転がる石は…
何かを書く事が好きだ。
中学高校と、授業中ノートを取るふりで、他愛もないオハナシを書き殴って、友人に見せたり、見せずにこっそり書き溜めたり、色々書いて来た。
二十歳、家を出る時に、全てを燃やした。
学生時代に色々バイトをして…ケーキ屋の売り子とか、製薬会社の事務とか、清掃員とか、脈絡なく色々バイトをして、それはまあ、それぞれ面白かったけど、何かをじっくり、腰を据えてやり遂げるという粘り強さとは無縁だった。
図書館司書の免許を持っていたので、そちらにも勤めたが、お役所気質が合わなくて、結局辞めて…。
一番長く続いたのは、馬の世話をする仕事だった。かれこれ25年ぐらい続けて、介護離職。この期間は、馬との時間に没頭して、ちょっと世の中から乖離していたと思う。
子供の頃から好きだった競馬から転じて、乗馬に関わり、自分の馬を持ち、競技もやった。熱中した分、自分としては、やり切った満足感があり、それは良かったなあと思っているが、数年の無職を経て、現在は織物の世界に関わっている。馬から織物!? この脈絡のなさ…。
自分の興味が、いかに多方面に向いていて、一つの物と向き合う根気や集中力がないかの表れではあるが、走り出したものは仕方がない。しばらくは、絹織物の世界で勉強して行こうと思う。
でもいつかまた、違う方に転がって行くのかもしれない。
それも、またよし。
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