TRPG「IT CAME FROM THE LATE, LATE, LATE SHOW」のすばらしさの概要

TRPG「イット・ケイム・フロム・ザ・レイト・レイト・レイト・ショウ」について紹介文を書きたいと思います。なお長いので以後は「レレレ」とか「レイトショウ」と記します。

このTRPGは、簡単に言うと「映画を撮るTRPG」ですね。
いわゆるゲームマスターと一般的なTRPGで呼ばれている人はレレレでは「監督」になります。 

プレイヤー(PL)たちは、監督から「今回は、〇〇の映画を撮るぞ!」みたいに呼び出されるわけです。ここからがこのレレレのキモの部分なのですが、 

撮る映画は「深夜にTVで放映しているような俗悪な低予算B級ホラー映画」ということになっています。

そうです、決まっているのです。だってTRPGの題名がもうそうなってるでしょう? 直訳すると「(それは)深夜番組からやってきた」ですものね! 

なので、さっきの監督の呼び出しの発言で「〇〇の映画を撮るぞ!」の〇〇には、

「サメ」とか「ゾンビ」とか「宇宙怪獣」とか「キラートマト」とか「湖畔のキャンプ場に現れる殺人鬼」とか「カラテ・ニンジャ・コップ」とかそんなキーワードが入ります。

ここまでで心躍らない人はもう正直このレレレTRPGは向いていない、と言えるかもしれませんが…、気にせず続けます笑

で、PLたちはですね、まずキャラクターを作りますね。

そこは一般的なTRPGと同じなのですが、作るキャラが一風変わっています。これもこのレレレTRPGのキモであるところなんですが、「俳優(女優)」のキャラクターを作るわけですよ。

そうですね、例えばですが「クリス・プラット(仮)」とかいう俳優のキャラクターを作ると仮定しましょう。ちょっとおバカだが人のいい憎めない感じでユーモアのあるマッチョガイという感じでしょうか?

キャラクターが作れましたら、監督に呼ばれます。

例えば
「よし今回は、絶海の孤島で飼われている恐竜が突然暴れだしてパニックになる映画を撮るぞ!」とか

「今回の君の役は宇宙海賊で、お宝を求めて宇宙を旅しているがいろいろなトラブルに巻き込まれてどうにか解決していくというストーリーだ! 仲間はアライグマと木だ!」とかそんな感じに言われるわけです。(しかしこうしてあらためて見るとひどい話ばかりだな…) 

つまり、いわゆるメタ構造になっているわけですね。

PLは俳優のキャラクターシートを作り、その俳優が今回は恐竜映画、次回は宇宙海賊みたいに毎回役柄が違うわけです。

レレレTRPGのシナリオ毎に毎回違う映画を撮るわけなんですが、俳優キャラクターシートはずっと同じものを使い続けます。

もちろん人気のある映画はシリーズ化されて、2とか3とか炎の王国とかREMIXとかが作られることもありますがね。

そのメタ構造を利用して、レレレTRPGにはとても面白い技能がいくつか用意してあります。代表的なものを挙げるとこんな感じになります。 

「CMに入る」
「スタントマン」
「セットから降りる」
「フィルムを燃やす」 

これらを簡単に説明したいと思います。

まず「スタントマン」
これは例えばですね、俳優がモンスターやら敵やらという危ないものに囲まれてピンチになっている時、「ここでスタントマンを使う」と宣言すると彼が代わりにダメージを受けてくれるわけですね。そうすれば俳優は危ないシーンを無傷で撮れるわけです。しかし簡単に言いましたけどひどい話だ…。

「CMに入る」
これは映画撮ってる最中にですね、どうやって次に話を進めていいかプレイヤー達がいいアイデア出ずに煮詰まってしまう時があるんですね。そういう時監督が「じゃあ一旦CMブレークだ」って60秒~90秒くらいカメラを止めるんですね。止まってる間プレイヤー達でこれからどうするかどう演出するか相談するわけです。

「セットから降りる」
これもメタならではのレイトショウTRPGの面白みの一つの要素なのですが、俳優にとってストーリーの展開や演出に納得いかなかった場合、「こんな映画やってられるか! 俺は降板するぞ」と言いながらロケ地やセットから立ち去ることを試みることができます。セットから降りるサイコロを振って成功すると、監督は「困るよ、◯◯ちゃ~ん、君がいないとこの映画成り立たないんだよ~」とか言い、その俳優の言いなりにストーリーや演出を改変することになります。ハリウッドのわがままな俳優のロールプレイを楽しみながらこのゲームを遊ぶことができますね。

「フィルムを燃やす」
これは最後の手段です笑。セットを降りることに失敗し、CMブレークしてもいいアイデアが思いつかない、納得いかないまま撮影が進んでしまった後でも、残された最後の方法として俳優達はフィルムを燃やすことができます。そうするとその燃やされたシーンは「なかったこと」になり、次のシーンに移り「はっ、いまのは何だったんだ…?」とか言いながら進んでいくことができます。


続いて、これは技能というよりロールプレイの範疇になるのですが、このレレレTRPGのプレー目的は、ホラーな謎を解くことでもモンスターを倒してお宝をゲットすることでもなく…、「面白い映画を撮ること」です。
そこで俳優であるプレイヤーは、「上手く馬鹿をやる」ことで、より映画を面白くするように試みることができます。例えば、屋外に殺人鬼ジェイソンが潜んでいるのが分かりきっているのに「こんな危険なところにいられるか! 俺は家に帰るぜ!」のような。

俳優がどんなひどい目にあってやられても結局それは映画の中の話なので死ぬこともないですし、むしろ劇中で死んで人気が出る役者とかいますよね。


以上、かなりさらっとですがこの辺で説明を終えたいと思います。
皆さんも機会があれば一度遊んでみてください。

メタ構造の映画撮影遊びTRPG「IT CAME FROM THE LATE, LATE, LATE SHOW」略してレレレTRPGのご紹介でした!

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