君の横顔越しにあるもの もう今は見つけられないかもしれない


君の横顔越しにあるもの
もう今は見つけられないかもしれない
あたしの髪が揺れる距離の息づかいや
きつく握り返してくれた手は
さらに消えなくなるのにねあぁ あぁ
------アンドロメダ(aiko)


aikoのアンドロメダは私が小学生の時に初めて聴いたaikoの曲だ。(初めてaikoの曲だと認識して聴いた曲と言った方が正確なのかもしれないけど)

幼かった私にはその意味が分からなくて、ああ失恋の曲なのかなあだなんて思ってた。
もうすぐ恋が終わってしまう予感に途方に暮れる女の子の歌。


大人になった今、改めて歌詞の意味を考えてみたら、結局これって失恋の歌でもなんでもなくて、ただ勝手に不安になってメンヘラになってるだけの曲なのでは?と気づいて。


女の子ってたぶん、勝手に超絶最強無敵モードな時と、勝手に超絶メンヘラモードなときがあって。

だからこの曲の女の子も、最初は勝手に超絶最強無敵モードだったんだろうなあって。

何億光年向こうの星も
肩についた小さなホコリも
すぐに見つけてあげるよ
この目は少し自慢なんだ



勝手に超絶最強無敵モードだから、付き合ってすぐの頃は、彼のことなにもかも分かった気になって、知った気になって、理解した気になって。
根拠もなく世界で一番彼のことが分かってるのは自分だって自信満々で。

でも急に、きっと急に、ふとした時にどうしようもなく不安になって、そしたらなにもかも分かった気になってた彼のことが分からなくなってしまって。


あぁそんなあたしの2つの光
最近うっすらボヤけてきたな
交差点で君が立っていても
もう今は見つけられないかもしれない


たぶん特別ななにかあった訳じゃなくて、そう思うようなきっかけがあった訳じゃなくて。
なにも起こってない。なにも始まってないし、なにも終わってない。
なのに理由もなく勝手にそんな気になってる。勝手にもうだめかもしれないだなんて思ってる。
けど明日には理由もなくまた超絶最強無敵モードに戻って、昨日までのことなんてすっかり忘れてしまって、宇宙でいちばん彼のこと理解してますみたいな顔してるんじゃないかなあって。



でもそれが女の子のかわいいところだよね。そんな女の子のどうしようもなくめんどくさくて、どうしようもなくかわいいところを切り取ったこの歌が、私はaiko史上でいちばん好きなんだなあ。


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