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「ネコノミクス宣言」連載と週刊SPA!から学んだこと

ネコノミクス宣言の連載開始


2016年になって「コラム連載をしてみませんか?」とオファーしてきたのは、週刊SPA!の30代編集者でした。彼はその前年にツイッターを通して私に接触してきており、その年の11月には最初の記事を書かせてもらっています。こうして、私は週刊SPA!でコラム連載を始めることになったのでした。

コラムのタイトル「ネコノミクス宣言」は私の好きな猫とエコノミクス=経済学をかけたものです。そして、イラストは西原理恵子さんにお願いすることにしました。多忙な西原理恵子さんが、素人のコラムに絵を描いてくれるだろうか?という編集部の心配もありましたが、快く引き受けて下さいました。

西原理恵子さんとの出会いもツイッターです。最初は高須克弥先生との絡みからでしたが、変な人が好きな西原理恵子さんも、私に興味を示してくれたのです。そしてついに、2016年4月26日発売の週刊SPA!でネコノミクス宣言が始まったのでした。

週刊SPA! 2016年5月3日・10日合併号

ネコノミクス宣言の連載は、この日から5年間続き全200話を超え3冊が単行本化されました。連載中の5年間は、生活の中心がネコノミクス宣言だったと言っていいでしょう。月曜日入稿のため、日曜日に原稿を書くというルーティーンが続いたのです。海外に行く時も、身内に不幸があった時も原稿が最優先でした。ネコノミクス宣言が、私と社会が繋がる大切な接点だったからです。

犍陀多に垂らされた蜘蛛の糸

2015年12月まで山口組に所属していた私に、陽の当たる場所へ導いてくれたのが週刊SPA!でした。反社会的勢力を辞めたからといって、社会はすぐにその存在を許容してくれるものではありません。週刊SPA!からの誘いは、血の池で溺れていた犍陀多に垂らされた蜘蛛の糸と同じだったのです。

社会との関わりというチャンスを与えてくれた週刊SPA!の期待を裏切るわけにはいきません。連載は読者との約束であるとともに、編集関係者との約束でもあります。毎週の締切を守ることは基本中の基本です。普通の人だったら適当なことも、私だと「元反社会的勢力だから」と言われるでしょう。マイナススタートは人一倍の努力が必要なのだと自覚しました。

週刊SPA!はなんでも自由に書かせてくれました。ボツになった原稿もありません。誤字脱字の修正はあっても、原稿自体は一切手を加えられることがありませんでした。「書くことは情報の整理である」ということも編集担当者から学びました。表現者として守るべきもの、出版界のルールも教えてもらいました。

SNSも大切な社会との繋がり

SNS(Social networking service)は文字通りネット上での社会的な繋がりを構築するためのツールです。ツイッターは誰でも自由に参加でき、好きなことを発言できるSNSです。忘れてならないのは、ツイートの先に人がいること、社会的な繋がりでもあることだと思います。匿名で利用するにしても、一定のルールや社会性が求められるということです。

ツイッターには何気ない個人的なツイートに対し、突然罵詈雑言や批判が来ることがあります。中には脅迫まがいのものも見受けられます。この人たちには、SNSが社会的な繋がりを構築するツールだという意識が無いのでしょう。顔が見えないから何を言っても大丈夫だと思っているのかも知れません。しかし、これは街ですれ違う人にいちいち文句を言うようなものです。

ツイッターは自由に意見を発信すればいいと思いますが、人に意見を押し付けたり、気に入らない意見を攻撃するのはどうかと思います。ツイートは多くの人に見られているという意識が必要です。社会性が問われるような行為を続ければ、SNSのもつ可能性を否定することになるのと思います。

週刊SPA!連載で学んだこと

ネコノミクス宣言の連載を5年間続けたことは、私にとって大きな学びとなりました。文章の書き方や構成といった基本的なことはもちろん、継続することの大切さも教わりました。ネコノミクス宣言の連載を始めた2016年から連載を終了して、その後ずっと書き続けられていられるのも週刊SPA!での経験があったからです。そのおかげで、今年は16冊目の著作を出版することができました。週刊SPA!には感謝しかありません。


次回は第一冊目となる書籍の出版につい手です。



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