厚かましくお願いできるクソ野郎の方がよほど周りにとって有益である
もう認めるしかない。
僕は、人を巻き込むのが苦手だ。
気に食わない上司がいる。彼の仕事ぶりがとても嫌いだ。
彼も僕も本部で仕事をしていて、それぞれの職務領域を任せられている。彼の方が階級が上だから、彼の領域の方が僕より広い。でもまあ、基本的にはそんなに変わらない。
僕は金融機関に勤務している。別業界の人は違うかもしれないけど、金融機関の本部というのは、営業店の生殺与奪の権を握っている面がある。
本部の指示は絶対で、異論を言うことは論外。とまでは言わないけれど、言ったところで何も変わらないから営業店は甘受するしかない。
これで終わりである。反論はない。
だから、本部はどんどん人の心を失っていく。とにかく目標やセミナーやなんやを生み出して、営業店に下ろしていく。
そんなことをしていると、人間性が損なわれてくる。
僕の上司である彼は、まさにそうだった。
はっきり言って人でなし。そう評価をするのは僕だけではない。同年代では広く共有された評価なのは間違いなかった。
でも、そんなひとでなしの彼の方が、よほど他人のために生きていた。
それが、やっとわかってきた。
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金融機関の本部の仕事をもう少し詳しく説明すると
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