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アナログ・アプリケーションの蓋

最近、クイックルワイパーを無意識に撫でていました。

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩5編と、hoshiboshi様主催の「春の星々140字小説コンテスト」に応募した作品1つをお中元セットにしてお送りいたします。

冷たい飲み物を片手に、どうぞお楽しみください~(*´▽`*)



夜に溶けて

夜に溶けては昼に還る

さよならのようで初めまして
そんな何かが

すぅーっと
無数の数字も夜に溶けて

真夜中は冷却、軽量化

夜に溶けて、一息ついて

ストレージを空にして

また還る

初めまして

そしてまた

夜に溶けて

マッハ87でお散歩する星に乗って

僕ら走ってる

時々止まって

オレンジポピーを見つめながら
ペットボトル詰めの水を飲む

蓋をくるくる回せば

神経回路を星が走り抜けて

僕ら蓋になったり水になったり

それでもやっぱり人だから

歩いて家に帰ろうか



食べる、飲む、その回転

ブラックホールなコーヒーに
ホワイトホールなミルクの渦
ホットケーキにシロップを回しかける

目が回って


回転、転回


夕飯の甘辛い時間

肉じゃがを食べる

食物連鎖は継続中
カンブリア的進化のため

恐れる、その人間味

ごちそうさま、その祈り



アプリケーション

新鮮アプリケーション

日進月歩なアプリケーション

ぷりっぷりアプリケーション

命短し

生鮮食品アプリケーション


視点を変えれば

時間も美味しい

乾物アプリケーション

今日も明日もアプリケーション



アナログ

アナログの窓から
デジタルのクローバーが見える


風に揺れるプログラムで
クローバーは生きている

ように見える


日が差し込む窓の向こうから
クローバーが私を見ている


瞬き、呼吸、鼓動

アナログな仕掛けで

私は生きている

ように見える

のでしょうか



春の星々140字小説コンテスト応募作品(テーマ「明」、水原月として投稿)

新居のカーテンのサイズを間違えて、買い直した帰り道。疲れ果てて公園のベンチに座った。
凧が空を泳ぎ、羽根突きの音が響く。あちこちでコマが回り、毬が跳ねる。老若男女が楽しそうに遊んでいた。
季節外れの「明けましておめでとう」が飛び交う。頭上の桜に、私も新年の挨拶をしてみた。



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。