能と論語と芭蕉がつながる!

安田登さんの『役に立つ古典』NHK出版 読了しました、ら!

いやもう、読んでる途中に大興奮。

そもそも、私は二十代の終わりの数年間、かなり集中的に能や狂言を見ていた時期があるのです。きっかけは、中国で昆劇という伝統演劇のパフォーマンスを見て、これって狂言と通ずるところがあるのでは?と思って帰国後に能を見に行ったことがきっかけ。で、そこからどっぷり。地方民なので、地元ではなかなか見られないため、わざわざ東京や関西まで足を運んで。正直、前半爆睡していたりしたことも多々あるんですが、それでも何でか癖になってねえ。ちょうどその頃に『花よりも花のごとく』という成田美名子さんの能楽師のマンガが連載されてたことも相まって、楽しい能ライフでした。

 その後高校で国語を教えるようになり、漢文の授業がほんとに楽しくて。つっても漢文ばっかり教えられるわけではないので、なかなか深く学ぶに至らない面もありつつ。

 その中でも、特に論語が楽しいんですよ。『マンガ孔子の思想』蔡志忠(講談社+α文庫) とか、呉智英さんの『現代人の論語』(文藝春秋社)を入門として読んで。そんでしばらくしてもうちょっと詳しく!と思ったら加地伸行さんの『儒教とは何か』(中公新書)をうんうんうなりながら読んでみたりね。

 で、『役に立つ古典』ですよ。論語以外にも、古事記とか芭蕉とか中庸も扱ってるんですが、いやはや!!能楽師の安田さんならではの視点で、とてもおもしろい。何よりも、今まで自分が通ってきたものたちがつながるこのおもしろさたるや!!能楽の知識が多少あるので、論語と芭蕉、「奥の細道」と能、と重ね合わせることで見えてくるものとか、もう大興奮よ。楽しいったらありゃしない。

 知的興奮を覚えることって、本当に自分を豊かにしてくれると信じているんですよ。ただ一面的に物事を捉えるのではなく、角度を変えたり、奥行きを理解したり、また思わぬものとのつながりを覚えたりすることで、この世の中の楽しみがよりいっそう増すと思うんです。

 久々にどんぴしゃにつながりを意識できて、大変興奮しました。これを機に、積ん読になってるあれこれを読んでいきたいと思いますわ。やっぱり学ぶことは楽しいです。

 

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