなたが産まれて息続けるように
あなたが気づけるように あなたに

生きるって面倒だ
やっぱり感情って厄介だ
けれど心に湧いて消えゆく言葉が
明日誰かと会えることを求めてるから

今日も生まれるよ
つらい悲しい楽しい嬉しいが
たとえ自分のことじゃないとしても
伝えるべき人に伝われ 伝われ

伝えたいことがある伝えたい人に伝われ

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