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本屋lighthouse

きっかけは店主の書評だった。


美しい文章だ。

店主は興味深い本屋をやっていた。


この本屋へ行かねばならない。
この美しい文章を書く本屋を訪ねてみたい。
新しい年の旅先が決まった。


         🐈🐈

店主は灯台のような人だった。
店主と一言、会話を交わすと、長年の友人と話しているようだった。

ここは、あまねく人々が停泊できる港なのだ。
この「あまねく」は、他の港での停泊を断られた人々だ。
港へ錨を下ろすことを許されず、夜の海を彷徨う人々が、ようやく見つけた灯り。
すがるような想いで辿り着いた「あまねく人々」の為の灯台だ。

私も来るべくして辿り着いたのだ。

灯台はこちらの一線を越えない。
過剰に受け取ることもない。
ただ、航路に迷ったとき、そこにある。

夜の海を旅しなければならない日もあるだろう。

そんなときにふと思い出してほしい。

私たちには灯台があると
知っている。

それだけで拠り所となるのではないか。


         🐈🐈

年始から痛ましいことが続いている。
何を書いても虚しい気がした。

だから「言葉の力を信じている人々」が集まる本屋で過ごすことは、私にとって癒しだったのかもしれない。

非常時はSNSの使い方を問われる場面が多い。
悲しい書き込みもある。
一方で、煌めくような出会いもあった。

灯台のような本屋で過ごしながら、
「煌めく出会い」
に向けたSNSでありたい、と思った。


         🐈🐈

最後に、店主の書評を引用しよう。

 しかしそれを体感するには、やはり自分の経験として落とし込まなくてはならない。ゆえに本書は、他者(である私)の書評による要約ではなく、読者であるあなた自身によって読まれる必要がある。

https://nikkan-spa.jp/1965336


📖 おしまい 📖

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