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今日は何の日

ちょうど50年前の3月3日です。

この事故で乗員12名、乗客334名の合わせて346名全員が犠牲になった。犠牲者のなかには48名の日本人が含まれており、その多くがこの春から就職する内定者(東海銀行16人、トーメン15人、中央信託銀行6人、千代田生命1人)の団体ツアーで、欧州への研修旅行の途中で悲劇に見舞われたものであった

当時、私は小学2年生でした。
3月4日の朝、私が起きると、おじいちゃんが食い入るようにテレビのニュースを見ていました。

パリ郊外の森に、満員の乗客を乗せた航空機が墜落したこと。
乗客名簿には、4月から社会人になる大勢の日本人大学生の名前があったこと。

乗客名簿の大学生の名前が、内定先ごとに読み上げられました。
その中に私の従兄弟ジュンちゃんの名前もありました。

おじいちゃんの大事な孫です。

「ジュンゾウ取られた
 ジュンゾウ取られた」

と言いながら、部屋の中をグルグルと歩き回っていました。

3月3日が来るたびにその日のことを思い出す…かと言えばそんなこともなく。

明治21年生まれのおじいちゃんはもちろん、一人息子を亡くした伯母夫婦も、伯母の兄弟姉妹も全員亡くなってしまいました。

あの事故で亡くなった従兄弟のことを覚えている人はまだたくさんいるだろうけれど、
「ジュンゾウ取られた
 ジュンゾウ取られた」
と部屋を歩き回っていたおじいちゃんの姿を目撃したのは私だけなので、書いて残しておこうと思った次第です。

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