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【第3回】女の!限界バイト列伝「高級スーパー」

どうも、さぐです。
この記事は掟ポルシェさん著「男の!ヤバすぎバイト列伝」オマージュ的なエッセイです。掟ポルシェさんほどのアウトレイジみも借金も抱えぬまま社会不適合者として生きるさぐの限界なバイトエピソードを昇華していきます。
最初のバイトも限界過ぎたのにまだまだ限界は続いて行くのです。限界が続くってことは限界じゃないってこと?

高校も1年生後半か2年に差しあたるくらいか?わたしは駅の地下にあるスーパーに採用された。時給が900円くらいだったと思う。当時の高校生のバイトにしては高い方だったので、かなり嬉しかった。そこは某有名百貨店のスーパー版、といったところか。海外からの輸入食品から国産にこだわった生鮮食品、オリジナルブランドの本格的な和洋折衷のお弁当などバラエティに富んだスーパーだ。客層は子連れや学生が気軽に買い物できるような感じのスーパーではなく、駅近のタワマンに住んでいるようなマダムや仕事帰りのサラリーマンが多い印象だった。「どうも〜〜伊勢丹の紙袋で〜す」みたいな多分オリジナルのチェック柄が施されたカッチリとした制服に身を包み、ベテランパートのマダム達と肩を並べてレジ打ちをする。最年少だったと思う。

ベテランマダムたちはみな社員と同等かそれ以上に勤務歴が長い人が多かった。各々のキャラが濃いゆえ新進気鋭のクセすごメンバーが固定していたんだろうと今では理解できる。

一旦、ここで働くクセすごパートメンバー紹介をしていくぜえ!!!!

1人目は紹介せずともいられない、限界バイトの中で唯一の光だったハイパーエクセレントマダム、オオニシさん。笑顔が真顔、って顔の人いませんか?オオニシさんもそのひとり。もちもちのペキニーズみたいな愛らしいオオニシさん。常に笑顔で、常に飴を持ち歩き、いつも和ませてくれた。そんな姿とは裏腹にレジは光のように早く的確で、丁寧かつ強靭な構造で袋詰めをし、作業を止めずとも少し冗談を交えて財布から急いでお金を取り出そうとするお客さんに「ゆっくりでいいですよ」と微笑み、安心感の怪物だった。「お客様の声」とお客様が直接意見を投稿できる掲示板ではオオニシさんへのお褒めの言葉は常連だった。

2人目のマダム。小柄で真っ黒な髪の毛を宝塚の受験生のようにひっつめて一つにまとめている。その姿はムーミンのミイのようだった。わたしが動くたびに「その時は横向きにならない!」「日本語がおかしい!」「お辞儀の角度が浅い!」と一挙一動指摘される様は自衛隊上官さながらだった。そこまで熱心に教えてくれるということは悪い人ではない。けれどひっつめ髪が拍車をかけて彼女の目を釣り上げさせるので、わたしの目には悪に心を売ったヴィラン版・ミイみたいだった。いや、シンプルに嫌われていただけなのかもしれない。以下、マダム・ミイと呼ぶ。

3人目はわたしが入社して間も無く配属されていた彼女。笑顔は浮かべるものの、目が全く笑っていない。喋り方も抑揚があまりなく喋るので未来から来たAIだったのかもしれない。彼女は若くして社員のチーフに選ばれた実力者だったが、あまりにも目が笑っていない為、みんなどこか距離を置いていた。そして彼女も「テキセツナ キョリヲ タモッテクダサイ」とプログラミングされているように世間話や自分の話は全くしなかった。いや、シンプルに嫌われていただけなのかもしれない。以下、チーフと呼ぶ。

そのほかにも様々なマダムたちがいたが、全然覚えていない。
もうすでに限界の音がする・・・いやいや、まだ働いてない。
このバイト先でもこのスーパー同様バラエティに富んだ様々な事件が起きるとはつゆとも知らなかった。

続く

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