[5人/♂1:♀4:不0]恋愛シミュレーション―誰得?俺得!俺を落とせば元通り

★性別不問・アドリブ・登場人物名前変更可作品

0:登場人物紹介
0:性別転換、アドリブ等に関してはすべて演者様にお任せします。楽しんでお芝居してください。
琉亜:琉亜役の方がタップ。2次元をこよなく愛するゲーマー。妄想爆発の主人公。
ユウキ:ユウキ役の方がタップ。近所のロリッ娘。くそ可愛い。
ケイ:ケイ役の方がタップ。一つ年下の妹。しっかり者であざと可愛い、超ブラコン属性。
タツキ:タツキ役の方がタップ。同級生のツンデレ属性。
カナタ:カナタ役の方がタップ。一つ年上の幼馴染。お姉さん属性とゆるふわ属性のハイブリット。
0:基本的に4人は、大学のサークル仲間です。
0:それでは思うままに、演じてください。3・2・1…Act


琉亜:(モノローグ)
琉亜:クリスマスイブ
琉亜:その日、彼女もいない俺たちは、5人仲良く鍋パーティーをしていた
琉亜:みんなで持ち寄った食材をぶち込んで、酒を飲み、独り身の寂しい会だって笑いながらも楽しく飲んでいた
琉亜:そして、時刻は零時を迎える深夜
琉亜:ベランダで煙草を吸っていた俺は、ふと見つけた流れ星に願った


琉亜:「愛をください」


琉亜:まさか、俺のこの小さな願いがあんな結末を生むとは……
琉亜:この時の俺は、全く想像できなかったのだった


0:部屋の中でカナタたちの騒ぐ声が聞こえる。
0:琉亜が煙草を吸い終えて、ベランダから室内へ戻る。
琉亜:うるさいなぁ……外まで聞こえてるんだけど。
琉亜:というか、うち壁が薄いからあんまり騒がないで………?
カナタ:くそっ……なんなんだよこれ!
タツキ:おいおい、これさ……マジで……おっぱいだぞ?
ケイ:訳がわかんないって!どうなってんの!
ユウキ:お前らはまだいいだろうが!俺を見ろよ!なんでこんな縮んでんだよ!
琉亜:えっ……と。あの……君たち、誰?
琉亜:というか、何、不法侵入?俺の友達は?どこいったの?
カナタ:琉亜!俺だよ、俺!
琉亜:は?いや、お姉さんみたいにきれいな人知らないんですけど……
タツキ:じゃあ、俺は?
琉亜:へ?いやいや、え?誰?
ケイ:僕はわかるよね?ね?琉亜くん。
琉亜:か、可愛い……じゃなくって!何で俺の名前を……。
ユウキ:……琉亜?
琉亜:幼女きたー!くそっ、天国!可愛い!
琉亜:ね、ねぇ……お嬢ちゃん、お名前は?どっからきたの?
ユウキ:おい、琉亜!お前怖いよっ
カナタ:ちょっと!琉亜!落ち着けって(琉亜を後ろから取り押される)
琉亜:え?ま、まって!お姉さん、近い!
カナタ:おい、赤面するな!気持ち悪い!
ケイ:琉亜くん、とりあえず落ち着いて僕たちの話聞いてくれないかな?
琉亜:び、美少女のお願い……うん、何でも聞くよ!
琉亜:どうしたんだい?
タツキ:……なんでイケメン風を装いだしたんだよ。
琉亜:つれない感じが素敵だね♪
タツキ:……カナタ。とりあえず、説明しようぜ。
ユウキ:そうだよ、埒が明かないし、俺たちも何とかしないと……

0:5人でコタツに座る。
カナタ:琉亜……よく聞け。
カナタ:信じられないかもしれないが、俺たちはお前のサークル仲間で男だ。
琉亜:……へ?
琉亜:またまた~、お姉さんたちはあれでしょ?カナタたちのサプライズ―――
カナタ:おかしなこと言ってるのはわかってるけどな……
カナタ:俺が、カナタなんだ。
琉亜:え?
タツキ:俺はタツキだ。
ケイ:琉亜くん、僕……ケイだよ?
琉亜:……ってことは、この幼女は……
ユウキ:……ユウキ。
琉亜:冗談、だよね?
カナタ:……去年、お前はサークルの飲み会で酔っ払っていきなり腹踊りをかました。
琉亜:な、なぜ、それを!
タツキ:最近ハマっているゲームは原始神(げんしがみ)。
琉亜:う。
ケイ:……くーたん。
琉亜:なんだと!
ユウキ:先月は推しへの愛で破産寸前。
琉亜:それを知っているのは、カナタとユウキだけ。
タツキ:お前……まさかまた生活費使い切ったのかよ。
琉亜:そんな話はどうでもいい!
ケイ:どうでもいい案件でもない気もするけど……。
琉亜:君たち……いや、お前たちは、本当にカナタにタツキ、ケイ、ユウキなのか?
カナタ:あぁ。
タツキ:こんな姿になっちまったが。
ケイ:……突然変なおっさんが現れて……
ユウキ:あいつ!ぜってぇ許さねぇ!
琉亜:おっさん?
ケイ:琉亜くんがタバコ吸いに行ったあと、突然サンタ服着た小さいおっさんが現れて。
カナタ:記念すべき1億人目の選ばれし者の願いのためだ!とか言い出してさ。
タツキ:目の前がいきなり明るくなったと思ったら……
ユウキ:……こんな姿に。
ケイ:ユウキくんは性別どころか、サイズも変わっちゃったもんね。
カナタ:一番身長が高いユウキが一番小さくなるとかな。
ユウキ:……おい、琉亜。少しは真剣に聞けよ。
琉亜:え?き、聞いてるよ!真剣に!なんかとんでもないことになったね。
タツキ:……本気で思ってねぇだろ。顔、にやついてんぞ。
琉亜:だ、だって……仕方ないだろ!まさかこんなに可愛い子たちが現実の目の前にいるなんて。
琉亜:それで、その……これからどうする?
カナタ:そうだな、早く元に戻りたい。
ユウキ:あのおっさん……コマンドがどうとか言ってたような……
ケイ:そうだ!ねぇ琉亜くん。視界のどっかに変なもの見えない?
琉亜:変なもの……?
琉亜:……あ、これ、かな?なんかゲームのメニューボタンみたいなのある。
タツキ:あ、そういや言ってたな。詳しくは琉亜から聞けって。
カナタ:なるほど、メイン操作ができるのは琉亜だけって……そういうことか。
ケイ:琉亜くん、押してみて?
琉亜:うん……。
琉亜:うわっ!すげぇ……なんか恋愛シミュレーションゲームみたいだ。
ユウキ:なんか、説明とかチュートリアル的なのないのかよ。
琉亜:あー……。あ、これかな?あった。
琉亜:えーっと、何々?
琉亜:これは主人公「琉亜」を攻略するゲームです?
タツキ:はぁ!?
ケイ:タツキくん、声大きいよ。
タツキ:あ、悪ぃ。
カナタ:琉亜、続けて?
琉亜:うん……えっと、プレイヤーの皆さんは、自分のキャラクターに従って「琉亜」を攻略してください。
琉亜:「琉亜」がどきどきして好感度が上がれば、好感度ゲージがたまります。
琉亜:……ハートがいっぱいになった時点で、ゲームは終了。
琉亜:皆さんは元の姿に戻ることができます……だって……。
ユウキ:……は?
タツキ:いやいやいやいや!何?俺たちお前を口説かなきゃならんの?
ケイ:……そういう……ことみたいですね。
カナタ:さっきまでなかったメニュー画面みたいなやつ……俺たちにも出たぞ。
タツキ:は?あ、……ほんとだ。
ユウキ:えっと……何々。
ユウキ:琉亜の近所に住むロリっ…娘?琉亜が大好きで「るあにぃちゃ」と呼んで懐いて……いる?
ユウキ:はぁ?なんだよこれ、待てよ。
ケイ:僕のは……あ、琉亜くんの妹なんだ。
ケイ:しっかり者だけどドジっ子でお兄ちゃん一筋のブラコン……。
タツキ:……俺のは……ん?
タツキ:クラスの同級生で美人だが、超ツンデレ。デレるときは心底恥ずかしそうに赤面する姿がたまらない。
タツキ:なんなんだよ、この設定は!
琉亜:……え、何それ。天国?
ケイ:あぁ……琉亜くんの好きな設定てんこ盛りって感じだもんね。今のところ。
琉亜:そ、そんなことは……。
ユウキ:隠しても無駄だぜ?
琉亜:……大好物です。
琉亜:えっと、カナタの設定は?
カナタ:ん?あぁ……一つ年上の幼馴染のお姉さん。
カナタ:ふんわり系女子で甘え上手……だってよ。
琉亜:……楽園じゃん。
カナタ:琉亜……落ち着け。
カナタ:そんでもって、俺たちに見えているこのハートが、さっき言ってた好感度に関するゲージね。
ケイ:まだ全然たまってないね。まぁ当たり前か……。
タツキ:これでどうやって溜まるんだよ。
ユウキ:……俺、ちょっと……溜まってる。
カナタ:何?
ケイ:え、ユウキくん。何かしたっけ?
ユウキ:えっと……特に何も。
タツキ:思い出せ!俺たちが男に戻るために大事なことなんだ!
ユウキ:まって、そんなこと言われても……。
ケイ:タツキくん!落ち着いてよ、ユウキくんが困って――
カナタ:そうか!最初だ!
ユウキ:最初?
琉亜:なんかあったっけ?
カナタ:琉亜、お前さ……最初俺たちを見たとき、俺とタツキとケイは戸惑いと同時に不安そうになってたよな。
琉亜:そりゃそうだよ、こんな美人ばっかりが、いきなりうちにいたら驚くでしょう。
カナタ:あぁ……だが、ユウキのときだけは違った。
ユウキ:あ……琉亜、めちゃくちゃ欲望丸出しにしてた。
タツキ:目つきがやばかったよな……。
ケイ:うん……怖かったくらい。
琉亜:え?ちょっと待って?酷い言われようじゃない?
カナタ:つまり、ユウキに対しては好感を持って対応してたし、どきどきしていたってわけだ。
琉亜:そ、そりゃあ……こんな二次元みたいな可愛い幼女がいたら我慢できないじゃん。
タツキ:……なるほど、この設定はお前の趣味ってわけだな。
琉亜:そ、そんなこと!
ケイ:……本当のところは?琉亜くん。
琉亜:……ドストライクです。
ユウキ:つまり、この設定に沿って琉亜を口説けば……
カナタ:俺たちは元に戻れるって……そういうことだ?
タツキ:は?ツンデレってなんだよ?俺、わかんねぇよ。
ケイ:タツキくんはたぶん、そのままでいいと思う。
タツキ:どういうことだよ。
琉亜:えーっと……だから、これからどうすれば……
カナタ:琉亜……俺たちのためにも、これからどきどきさせるから覚悟しておけよ。
琉亜:ええぇえええ?


0:ここから完全に女の子として、全力で「琉亜」を落としにかかってください。
カナタ:……ねぇ、琉亜?
琉亜:へ?カ、カナタ?
カナタ:まだ足りないんじゃないの?
琉亜:え?何が?
カナタ:今日はね、琉亜のために頑張って作ったんだよ?お鍋。
琉亜:ちょっと、カナタ……近い……
カナタ:ほら、あーん♡
琉亜:……えっと。
カナタ:食べて?はい、あーん……
琉亜:……あーん。
カナタ:ふふ、美味しい?(上目遣いで)
琉亜:ん……お、美味しい。
カナタ:じゃあ、私にも食べさせて?
琉亜:え?カナタにも?
カナタ:……ダメ?
琉亜:上目遣いからの首傾げとか……ずるい!
カナタ:お願い、琉亜。ね?あー……
琉亜:……じゃ、じゃあ。はい、あーん……
カナタ:ん……、ふふ、美味しい。
カナタ:琉亜?今日はどうだった?
琉亜:え?どうだったって……何?
カナタ:午前中、大学だったんでしょ?授業どうだった?
琉亜:う、うん……まぁまぁだよ。ちゃんと頑張った。
カナタ:そっかぁ~、ふふふ、偉いねぇ!
琉亜:あの……よしよしとか恥ずかしいんだけど。
カナタ:(琉亜の顔を覗き込む)ん~?照れてる?
琉亜:……うん。
カナタ:かわいい。琉亜……大好きだよ!(腕を絡める)
琉亜:ちょ、ちょっと……あ……お、おっぱ……
カナタ:ん~?琉亜ぁ?ちょっと顔赤いよ?
琉亜:カナ、タ……
カナタ:頑張り屋の琉亜……大好きだよ。
カナタ:ねぇ……琉亜は?
カナタ:私のこと……好き?
琉亜:……カナタ……俺、カナタのこと……す、好きだ!!
カナタ:よっしゃ!クリア!
琉亜:へ?
カナタ:……琉亜、データ見てみな。
琉亜:ん……カナタとの好感度……あ!最大になってる!
タツキ:マジで?カナタすげぇ……
ユウキ:……見てるこっちまでドキドキしてきたもん。
ケイ:さすがカナタくん……、やっぱり頼りになるね。
タツキ:でもさ、ゲージが最大になったのに何でカナタは女のままなんだよ。
琉亜:あぁうん……えっと、全員が攻略しないとだめ、だってさ。
カナタ:ということらしいから、お前らもさっさと琉亜に迫ってやれよ。
琉亜:ちょっと、なんか軽くない。
カナタ:あら?……ドキドキしたでしょ?琉亜♡
琉亜:あぁもうやめろって、その上目遣い……やばいんだよ。
カナタ:ふふ、可愛い……琉亜、可愛いよ。
琉亜:カナタ!押し付けんなって……やばい……
ユウキ:……琉亜ってちょろいよな。
ケイ:それもあるかもしれないけど……僕はカナタくんも怖いよ。
タツキ:俺たちもこんなんやらなきゃなんないのかよ……
カナタ:さぁさぁ!三人とも!突っ立ってないで早くやる!
琉亜:……心臓、持つかな。
カナタ:じゃあ、次は……誰行く?
ケイ:僕、頑張ってみようかな。
琉亜:え、ケイ?
タツキ:が、頑張れ!
ユウキ:ファイトー!
ケイ:うん、琉亜くん。……よろしくね?
琉亜:あ、あぁ……。
ケイ:じゃあさ……琉亜くん。いつも通りスマホゲームやりながら過ごしてて。
琉亜:え?あぁ……わかった。

0:ソファーに寝ころびながらゲームをする琉亜。
ケイ:お兄ぃちゃん?……ねぇ琉亜お兄ちゃんってばぁ!
琉亜:あ、あぁ……ケイ……ごめん、ちょっと待ってて。
ケイ:そんな体勢でゲームやってたら、体痛くなっちゃうよ?
琉亜:わかってるって、これが終わったらな。
ケイ:もう……お兄ちゃんのばか……。
琉亜:よし!クリア!!ケイ、お待たせ……ってちょっと!
ケイ:よいしょっと♡お兄ちゃん、お疲れ様!
ケイ:いっぱい体こってるだろうから、ケイがマッサージしてあげる!
琉亜:ちょっと大丈夫だから離れろって……
ケイ:やぁだ~、お兄ちゃんのこと、気持ちよくしてあげたいの!
琉亜:言い方!そんなはしたない子に育てた覚えありません!
ケイ:でもマッサージの腕は自信あるよ。ほら、腰押すよ~
琉亜:おっおお!あ、いい!いい力加減!
ケイ:もうお兄ちゃんったら……やっぱり固い。変な体勢でゲームするから!
琉亜:ごめんって……あぁでもケイ、ウマいなぁ。すごい気持ちいい。
ケイ:えへへ♡お兄ちゃんのために、いっぱい勉強したんだぁ!
琉亜:俺のために?
ケイ:うん!だって大好きなお兄ちゃんには、いっぱい喜んでもらいたいから。
琉亜:ケイ……俺は、ケイの笑顔が見られるだけで癒されてるよ。
ケイ:ほんと?ふふふ、うれしい!琉亜お兄ちゃん!大好き!
琉亜:うわっ!ちょっと!急に抱きつくなって!
ケイ:ねぇ琉亜お兄ちゃん……今度はケイのこともマッサージして?
琉亜:え?俺、マッサージなんてやったことないよ?
ケイ:手のマッサージしてほしいの。
ケイ:ほら、こうやって手を握ってにぎにぎってして……
琉亜:……あ……。
ケイ:ん?お兄ちゃん?どうしたの?
琉亜:いや……ケイの手、ちっちゃいなって……
ケイ:うん、琉亜お兄ちゃんの手はおっきくて、あったかいね!
琉亜:ケイ……可愛い。
ケイ:ふふふ、お兄ちゃん!大好き!
ケイ:ケイ、琉亜お兄ちゃんのお嫁さんになるんだ!
琉亜:昔、言ってたな~。
ケイ:ほんとだよ?……いまも……思ってるんだから。
琉亜:ケ、ケイ?
ケイ:お兄ちゃん、大好き……お兄ちゃんはケイのこと好き?
琉亜:好きに決まってるじゃないか!
ケイ:ずっと一緒にいて?
ケイ:お兄ちゃん、琉亜お兄ちゃん!……好き、大好き!
琉亜:ケイ……
ケイ:琉亜お兄ちゃん……
タツキ:ストップ!なんなんだよ!お前ら。
ユウキ:ケイ……悪ノリすごすぎ。とっくにクリアしてるのに……。
琉亜:え!そうなの?
カナタ:琉亜……お前って本当に妹属性に弱いのな。秒でクリアしてびっくりしたよ。
琉亜:いや、だって!ケイが可愛すぎるだろ!普通にさぁ!
タツキ:確かに……ケイは可愛かった……。
ユウキ:普段から女子力高いとは思ってたけど……。
ケイ:ほめても何にもでないよ。僕だって早く戻りたくて頑張っただけだって。
カナタ:俺のこと怖いとか言ってたけど……、ケイも十分怖いからな。
琉亜:もう理想すぎて……最高でした。
ケイ:ふふふ、お兄ちゃんのためなら……ケイ、なんでも頑張るよ♡
琉亜:首こて、やばい!
ユウキ:次は?俺かタツキだけど……どうする?
タツキ:お、俺が行く!
ケイ:おぉ……でも声が上ずってる。
カナタ:そんな緊張しなくても大丈夫なのに。
タツキ:なんで二人ともそんなにさらっとできるんだよ!意味わかんねぇって。
ケイ:なんでって言われてもねぇ?
カナタ:まぁ……うん、スイッチはいれば行ける!
タツキ:意味わかんねぇよ!
ユウキ:タツキぃ!さっさとしてくれる?
タツキ:くっ……くそ!琉亜!覚悟しとけよ!
琉亜:……なんだろう。
琉亜:まだ何にも始まってないのに……ツンデレ美少女にしか見えない。

0:コタツに並んで座る琉亜とタツキ。
琉亜:……あの……タツキさん?
タツキ:…………。
琉亜:えっと……タツキさーん?大丈夫?
琉亜:あぁそうだ……唐揚げ、ありがとな。俺、ここの唐揚げ好きだから覚えててくれてうれ――
タツキ:べ、別にお前のためじゃないし!
琉亜:へ?
タツキ:み、みんなで食べるのに買ってきただけだから!
タツキ:だから琉亜のためとかそういうんじゃない!
琉亜:お、おう……。
タツキ:……。
琉亜:あの……なんか、怒ってる?
タツキ:……いいよね。
琉亜:へ?
タツキ:琉亜って!カナタとケイと仲いいよね。
琉亜:まぁそりゃあ……ねぇ、友達……
琉亜:あぁいや、ケイは妹だしカナタは幼馴染だし……
タツキ:ふーん……いっつもあんなに距離近いんだ。
琉亜:なんだよ……見てたのかよ。
タツキ:暑苦しいくらいくっついちゃってさ!鼻の下伸ばして……ばかみたい!
琉亜:いや、別に俺は!
タツキ:琉亜の変態!たらし!
タツキ:なんだかんだで人当り良くて、友達いっぱいで……人気者で……それで……
琉亜:タツキ?
タツキ:……こんな私にまで優しくてさ。
琉亜:タツキ……
タツキ:あんたが……
タツキ:琉亜が一緒にいてくれてすごくうれしい。でも、私なんかにかまってくれてるのは……同情なんじゃないかって思っちゃうんだよ。
琉亜:タツキ……
タツキ:私って性格こんなんだし、可愛げないし、素直じゃないし……
琉亜:タツキ……やばい、可愛い。
タツキ:はぁ!?ちょっと!な、なに言ってるのよ!馬鹿じゃないの?
琉亜:ケイやカナタと仲良くやってるのが羨ましくなっちゃったの?
タツキ:そんなんじゃ!
琉亜:不安になっちゃった?俺といるの……
タツキ:……違うし。
琉亜:……タツキ、可愛いなぁ。俺はタツキのこと大事だよ。
タツキ:……琉亜。
琉亜:タツキのさ、カッコいいところとか気配りできるところとか男気あるところとか好きだ。
タツキ:……ほんと?
琉亜:うん。ほんと。
タツキ:……私もね、琉亜が好き。
琉亜:タ、ツキ?
タツキ:へへ♡琉亜の優しいところとか、よく見てくれるところとか、頑張り屋なところとか好き!
琉亜:あ、ありがとう。
タツキ:いつも素直になれなくてごめん……
琉亜:タツキ。
タツキ:琉亜……あの、さ……手……握っていい?
琉亜:え?
タツキ:琉亜の手……好き、なの……
琉亜:……うん。はい、どうぞ。
タツキ:えへへ♡琉亜の手、だ~い好き!
琉亜:タツキ……可愛い……抱きしめたい!
タツキ:え!ちょっと……琉亜?
琉亜:やばい、可愛いって。顔……真っ赤だよ。
タツキ:そ、そんなつもりで好きって言ったんじゃないって!
琉亜:違うの?
タツキ:違う!……いや、違わない……けど!
琉亜:タツキ……好きだ……
タツキ:ば、ばっかじゃないの!……や、だ……まって!琉亜……
ケイ:ストップです!
カナタ:琉亜……落ち着けって!思い出せ、こいつはタツキだ。
琉亜:はっ!そうだった!……いやでも、完璧なまでのツンデレ女子……
琉亜:デレの破壊力がやばい!
ユウキ:ん?……タツキ?おーい、タツキ?
タツキ:へ?ち、違う!俺は!
ユウキ:大丈夫?顔、まだ赤いよ?
タツキ:赤くなんてねぇよ!俺がそんな軟弱なやつになるか!バカっ
カナタ:……タツキは普段からツンデレ属性だったな。
ケイ:そうですね……タツキくん……完全に素でやってる感じだったし。
タツキ:だから、違うっての!
琉亜:……じゃあ、俺のこと嫌いなの?
タツキ:そうじゃねぇって!あぁもう!琉亜のことは大好きだ!
琉亜:……あ、やばい。本当にかわいい。
タツキ:やめろっ!
ユウキ:はいはいはい!じゃあ最後は俺だね。
カナタ:次はユウキか……というか。
ケイ:もう二人並んでる時点で犯罪臭しかしませんね。
タツキ:……これから、琉亜はこの幼女にときめくんだろ?
カナタ:……やばいな。すでに。
琉亜:いや、本気じゃないからね!現実には興味ないからね!
ケイ:でも最初からときめいたんだよね?ユウキくんに。
琉亜:いや、だってほら……推しに似てて……それで……
ユウキ:ねぇはじめていい?
カナタ:おう、どうぞどうぞ。
タツキ:ユウキ!頑張れ!
ユウキ:うん、それじゃあいくね~。


0:琉亜の膝の上に向かい合うように座るユウキ
ユウキ:るあにぃちゃ!
琉亜:な~に~?ユウキちゃん!
ユウキ:あのね、今日ね、ご本読んだの!
琉亜:へ~自分で読んだの?
ユウキ:うん!ユウキ、文字、読めるの
琉亜:そっか~えらいねぇ~!ユウキちゃんは天才だね!
ユウキ:ふふっ、ユウキ、えらい?
琉亜:うん、えらいよ~。よしよし。
ユウキ:るあにいちゃ!大好き♡
琉亜:なんの本を読んだのかな?
ユウキ:あのね、お姫様のお話!
琉亜:お姫様?
ユウキ:そう!お姫様ね、リンゴ食べて死んじゃうの。
琉亜:あぁ白雪姫か。
ユウキ:でもね、王子様がきてね、結婚するの!
琉亜:そうだね、王子様がお姫様を目覚めさせて、幸せになるお話だね。
ユウキ:ん!
琉亜:え?ユ、ユウキ、ちゃん?
ユウキ:ユウキも、るあにいちゃと結婚する!
琉亜:んん?ユウキちゃん?
ユウキ:ユウキお姫様ね、るあにいちゃは王子様!
琉亜:え、うん。
ユウキ:お姫様と王子様は、ちゅーするの。
琉亜:ユウキちゃん……それはね、好きな人とね
ユウキ:ユウキ、るあにいちゃのこと好きだよ?
ユウキ:るあにいちゃ、大好き!結婚する!
琉亜:笑顔の破壊力……そして可愛い、柔らかい……
ユウキ:るあにいちゃ!ちゅー……
琉亜:あぁ……なんか甘い柔らかいにおい……やばい……あったかい、可愛い
ユウキ:るあにいちゃ?
琉亜:ユウキちゃん……あぁもう!ここで引いたら男がすたる!
ユウキ:ちゅー……
琉亜:ちゅー……
カナタ:はい、ストップ!おい!変態!
琉亜:痛ってぇ……カナタ、本気で殴った。
カナタ:ただの変態の現場にしか見えないわ!
ケイ:……ロリコン。
タツキ:……琉亜、お前。
琉亜:い、いや!違うんだって!これは体が勝手に!
ユウキ:るあにいちゃ?どうしたの?よしよし。
琉亜:ユウキちゃん!
カナタ:ユウキ!悪乗りしすぎだ!!
タツキ:そ、そうだぞ!そんなのダメだって!もっと大人になってからで!
ケイ:タツキくん……ユウキくんは僕たちと同じ男子大学生だよ?
カナタ:この姿じゃ、説得力ないけどね……。
琉亜:あぁもう俺……心臓持たないってば……。
カナタ:……そういえば、これで全員が琉亜を攻略したんだからクリアだよな?
ケイ:そうなるね。……でも。
タツキ:なんで……元に戻らねぇんだよ。
ユウキ:はぁ?こんだけやって戻れないとか何!信じらんねぇ。
琉亜:俺に言われても……あ、あれ?
タツキ:どうした?
琉亜:なんか、光ってるところがある。
ユウキ:クリア報酬受け取り的なやつじゃね?
ケイ:確かに!琉亜くん!押してみてください!
琉亜:あぁ……いくよ。
カナタ:はぁ……ようやくこの体から解放されるのか……。
ユウキ:ま、不思議な体験だったけど一度くらいならいいかもって少し思う。
ケイ:ふふ、確かに。ちょっと面白かったですね。
タツキ:俺はもう二度とごめんだ!
琉亜:じゃあ、これでクリアっと!

0:ピコーンと何かが更新される音(……が出せればどうぞ)
琉亜:あ……。
琉亜:『エクストラステージへようこそ、次は「琉亜」が女の子を攻略せよ』
琉亜:…………だそうです。
ユウキ:えええええええ?
ケイ:ええええええええ?
タツキ:ええええええええ?
カナタ:ええええええええ?


琉亜:(モノローグ)
琉亜:こうして、俺たちの受難はまだまだ続くのであった。

0:おしまい
0:お疲れさまでした。

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