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帰れる故郷がある幸せ


ゴールデンウィークに地元に帰るのは2、3年振りか。

地元には母がいるのみ。
友人とは地元を離れているうちに
なんだか疎遠になってしまった。
母とはお互いが元気で自立して生活出来る間は、
無理して同じ土地に住むことに
こだわらないでおこうとし、
私は他所で就職し、なんだか足が向かずに
帰郷もまばらだった。

いつもは田舎で何もないし帰ってもな…と思っていたが、
コロナで帰ることができないとなると途端に帰りたくなる。
ないものねだりばかりしてしまう自分の悪い癖だ。

昔は好奇心の向くままに
どんどん外に出て行きたかった。
もっと色んな人やモノやコトに触れて吸収すれば
マシな人間になれるかもしれないと期待していた。
夢を叶えて、破って破れて、休んで、回復して
やっと力を抜くことを覚えた。
どんなに足掻いても自分は自分でしかないし
自分しか自分を大切にできないと心の底から学んだ。

故郷に帰ることでしか
癒されない部分がある。
なぜ人は自分のルーツを知りたがったり
大切にしたがるのか
歳をとって少しだけわかってきた。
しがらみにしか感じなかった故郷でも、
自分を形成する一部だから大切にしたいと
思えるようになった。
ある意味、自分を大切にできるように
なったのかもしれない。

見渡す限りの畑、畑、畑、
どこまでも真っ直ぐすぎる道路。
素材の味が濃い食べ物たち。
びっくりするほど無愛想で説明不足の接客。
帰ってきたなぁと思う。
いい思い出も嫌な思い出もひっくるめて
ここに時折、帰ってくることが必要なんだな。
これが愛着ってやつか。

桜の木の椅子みたい。


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