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プラチナ深呼吸で揺るがぬ決意

最近、茶碗蒸しのレシピを探していましたら、鹿児島県の童謡「茶碗蒸しの歌」という楽しい歌を発見しまして、毎日口ずさんでおります。まこちげんねこっじゃわっはっは~(*´▽`*)

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩4編と、Hoshiboshi様主催の140字小説コンテストに応募した作品1つをお送りいたします。またも夏っぽいものばかりに…!



深呼吸

風だった空気を吸って

息という生命を放つ

たそがれ泣きの夏は

どこか遠くにまだあるよ

思いきり泣ける夏は、また来るさ

涙になれない感情を背負い

毎日、大人になったつもり

深呼吸で少し子どもに戻る

風を吸う五秒

息を放つ三秒



揺るがぬ決意

最後と決めた冬

カボチャを煮ている時に

生きてる、と思った

最後の最後、と決めた夏

スイカをかじった時に

生きよう、と決めた

季節はこの世限りで一度きり

今日はキュウリの浅漬け作り

生きる

いつも最後の夏の端っこで

揺るがぬ決意

プラチナ

プラチナの満月を横切る飛行機

縁側に座るごとく

水平尾翼に腰かけるのは

失われた島の言葉で歌う人

スタビライザーの手拍子

満月に共鳴するプラチナ音階

はるか遠くから渡り鳥のコーラス

失われた星の言葉を歌う人

そんな人もいるかもね

夜風と月光浴

納涼

青くライトアップされた円柱の水槽から

人間の小部屋へ

アツサ、サムサモ、ヒガンマデ 

涼しい目をした金魚は呟く

暑いなら涼しい場所へ

導くように金魚は泳いで、どこ吹く風

冷たい夜風が、よく吹く場所へ

いつもより、よく眠れる部屋へ



夏の星々140字小説コンテスト応募作品(テーマ「遠」、水原月として投稿)

迷い犬の柴犬コマちゃんが我が家にやってきて一年。ついに正式な家族になった。
お祝いとして、地元の花火大会に行ってみたが。コマちゃんは私にしがみついたまま。抱き直して花火に背を向けた。
コマちゃんには花火が見えるだろう。もうお互い遠慮はいらない。家族のコマちゃんは、ほどよく重い。



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。