[5人/♂4:♀1:不0]乙女恋愛趣味レーション―誰得?萌え得!私を萌え死にさせればオールオッケー

★性別不問・アドリブ・登場人物名前変更可作品

0:登場人物紹介(詳しくはシナリオ詳細をご覧ください)
0:性別転換、アドリブ等に関してはすべて演者様にお任せします。楽しんでお芝居してください。
0:名前(特に主人公)の変更はご自由にどうぞ。
疾風:疾風(はやて)役の方がタップ。2次元をこよなく愛する夢女。妄想爆発の主人公。得意技は謎の生き物と幼女。
アオイ:アオイ役の方がタップ。2つ年上のカフェのオネェさん。普段は女性らしいのにふとした瞬間の男らしい姿に萌え。
カオル:カオル役の方がタップ。1つ年上のお兄ちゃん。高校で養護教諭をやっている。黒髪メガネの白衣で優しくされたら確実に萌え。
ジュン:ジュン役の方がタップ。方言系俺様系同級生。関西弁俺様男子とかどう考えても萌え。
チアキ:チアキ役の方がタップ。1つ年下の幼馴染。猫系男子で普段は自由奔放だけど、寂しくなってすり寄ってくる姿が萌え。
0:四人は大学時代のサークル仲間で現在はみんな社会人。
0:それでは思うままに、演じてください。3・2・1…Act


0:ベランダでぼんやりと洗濯物を干す疾風。
疾風:(モノローグ)
疾風:大学を卒業して、四年目
疾風:仕事も慣れ、上司から期待され、後輩もできて、順風満帆に見える私の社会人生活は……
疾風:毎日毎日、残業続き。休日返上で働く社畜人生で、私の心は枯れ果てていった
疾風:そしてようやく勝ち取った休日は――


疾風:彼氏のいない女同士で酒盛りとか悲しすぎるでしょ……。
疾風:あ~!もう!こんなはずじゃなかったのに!
疾風:……ん?あ!流れ星!
疾風:萌えをください!萌えをください!萌えをくださあああああい!
疾風:……って、何言ってるんだろう。私。


疾風:(モノローグ)
疾風:この時の私の願いが、まさかあんな事になるなんて……
疾風:私は全く予想をしていなかった


0:部屋の中で騒ぐ声が聞こえる。
0:洗濯物を干し終わった疾風がベランダから室内へと戻る。
疾風:ちょっと~、うるさいんだけど。
疾風:ただでさえ最近、配信で声出しすぎて壁ドンされそうになってるんだから騒がないで……え?
ジュン:うわぁ~目線高ぁ……
カオル:すごいねぇ、ねぇねぇ、ほら。手、おっきぃ。
アオイ:でも肌は結構同じなんだねぇ~へぇ~きれい……。あ、でもやっぱついてるね!
チアキ:付いてるって……。先輩、ちょっと下品じゃないですか?
カオル:でも付いてるのは事実だし。
ジュン:よっと(立ち上がる)。……なんや、えらい違和感やな。
アオイ:というかさ、服何とかしたいわ――
疾風:だ、だ、だ、だ!誰?ちょっと待って?ヤダ!不法侵入者ああああああ
カオル:あ、疾風おかえり~。
ジュン:耳痛っ……ちょっとぉ、超音波出さんといてくれへん?
チアキ:疾風先輩、静かにしてくれませんかね。
疾風:は?何言ってんの?不法侵入者の分際で!
疾風:ま、まさか……イケメンが揃って私にあんなことやこんなことやああああああ
アオイ:疾風ちゃん、ちょっと落ち着いて?
アオイ:というか、疾風ちゃん……本当に怯えてないでしょ。
疾風:え?いや、そんなことは……じゃなくって!あなたたち誰ですか?
ジュン:誰って、ジュンやけど?
疾風:は?いやいやいやいや、何ゆーてる?
アオイ:ちなみに私はアオイで~す!
カオル:あぁ、私はカオルね。
チアキ:疾風先輩、チアキです。
疾風:………え?
アオイ:ん?
カオル:……うん。
ジュン:へ?
チアキ:まぁ理解しろっていう方が難しいですよね。
疾風:え~っと……え?なんで?
アオイ:いやぁ何でと言われてもねぇ……
カオル:突然のことだったし、どうしてこうなったかと聞かれても説明しにくいかなぁ。
ジュン:ん~……とりあえず疾風に、私たちが本人やって認識させなあかんのちゃう?
チアキ:そうですね……でもどうしたらいいんだろ?
アオイ:そうねぇ……う~ん……。
カオル:そうだ、ド定番だけどさ。疾風と私たちしか知らない情報を言えばいいんじゃない?
疾風:え?どういう――
アオイ:旅行先で降りる駅を間違えて彷徨い、みんなに心配をかけた。
疾風:なぜそれを!
カオル:配信で無茶ぶりして男の娘の可能性を見い出すのが趣味。
疾風:それはみんなが可愛いのが悪い。
ジュン:色気を求めて三千里。
疾風:色気~!色気ってどうやってでるんだよぉ~!色気よこせ。
ジュン:いや、謎の生き物と幼女があるからええやん。
アオイ:そうだよ、十分特徴あってうらやましいって。
疾風:嬉しくないし!色気が欲しいんだって!
チアキ:寝落ちしてイヤホンが首に絡まる……
疾風:いや、もうしてないからね!
アオイ:懐かしいねぇ~、疾風よく寝落ちして、絡まってたもんねぇ~
疾風:だから、それ、昔の話だから!
カオル:寝落ちの失敗だったらいくらでもあるよね、いびき配信とか、劇中寝落ちて続行不可とか――
疾風:あーあーあーあー!もういいです!わかりました!
疾風:はい、君たちは確かにカオルにアオイ、ジュン、チアキちゃんだわ!
疾風:……あれ?この展開……どっかで見たことあるような……
チアキ:疾風先輩、それは言わない方がいいと思いますよ。
疾風:あ、はい。

0:落ち着い四人を見る疾風。
疾風:それにしても……ひっどい恰好だね。
アオイ:まぁビジュアル、きついよねぇ。
カオル:突然のことだったし……というか、割と細身の体でよかったよ。
ジュン:この格好でミニスカとか……えぐ。
チアキ:私……なんか、ほとんど変わってないのが悔しいんですけど……。
カオル:そういえば疾風~、妄想用の服、いっぱい持ってたよね?
ジュン:へ?何それ。
チアキ:あぁ疾風先輩のコレクションね。
疾風:ちょっと、カオルはともかく、何でチアキちゃんまで知ってるの?
チアキ:いや、この前飲んだ時に自慢げに語ってたじゃないですか。
疾風:ありゃ?そうだっけ?
アオイ:はいはい、それで?疾風ちゃん、あるの?
疾風:うん、あるよ!
ジュン:このままってわけにもいかへんし……着替えよか。
疾風:え?マジで?ヤダ、まって!最高かよ!
チアキ:疾風先輩……怖い……。
疾風:じゃあさ、疾風が全面プロデュースするね!
アオイ:うん、お願い。
ジュン:あれ……なんか目つき、やばない?
カオル:………はぁ。


0:服を着替えた四人。
疾風:はあああああああああ。
アオイ:疾風ちゃん、ちょっと落ち着こうか。
疾風:だってだってだって~
カオル:いやぁ……ぶれないよねぇ。このチョイス。
ジュン:あぁ……うん、でもなんかわかるわ。これ、意外とええなぁ。
チアキ:私、あんま変わらないから新鮮味がなくて残念です。
疾風:四人とも似合うよ~!やばい、イケメンがイケメンの格好でイケメンぞろいで!
カオル:疾風、語彙力失ってるよ。
アオイ:さてと、どうする?
ジュン:ん?どうするって?
チアキ:このままってわけにもいきませんよね。
疾風:前にさ、琉亜くんが同じような目に合ったって聞いたんだよね。
ジュン:琉亜くんって、あぁ疾風の従弟やったっけ?
疾風:そうそう、それで何か恋愛シミュレーションみたいに好感度上げてどうのこうのって――
カオル:それって、これのことかな?
アオイ:どれどれ?あ、本当だ、なんかある。
チアキ:詳細と……なんだろう、このハートマーク。疾風先輩は何か見えますか?
疾風:………。
チアキ:疾風先輩?
ジュン:ん?おーい!疾風~?
疾風:……天国……。
カオル:あ、やばい……
疾風:天国きたぁ!え?マジで?やった~リアル乙女ゲー!最高かよっ
アオイ:は、疾風ちゃん?
ジュン:あ、そういうことか……。
チアキ:え?ジュン先輩、どういうことですか?
疾風:ふふふふふふ、さぁ君たち!私をドキドキさせるのだ!
アオイ:え?
チアキ:疾風先輩?
カオル:やっぱりか……
ジュン:うわぁマジかぁ~。
アオイ:えっと、疾風ちゃん?どういうこと。
疾風:説明しよう!私のチュートリアルにはこう書かれているのである!
チアキ:チュートリアル?
ジュン:あぁほら、みんなにも見えてへん?なんかゲームの操作画面的なやつ。
アオイ:あぁ確かに。……おぉなんかすごい。
カオル:たぶんこの感じだと、疾風にはメイン画面が見えてるんだよ。
疾風:その通り!そしてここには、こう書かれている!
疾風:これは、「疾風」を萌えさせるゲームです!皆さん、それぞれの設定に従って疾風を萌えさせてください♪全員クリアで元に戻れます!だって!はい、早速いってみよう!
カオル:圧!圧がすごいのよ!
チアキ:先輩……イキイキしてますね。
アオイ:そういえば疾風ちゃんは根っからの乙女ゲーム好きだもんね。
ジュン:しかも夢女(ゆめじょ)ときたもんや。
カオル:疾風にとっておいしい状況なのはわかった。
ジュン:でもよぉ見たら、みんななかなかイケメンやし、めっちゃイケボやんなぁ。
アオイ:確かに。自分で言うのもなんだけど……結構キュンとくるかも。
チアキ:……まぁそれは確かに。
疾風:さぁさぁ!早く早く!張り切っていきましょ~!


チアキ:じゃあ、だれから行きますか?
ジュン:ほんなら、うちから行かしてもらおか。
カオル:お、さすが乙女ゲー仲間。順応早いねぇ~。
アオイ:それで?ジュンの設定は何なの。
ジュン:えっとなぁ……、俺様系同級生。
アオイ:あ、それ好き……え、疾風ちゃんいいなぁ~。
チアキ:ジュン先輩に合ってていいですね。
疾風:ふっふっふ~、そう簡単には落とされないからね!
ジュン:……。
疾風:大体、数々の乙女ゲームを制覇してきた私にとって、俺様系なんてド定番!免疫たっぷりついてるから簡単に――
ジュン:おい、いつまで他の男の話してんねん。
疾風:ちょっ!ジュ、ジュンさん?
ジュン:大体、俺がおんのに他の男がどうのって……お前、何考えてんの?
疾風:あ、いや。違うんだって!ゲームの話――
ジュン:ゲームやろうがリアルやろうが、俺の前で俺以外の男なんて見てんちゃうぞ。
疾風:あ、の……ち、近い近い近い!
ジュン:うるさいなぁ、お前に拒否権なんかないで。
疾風:ふぇ!あ、顎くいですか?いや、待っ――
ジュン:待たへん。言ったやんな?拒否権なんかないって。
疾風:(目をぎゅっとつぶる)ん………。
ジュン:ぷっ、ははははは。
疾風:え?ちょっと?ジュン?
ジュン:あほぉ、何間抜けな顔しとんねん。
疾風:え?待って、キ、キスは?
ジュン:なんや、してほしいんか?
疾風:へ?あ……ち、違う!だって!ジュンが!
ジュン:そっか、して欲しくないんか。
疾風:いや、して欲しくないわけじゃ……
ジュン:へぇ、して欲しいんや。そんならおねだりせえや。
疾風:くっ……
ジュン:ほら、早よせぇ。ちゃんとおねだりできたら、してやんで?
疾風:……キス……し……
ジュン:(おでこに)ちゅっ!
疾風:うわああああああああ!
ジュン:あはははは、顔まっ赤!やば、めっちゃ可愛いやん。
疾風:チューした!チューしてきたぁあああ!
ジュン:ん?なんやねん、強請ってきたんはお前やろ?
疾風:いや、そうだけ――
ジュン:(耳元で)それとも、唇塞いで欲しかったんかな?
疾風:く、くちび!?
ジュン:ほら、どうしてほしいか、早よ言わんかい。
疾風:えっと……
ジュン:疾風は、どこに何してほしいん?ん?
疾風:あの……く、唇に――

カオル:おーい、そろそろやめてもらっていいっすかね。
アオイ:……やばい、私がキュンキュンきてる。
チアキ:アオイ先輩って俺様系が好きなんですか?
アオイ:ちょっと強引な感じっていいわよね。
疾風:………。
ジュン:いやぁ~楽しかったわぁ!
ジュン:お、好感度マックス~!……ってあれ?
カオル:ん?疾風?
アオイ:疾風ちゃん?
疾風:心臓むりいいいいいいいい!
チアキ:免疫あるんじゃなかったんですか?
疾風:いや、これマジで無理だって。やってみ?マジでやってみ?心臓爆発するから。
カオル:またまたぁ~大げさだって。
ジュン:おい、カオル。俺がそばにおんのに、他の奴と話してんちゃうぞ。
カオル:ちょっ、ジュ、ジュン?
ジュン:お前は俺のもんやろ?
カオル:ま、待てって!
ジュン:待たへん。彼氏の前で、他の奴と話しする悪い子には、お仕置きしなあかんな。
カオル:やっ……ちょっ!ジュン!
疾風:リアルBL……
アオイ:……これ、やばいわね……目覚めそう。
チアキ:尊い……。
カオル:いや!お前ら止めろよ!ジュンも悪ノリすんなし!
ジュン:え~?カオルも満更でもなかったくせに。
カオル:美味しい展開だけど!自分がするんじゃなくて見たいんだよ!
カオル:って疾風!何、録画してんだよ!
疾風:え?だってこれご褒美じゃん!最高じゃん!
カオル:だあああああ!次だ!次いくぞ!
疾風:え~。
カオル:え~。じゃない!ほら、早くしないと夜が明けちゃうって。
アオイ:それもそうね。


ジュン:ほんなら、次は誰がやるんかな?
アオイ:あ、じゃあ私がやろっかなぁ~。
チアキ:アオイ先輩の設定は何なんですか?
アオイ:えっとねぇ~。何々……。2つ年上のカフェのオネェだって。
カオル:え?オネェなの?
アオイ:うん、オネェ。
チアキ:でもオネェって恋愛対象、男性なんじゃ――
疾風:ふはははは!恋愛対象は男性なのに、主人公だけは特別で、男としての想いが溢れちゃう系ラブロマンス!女友達的な要素と時折見せる男らしい彼氏要素のダブル効果で萌えポイントのオンパレード!
ジュン:あるある。わかるわ~!
チアキ:そんなジャンルあるんですね。
カオル:ってか疾風、鼻息荒いよ。
疾風:だってこれが興奮せずにいられ――
アオイ:は・や・て・ちゃ~ん(抱きつき)
疾風:ひゃあ!
アオイ:最近、お店に全然来てくれないじゃない。寂しかったんだから。
疾風:え、えっと……アオイ?
アオイ:ん~?どうしたの?
疾風:えっと、後ろから抱きしめられるとか、慣れてないからその……恥ずかしいよ。
アオイ:ふふふ、何言ってるの。女同士なんだからいいじゃない。
疾風:いや、そうかもしれないけど!アオイ……その、カッコいいし。
アオイ:え~?そうかなぁ?
疾風:そうだよ!キレイだしカッコいいし……なんか、ずるい。
アオイ:ありがとう。疾風ちゃんはちっちゃくて可愛いわね。
疾風:アオイがおっきいんだよ!って、いつまで抱きしめてるのさ!
アオイ:ん~……満足するまで。
アオイ:というか、疾風ちゃん?ちゃんと、ご飯食べてる?
疾風:た、食べてるよ!ちゃんと――
アオイ:でもこんなに細くて……心配になっちゃうなぁ。
疾風:あ、アオイ……
アオイ:それに、お肌も少し荒れてるんじゃない?
疾風:ひゃっ!くすぐったいってば。
アオイ:ふふふ、可愛い声。疾風ちゃん、そんな声を男の人の前でしちゃだめよ?
疾風:し、しないよ!というかアオイがこんなことするからでしょ?
アオイ:だって疾風ちゃんが可愛いんだもん。
疾風:もう!わかったから離し――
アオイ:はいはい、ほら、離してあげる。
疾風:あ……
アオイ:ん~?どうしたの?疾風ちゃん?
疾風:えっと……何でもない……。
アオイ:あら、もっと抱きしめて欲しかった?
疾風:そ、そんなんじゃ――
アオイ:ほら、おいで。
疾風:えっと。
アオイ:おいで~。ぎゅってしてあげるから。
疾風:う……
アオイ:ほら。
疾風:う、うん……
アオイ:あぁもう可愛いなぁ~。ふふふ。
疾風:なんか恥ずかしいんですけど。
アオイ:あ、そうだ。疾風ちゃんのためにマカロン焼いてきたのよ?
疾風:え!マカロン!
アオイ:食べたい?
疾風:食べたい!
アオイ:じゃあ……ほら、あーんして?
疾風:へ?
アオイ:食べさせてあげる。
疾風:じ、自分で食べられるよ。
アオイ:(ちょっと男らしく)いいから、疾風ちゃんに食べさせたい。
疾風:え?
アオイ:ねぇ……あーんって口開けて?
疾風:……。
アオイ:は~やて?
疾風:あ、あ~ん。
アオイ:可愛い……はい、どうぞ。
疾風:ん……甘くて……美味しい……。
アオイ:ありがとう、疾風ちゃんのために作ったからさ。喜んでくれた?
疾風:うん……。
アオイ:じゃあ、今度は私が疾風ちゃんを食べてもいい?
疾風:え?
アオイ:疾風ちゃん……好きだよ。
疾風:えっと、あの……
アオイ:可愛いねぇ~、私だけの疾風ちゃん!
疾風:あ、あ、アオ、イ――
アオイ:いただきます♡

チアキ:ストップです!やりすぎですよ!アオイさん!
カオル:なんだろう、大人の色気?
ジュン:やっぱ、オネェ系男子のふと見せる彼氏っぷり、たまらん!ご馳走さまです!
アオイ:結構楽しいねぇ~。オネェだから口調とかもあんまり変えてないけどあんな感じでよかった?
チアキ:なんかすごくその……雰囲気でてました。
アオイ:あら~?チアキちゃん、顔まっ赤?ちょっと刺激が強かったかしら?
チアキ:あ、アオイ先輩……からかわないでくださいよ。
ジュン:あ~……疾風?
疾風:中身はアオイ、中身はアオイ、中身はアオイ……
カオル:あぁ……完全にやられちゃってるね。
アオイ:はい、私も無事クリアです。
ジュン:あ。ていうか、うちもマカロン欲しい!
アオイ:ふふふ、みんなの分もちゃんとあるから安心して。
チアキ:アオイさんのマカロン好きですよ。
アオイ:あら、ありがとう。チアキちゃんの分は、あんまり甘くしてないから。
チアキ:え?
アオイ:チアキちゃん、甘すぎるのは苦手でしょ?
チアキ:覚えていてくれたんですね、うれしい……。
アオイ:好きな子の好みは把握してなきゃね♡
チアキ:アオイ先輩!?
疾風:ほほぉう、年下男子とオネェの恋。
カオル:あ、復活した。
ジュン:いや、また進まへんくなるから、ちゃっちゃと次いこ。


カオル:さてと、あとは私かチアキだね。
チアキ:アオイ先輩とジュン先輩がすごすぎて自信ないんですけど……。
アオイ:大丈夫よ、チアキちゃんなら。
ジュン:そうそう。それに疾風ちょろいから楽勝やで。
疾風:え?扱い酷くない?ねぇ!ちょっと、どういうことよ!
カオル:どうもこうも、免疫あるとか騒いでおいて、どれも秒で落ちたじゃん。
チアキ:先輩の好感度、すぐに満タンになるからびっくりです。
アオイ:まぁまぁ、それだけ疾風ちゃんは純情ってことよ。
ジュン:だからちょろいゆうことやんかぁ。
疾風:くっ!もういいから!次はだれが私に萌えをくれるんだ!
カオル:そんじゃあ、私がいこうかな。
チアキ:カオル先輩の設定はどうなっているんですか?
カオル:あぁその前に。疾風~、白衣持ってたよね?
疾風:ん?あぁあるよ。
カオル:それ、貸して。
疾風:ん?わかった~。

ジュン:カオルの設定って何やろなぁ。
チアキ:それにしてもカオル先輩、なんか妙な色気ありますよね。
アオイ:わかる。黒髪のちょいながヘアのせいなのか、はたまたあの瞳のせいなのか……エロいわよね。
チアキ:疾風先輩はカオル先輩がどんな設定なのか知らないんですか?
疾風:うん。私からは詳細見られないんだよねぇ。
カオル:ただいまー。
疾風:あ、カオル~!お帰――
カオル:なんだよ、疾風。兄ちゃんに向かって名前呼びとか。
疾風:え?あ?お兄ちゃ、ん?
カオル:ん?何、驚いた顔してるんだよ。俺はお前の兄ちゃんだろ?
疾風:あっと、そう、だったね……。
カオル:それより、いつものしてくれないの?
疾風:へ?
カオル:お帰りのちゅー。昔からずーっと日課なのにしてくれないの?兄ちゃん、淋しいなぁ。
疾風:え?ちゅ、ちゅう?
カオル:そ。いつもお帰りってほっぺにちゅーしてくれるだろ?
疾風:えっと、えええええええ?
カオル:ほら、疾風。ただいま。
疾風:おかえ、り……なさい。
カオル:ん。ほら、早く。
疾風:くっ……(ほっぺに軽くキス)
疾風:うわあああああああああ。
カオル:あはははは、何照れてるんだよ。疾風は可愛いなぁ。
カオル:よくできました。よしよし。
疾風:ってか……お兄ちゃん、なんで、その……白衣……
カオル:ん?だって仕事着だし。
疾風:へ?
カオル:俺の勤め先、学校じゃん。保健室の先生。
疾風:……は?マジで?
カオル:忘れちゃった?
疾風:んんんん(悶絶)
カオル:熱でもあるのか?(おでここつん)
疾風:え?ま、ちょっと、おでこで熱とか、え?
カオル:ほら、大人しくしてろ。
カオル:ん~……熱はないみたいだな。でも、顔が少し赤い。
疾風:お兄、ちゃん……
カオル:最近寒いからな。少し風邪気味ってところか。
疾風:えっと……
カオル:大丈夫だよ。よしよし。兄ちゃんがちゃんと看病してやるから心配すんな。
疾風:……うん。
カオル:よし、それじゃあベッドに行くか。
疾風:へ?うわっ!ちょっと、お兄ちゃん?お姫様抱っことか恥ずか――
カオル:大事な妹なんだからこれくらい当然だろ?
疾風:ううう……
カオル:それに学校じゃ、倒れる女子生徒が多いからよく担いでるし。
疾風:え?
カオル:ぐったりしてるとおんぶってわけにもいかないからな。
疾風:……いろんな女の子に……してるの?
カオル:そりゃ仕事だしな。
疾風:……。
カオル:なんだ、やきもちか?
疾風:そんなんじゃ――
カオル:(頬に軽くキス)
疾風:お兄ちゃん!?
カオル:疾風は可愛いなぁ。大丈夫だよ、俺はお前だけの兄ちゃんだから。
疾風:ほんと?
カオル:ほんと、ほんと。よいしょっと……
疾風:へ?あの、お兄ちゃん?ベッドに行くんじゃ――
カオル:ベッドまで我慢できないからここで疾風を甘やかせたいな。
疾風:お兄ちゃん……
カオル:先生って呼んでもいいんだよ?疾風、好きだもんな。
疾風:えっと……カオル、せんせー……
カオル:どうした?具合悪くなっちゃった?
疾風:あの、胸が……苦しくて……
カオル:そっか、じゃあちゃんと診てあげないとね。
疾風:先生――
ジュン:カオル、そこまで。ほんで疾風は戻ってこい。
アオイ:黒髪、眼鏡に白衣の保健医って、どんだけ設定てんこ盛りなのよ。
チアキ:カオル先輩の職業も保健室の先生だけに、なんかもうリアルすぎてやばいですね。
ジュン:まさかカオル、そうやって若い男子生徒たぶらかしてるんちゃう?
カオル:まっさか~。そんなわけないじゃん。年下には興味ないし。男は三十路過ぎてからっしょ。
アオイ:カオルって本当に昔から枯れ専よね。
チアキ:大学の時からずっとぶれませんよね。
カオル:まぁね~……って疾風大丈夫?
疾風:……白衣……保健医……眼鏡……お兄ちゃん……
アオイ:キャパオーバーっぽいわね。
ジュン:チアキが残ってるから、気張ってもらわな困るんやけどなぁ。
チアキ:疾風先輩。戻ってきてくださいよ……最後、私が残ってるんですからね。
疾風:………。
ジュン:それにしても、カオルほんま似合ってるなぁ。
カオル:ん?そう?まぁ白衣も着慣れてるしね。
ジュン:疾風の好み、わかる気がするわ~。
カオル:そっか、ジュン。こういうのが好きなんだ。
ジュン:ちょ、おい!なんでこっちくんねん。
カオル:いけない子だなぁ、授業サボって……。それとも俺に何か教わりたいのかい?
ジュン:いや、意味わからへんわ!
疾風:続けてください!
アオイ:あら、復活ね。
チアキ:なんかもうパターン化してません?
カオル:よし、疾風も正気に戻ったし、私もクリアしたことだし、最後はチアキ!よろしく~。
ジュン:おい、正気に戻すためにBL臭だしまくんのやめろや。
カオル:だってこんな時じゃないとできないじゃん。
疾風:うんうんうんうん。
アオイ:疾風ちゃんはちょっと落ち着こうね~。


チアキ:では、最後……頑張ります。
カオル:チアキの設定は?
チアキ:えっとですね、1つ年下の幼馴染。猫系男子で普段は自由奔放だけど、寂しくなってすり寄ってくる……だそうです。
アオイ:年下系幼馴染かぁ。なんかいいね。
ジュン:チアキのキャラやったら、そのまんまでも十分通用しそうやなぁ。
チアキ:え?どういう意味ですか、それ。
カオル:そのままの意味だよ。ツンデレ……とはちょっと違うのか。猫系男子……どんなん?
アオイ:さぁ?
疾風:………こう。
アオイ:ん?疾風ちゃん?
ジュン:疾風~?おーい!疾風~?
カオル:あ、やばそう……
疾風:最高かよ!尊い!尊すぎるって!
チアキ:先輩、圧!圧がすごいですって!
カオル:はい、落ち着け落ち着け!
アオイ:……なんかもう、これだけで好感度上がってそうよね。
ジュン:確かに……。
チアキ:もうさっさとやりましょう!いきますよ!
疾風:うんうんうん!
カオル:疾風、いいから一回深呼吸!
疾風:ひっひっふー、ひっひっふー……
アオイ:ラマーズ法って。
ジュン:うん、ほんならチアキ。ちゃっちゃといこか。


チアキ:……疾風先輩。疾風先輩?
疾風:はっ!チアキちゃん……ごめん、ちょっと意識飛んでたわ。
チアキ:ん、いいんですけどね。というか、いい加減にちゃん付けはやめてくれませんか?
疾風:へ?
チアキ:僕は一応男なんですよ?ちゃん付けとか、その……嫌なんですけど。
疾風:えぇ~?いいじゃん。昔からそうなんだし。今更変えるなんて――
チアキ:そうかもしれませんが、僕は嫌なんです。それにお互いもう子供じゃないんですから――
疾風:疾風ちゃん。
チアキ:え?
疾風:最近呼んでくれないよね?疾風ちゃんって……
チアキ:当たり前じゃないですか。先輩は一応年上なんですから。
疾風:え?一応って何?
チアキ:年上にはまぁ見えませんからね……でも一応先輩だし。
疾風:何それ!馬鹿にされてる?
チアキ:馬鹿になんてしてません。
疾風:というか幼馴染なんだし、年上とか年下とか関係ないじゃん!
チアキ:はぁ……うん、わかったよ。
疾風:ふふふ、チアキちゃん大好き!
チアキ:はいはい、疾風ちゃんはいつも元気でいいよね。
疾風:……なんか扱いが雑。
チアキ:そう?昔のままを望んだのは疾風ちゃんでしょ?
疾風:そうだけど……。
チアキ:……疾風ちゃんにとって僕は、ただの幼馴染だもんね。
疾風:ん?チアキちゃん?
チアキ:……。
疾風:どうしたの?
チアキ:別に。どうもしないよ。……あぁもう遅いし僕帰るね。
疾風:あ、うん……わかった。
チアキ:………。
疾風:ん?どうしたの?
チアキ:別に……。
疾風:じゃあ途中まで――
チアキ:疾風ちゃんってさ。彼氏いるの?
疾風:へ?
チアキ:あのカフェの店長さん?それとも仲良さそうな同級生のあいつ?
疾風:チアキちゃん?
チアキ:……別に、興味ないけど。
疾風:……ふふふ、ねぇ。ヤキモチ?
チアキ:な!違うよ、そういうんじゃ――
疾風:ふふふ、ヤキモチ~♡チアキちゃん可愛い~!もうやっぱりチアキちゃん、最高だな……ひゃっ。
チアキ:……。
疾風:あの……チアキ、ちゃ――
チアキ:言ったよね?僕も、男だって。
疾風:へ?
チアキ:好きな子がさ、ほかの男といるのは嫌なんだ。
疾風:えっと……
チアキ:そうだよ、ヤキモチだよ。ダメかな?
疾風:チアキ、ちゃん……
チアキ:僕ね、疾風ちゃんが大好きだよ。
チアキ:昔からおてんばで、僕のこと振りまわして。けど……可愛くて、大切な人。
疾風:……。
チアキ:ねぇ、疾風ちゃんはさ。僕のこと好き?
疾風:えっと、好きだよ!
チアキ:それは幼馴染として?それとも、男として?
疾風:えっと……そんな急に……
チアキ:僕はずっとずっと疾風ちゃんが好きだったんだよ?
チアキ:幼馴染としてじゃなく、異性として。
疾風:あの……
チアキ:ねぇ疾風ちゃん……いいや、疾風。
チアキ:僕は疾風のことが大好きです。……疾風は?
疾風:えっと、あの……うぅ……その……
チアキ:否定しないってことは、僕のものになってくれるってことでいいんだよね。
疾風:へ?
チアキ:これからもずっと一緒だよ。大切にするね。
チアキ:だから、僕のお嫁さんになってね。(手の甲にキス)
疾風:チ、チアキちゃん!……うん。
チアキ:二人で幸せな家庭を築こうね。
疾風:ぐはっ……(鼻血)
チアキ:うわぁぁあああ!疾風先輩!
カオル:だああああ!あんた、何やってんのよ!アオイ!ティッシュとって!
アオイ:はいはいはいはい、あぁジュン!悪いけど冷たいタオル用意して。
ジュン:わ、わかった!

0:少し間
疾風:……お騒がせしました。
チアキ:あの、疾風先輩?落ち着きました?
カオル:鼻血だしてぶっ倒れるとか、コントかと思ったわ。
アオイ:疾風ちゃん……あなたって子は……。
ジュン:まぁ疾風らしくええんちゃう?
疾風:いやはや、面目ない……。
カオル:というか、これで全員クリアしたってことでいいんだよね?
アオイ:そうね、全員の好感度は最大になったはずよ。
ジュン:この体ともおさらばかぁ。ちょっとだけ名残惜しいな。
チアキ:私はどうせだったら先輩たちみたいに、もっと男らしくてカッコいいい方がよかったです。
アオイ:あら、私は女性っぽい雰囲気だけど?
カオル:でもさ、アオイはセクシーな美男子って感じじゃん。
ジュン:まぁそういう点で言ったら、チアキは可愛い系やもんな。
チアキ:貴重な体験ではあったので楽しかったですけどね。
ジュン:ってことで疾風。たぶんクリア画面かなんか出てるんちゃう?
疾風:ん?あぁ、なんかボタンが光ってる。
カオル:それだね、そんじゃあ、よろしく!
疾風:は~い。

0:ピコーンと何かが更新される音(……が出せればどうぞ)
疾風:あ……。
疾風:『エクストラステージへようこそ、次は「疾風」が男の子を攻略せよ』
疾風:…………だってさ♡
チアキ:……え?私たちが疾風先輩に口説かれるってこと?
ジュン:あはははは、疾風にときめくとか……うん、ないわぁ!
アオイ:う~ん……疾風ちゃんは確かに可愛いけど……。
カオル:壊滅的にセクシーが足りないからなぁ……

疾風:え、ちょっと……みんな?
疾風:くそぉ……セクシーって何だああああああああああああ!

疾風:(モノローグ)
疾風:こうして、私たちの受難はまだまだ続くのであった。

0:おしまい
0:お疲れ様でした。

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