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魔法瓶と屋根裏にもろびとこぞりて

本好きになったきっかけがシャーロックホームズだったので、いつかミステリー小説も書いてみたいなぁなんて思っていたのですが、ついに今年から長編ミステリー小説に挑戦しております。難しさに心折れそうになる日々ですが、敬愛するルー大柴さんのギャグを思い出しながら頑張ります!オールウェイズ、自分をビリーブ……!

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩四編と、Hoshiboshi様主催の「秋の星々140字小説コンテスト」に投稿した小説を一つ、お送りいたします。



彗星

ロックンロールが飛んでくる夜
神様、生きる意味をください
乞う瞳に横切る彗星

出所不明のパワーで
落ちたり飛んだり
無軌道に時空を進め進めと

つじつまが合わないパワーで
ロックンロールな彗星が
仏様、なんで落ちてくるのでしょう



屋根裏

屋根裏から列が見えるよ
きっと君はついていく
列の行き着く先が
とても君に似合わないとしても

屋根裏からも手紙は届くか否か
列からはみ出た記念日は
君にとっては、何の日か

屋根裏で描いた僕らの絵
飾ることなんてできないけど
きっと僕らにぴったりな行き先だった



魔法瓶

魔法瓶の底では
木漏れ日が微笑む

一杯に溶けた太陽に
冷えたお腹が微笑む

魔法瓶の味わいには
メレンゲという花が泳いでいて

綿毛の湯気が気持ちに届いて
カップ越しに、かじかむ指を守る



もろびとこぞりて

炎の光は
ぼんやり
もろびとこぞりて
ひんやり

ひび割れる雪の結晶
星で継ぎ直して
世界中の夜空
ひらひら

早朝の空に
ぼんやり
もろびとこぞりて
おはよう



秋の星々140字小説コンテスト応募作品(テーマ「深」、水原月として投稿)

行ったことのない地下深くの世界を開拓するのが好きだ。鳩仲間たちには笑われるが、かまわない。
今日は駅の地下に足を踏み入れる。人間たちが少なくなる時間にホームに降り立った。果敢に階段を下りていると、隣の人間が僕に付いてくる。この人も冒険がしたいのだろう。胸を張って相棒を導く。



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。