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剣と風鈴、群青の打ち上げ花火

急に寒くなって衣替えが間に合わず、薄着で震える日々……うう……真夏の時期に作った詩で暖を取れるかなぁと、今回は夏っぽい詩ばかり詰め込んでみました(´▽`)

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩4編と、hoshiboshi様主催の140字小説コンテストに投降した作品を1つ、セットでお送りいたします。

10月末日まで「#秋の星々140字小説コンテスト」が開催中ですよ~(*´▽`*)



氷のつるぎを装備して

いざ、炎天下を倒さん


つぅ~っとつたう水滴は夏の涙

さやに隠した本物涙

溶けるまでが勝負

溶けたら引き分け、極楽クーラー


氷の剣は冷凍庫へ

涙よ凍れ、ゆっくり凍れ

次の夏まで、ゆるゆると



打ち上げ花火

曼荼羅アートが咲く夜空から 

イス片手に帰ってくる

宇宙に帰った人々が


ラムネ片手に笑ってる

私たちは打ち上げ花火

満面大笑天


爆音で咲く曼荼羅花火

おかえりなさい、叫び

馬と牛は跳ねて、踊り



風鈴

飛び散る氷をつかまえては

弾くような風鈴の音

夏風邪の耳にだけ聞こえる

雲海の風鈴の斉唱


精製される夏のダイヤモンド

清々するようなトレモロの切れ目


サビはまだだよ、まーだだよ

鳴っている、聴いている



群青

生き尽くしたら

空は真っ青になるだろう

夏空だったら、きっと群青


もういいかな

表面張力から離れかけて

まだ気になることがあるな

水底に無事、着地


生き尽くすまで

空はカラフルを約束してくれる

雲のエコーが響く空は群青

ほんの一瞬の、群青



夏の星々140字小説コンテスト応募作品(テーマ「遠」、水原月として投稿)

プールに飛び込み、地上の音が遮断された。腕を大きく回し、足でリズムを取り、息継ぎ。より遠くへ、より速く、水になる。
耳の奥で、夏のピアノが鳴り響く。蒸し暑い夕方、君が音楽室で弾いてくれた曲。左側のコースに君の気配。最後の競争。
僕らきっと、うんと遠くへ流れる波になるんだ。


お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。