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発達障害

私は大学で、保育士さんや幼稚園の先生になるために頑張っている学生さんに子供の発達を教えている。

コロナの影響もあり、授業を動画の配信という形式にしたので、今日は発達障害についての授業動画を録画していた。こうやって発達障害について話していると、やっぱりちょっと熱くなってしまう。


息子はある方のアドバイスもあって発達障害の検査などは一切受けてこなかったけど、その要素が多分にある子だった。学力が極端に劣っているわけではなく、むしろ記憶力はとても良かったけれど、コミュニケーションをとるのは苦手分野だった。周りで起こった出来事をその場でうまく説明するのも苦手だったし、からかいにもうまく対応できなくて衝動的に怒ってしまう。

そんな息子に目をつけて、同級生はからかいの対象にした。教室にいられなくなった息子が保健室に逃げると、そこにも同級生がやってきて「元気なくせに授業さぼんな」とさらに追い詰めたりしたこともあった。

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はあ。

こうやって書くと、反抗期真っ最中の息子にイライラしてしまう自分に喝を入れたい(笑)今がどんなにありがたい状況か、ちゃんと感謝しろって。

あの時は、何度連絡帳を開いて、何度先生と電話して、何度学校に行っただろう。でも理解してくれる先生はほとんどいなかった、と思う。別にそれについて腹を立てているわけでも先生を恨んでいるわけでもなくて、それぞれの先生なりにいつも何とかしようとしてくれてたのは感じてた。

もちろん病院で検査をして、診断してもらって、病名をつけてもらっていたら学校側の対応はまた違ったのかもしれない。けど、病名があろうとなかろうと、私たちみんな個性があるわけで。その個性に対して、どうして悪いとかいいとか決めつけて、叱ったりするんだろう?

さらにはその悪いものだと決めつけた個性を、1年やそこらで治そう、治そうとするんだろう?

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1年生の時の参観で床にひっくり返っていた息子も、中学のクラスの床にはひっくり返らなくなった。筆箱を投げることもなくなったし、先生からの注意の電話も一切なくなった。

もちろんまだまだつまづくこともあるけれど、私の背をこした息子は、自分なりの夢に向かって着実に歩み始めている。


「長い目で見てあげてね。」

「いいところを伸ばしてあげてね。」

「ただでさえしんどい思いをしてる親御さんを追い詰めるようなことはしないで、サポートしてあげてね。」

今日録画の中で学生さんに言った言葉。伝わるかな。動画が長すぎてPCの向こうで寝ないといいんだけど(笑)

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息子が小学生の時、1人だけ、私たち親子に寄り添ってくれた先生がいた。保健の先生だった。とても優しい先生で、息子にも本当に根気よく付き合ってくださったし、私の話もいつも真剣に聞いてくださった。校長先生との話し合いが持てたのも、その先生のおかげだった。

やがて息子は卒業し、1年後、その先生が他校に行かれると聞いた時、私はその先生に会いに行った。そして一言「先生、、」と言った後、涙が溢れてその先は言葉にならなかった。先生は色々話しかけてくださって、私も何か返さなきゃと思ったけど、結局最後まで一言も喋ることはできなかった。

あーあ、何しに行ったんだろ、自分。

帰り道、空を見上げて思った。ただ、目を腫らしに行っただけじゃないの。そんな風になるなんて、自分自身思いもしなかったし、なぜそうなったのかもよくわからないと思った。

でも、今でも、この時のことを思い出すと涙が出てくる。何でだろうなぁ。きっと先生に感動してるのかな。変な表現だ。でも、先生のしてくださったこと、毎日息子を励ましてくださったことに胸打たれてるから、なんだろうなぁ。


あーあ、どうしよう。もうすぐ夕ご飯を作らないといけないのに、こんな泣き腫らした目でご飯作ってたら「おかーさんどうしたの。」って子供に言われてしまう。

とりあえず、冷蔵庫に隠してある母専用のチョコをかじろう。そして熱い紅茶を一杯飲んで落ち着いてから取り掛かるのだ。そうしよう。