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Cardiff2.自分のペースは絶対に崩さない

Cardiffに着いて5日が経った。この間、自分の不甲斐なさや諸々の辛さで既に2回は号泣している状況。
自分自身メンタルが強いわけでないことは理解していたが、来て早々に子供のよう泣くなんて思ってもいなかった。ここまで自分は弱弱ちゃんだったのかと自分でも驚くばかりである。

そもそもの話、いい歳した自分が他人と共同生活を送るなんて無理なことだったのだ。行く前から若干の不安はあったものの、費用も支払ってあるため無理矢理その不安には蓋をしていた。
また年齢以外の理由だと、自分のペースを乱されるのが本当に苦手なうえ、且つそこまで他者に興味が持てないというのがある。持てないものの、他者への気遣いは充分なほどにする性格である。これについては近しい人たちより指摘されていることであるため、手前味噌ながらしっかりと主張しておきたい。

端的に言えば「気を遣いすぎる性格だからこそ、それによる精神的疲弊を避けるため無意識に他者へ興味を持たない(関わらない)ようにしている。自分のペースを守りたがるのも無駄な疲弊を避けるため」でないかと思う。

このような自己分析ができているにも関わらず、何故ホームステイなど選んでしまったのか。自身を叱りつけたくてたまらない。決めた際の自分を往復ビンタしてやりたいぐらいだ。

食事の面でも辛さがある。
食事が口に合う合わないの話ではない。元々朝は食べない派だ。水だけ飲み、コーヒーすら飲まない日だってある。それに加えて、夜は必ずしも食べなくていい身だ。食べたい時とそうでない時のムラが激しい。
ホームステイの契約として、朝晩の食事代が含まれている。「お金を払ってるのだから、その分元を取らなければ」的なマインドになり、無理してでも「食べなければいけない」と追い込まれるのが堪らなく辛い。
また出されたものを残すのも性格的に嫌なため、完食できないと酷く申し訳ない気持ちになる。出されたものは残さず食べるのだ、と教育されてきた賜物である。

イタリア系だからだろうか、ホストマザーはしっかり量を食べる人である。何度か「あまり量を食べられない。残すのは本当に申し訳ないから、私の分はほんの少し、ほんの少しでいい」と伝えてあるのだが、それでも毎回ある程度の量は出てくる。結果、現時点で完食できた日はない。
パスタ、ラザニア、ビリヤニと、メニューも重いものが多い。日本とは違う食文化なのだから、メニューについて文句を言うわけではない。ただ私の胃が受け付けないだけなのである(あと若干パスタに芯が残ってるのも地味に辛い。これがイタリア人の作るパスタなのか?と思ったりするが……どうなんだろう)

ホームステイをするならば、ホストファミリーとコミュニケーションを取らなければだめだ。
引きこもっていたらだめだ。可能な限りリビング等で一緒に過ごすべきである。
それが英語上達の第一歩だ!
というようなことが、調べれば調べるほど出てくる。

いや、無理なんですけど?????

うん、無理。無理だよ、無理。
正直なところ、自分のメンタルを犠牲にしてまで英語力上達は望んでない。ストレス抱えてまでコミュニケーションなんて取りたくない。
ということで、ホストマザーには以下のことを伝えた。

1.私は他人とコミュニケーションを取るのが苦手な性格である。ひとり、部屋でゆっくりするのが好きだ。一人の時間が持てないことは凄くストレスになる。可能な限り一緒に過ごすようにするが、毎日できるかどうかは約束できない。
2.私は人より疲れやすく、よく部屋で仮眠を取っている。なるべく夕食は一緒に摂るようにするが、もし仮眠中で気づかないことがあれば申し訳ない。またその時は放っておいてもらって構わない。
3.ファミリーのメンバーといい関係でいるため、これについては理解してもらえると嬉しい。決してあなた達のことが嫌いなわけではない。それについては誤解しないでほしい。

翻訳機能を使い丁寧に伝えたところ、ありがたいことに理解を示してもらえた。また併せて、食事量についても改めて伝えた。
もしかしたら内心では色々思われているのかもしれないが、正直なところ今後自分の人生において関わることない人達だと思えばどうでもいいし、2ヶ月後にはイングランドに移動する身である。どう思われようが知ったこっちゃない。

ここ数日間、色々と頑張れない自分に悩み、そんな自分が不甲斐なく情けなくもあり泣いてしまった。他の留学生ができていることが何故自分にはできないのか、と辛さが込み上げるばかりだった。
初日の登校でも色々あり、既にこの日の夕方には「日本に帰りたい……」と思っていたぐらいである。あまりにも早すぎるモチベーションの崩壊。

しかし日本にいる母には「観光や文化に触れることを第一目的として、英語上達はその次でいいんじゃない?」「そんな自分を追い詰めなさんな。学生じゃないんだから、好きに楽しくやったらいいのよ」との言葉をかけてもらえた。弱っている私を充分に癒してくれる、甘やかす言葉だった。
この言葉を聞き、私の心はとても軽くなった。私のやりたいよう、無理なく好きに生活していいんだと一気に気持ちが晴れた。

これを読んだ方の中には、こんな私を鼻で笑ったりドン引きする方もいるだろう。「せっかくお金をかけて留学してるのに、アホなのかこいつは」と呆れている方もいるかもしれない。
しかし、私がこれでいいのだから問題ないのだ。いい歳した大人だからこそできる、自分を甘やかした留学ともいえない緩い留学。

初日のオリエンテーションで空気として扱われようが、バスの運転手に舌打ちされ家から遠いバス停にしか着かないバスに乗る羽目になろうが。まだクラスの誰とも打ち解けられず連絡先交換なんて夢のまた夢だろうが、実のところあまりこの街に興味を持てないでいようが。
まあいいんだよ。こんなこともあるさ。

そんなことを思いながら、明日のテストに備えることにする。

しかし、サンドイッチはセインズベリーのものよりテスコの方が好きだなと気づいた今日。
知らない土地で言葉もろくすっぽ喋れないのに、スーパーでMeal dealの内容どうしようか、と悩んで買ってる私、いいじゃん。充分だよ。

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