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触られたくない

ある日突然、友人に気持ち悪さを感じてしまった。彼女が不潔であるというわけでは全くない。ただ、近づかれること、何気なく触れられることに抵抗を感じてしまったのである。

その当時、きっと人の体温がわかるほど近い距離感が苦手なのかもしれないと解釈していた。

しかし、それは違った。他の友人にハグをされても全く気にならなかったし、むしろ自分から友人と腕を組むこともあったのである。

その彼女だけ何故かダメだった。3年間ほぼ一緒にいたのに。

数年経って、ある友人にも触られたくないと感じるようになった。彼は2個上の人で親しくしていた人だ。以前「私のロールモデルたち」という記事にも登場した。

お互いに体に触れることはなかったが近くにいた存在だ。

しかし、ある日突然、彼がそばにいることに拒否反応が出てしまった。

さまざまな仮説を立てたが、どれもしっくり来る理由にはならなかった。

その一方で、ただの友人に触れられることに対してはなんとも思わない。

この違いはなんなのだろうか?

今挙げたのは2人だけだが、過去を振り返ると何人もいる。親しくしていた人にこそ触れられたくないのはなぜか。長らく考えていて、ふとそのワケがわかった。

親しい人に体を触られることやパーソナルスペースに入られることは、心に触られることと同義なのであると。

身体を触られることで、

自分の汚なくて醜い心のうちを知られる

本性がバレる

今までカッコつけていたことを見透かされる

そして嫌われる

と考えている。身体的に近いことで、自分の心の中まで暴かれるような感覚になるのだ。私の人生において、この感覚は幾度となく味わってきた。

だからこそ、触られることに嫌悪感を感じないでいるためには、自らこの状況を乗り越えなければならない。

しかしそれが怖い。私の本性を知って嫌われてしまったらどうしよう。見放されたらどうしよう。でも仲良くなりたい。怖くてたまらない。だったらいっそのこと突き放してしまおう。私のことを先に嫌いになってもらおう。

私はただの臆病で天邪鬼で怖がりなのだ。こうして、親しくなった人とは8割方ドライな関係を求めるに至る。きつい言葉を吐いたり、冷たく接したり、突き放したりする。精神的に離れたら物理的にも離れられるだろうから。本当は誰よりも仲良くしたいのに。

だからこそ、今はできるだけゆっくり関係を築くように心がけている。親しい人から触れられることに嫌悪感を感じているなら、それは良い兆候である。その人とは実は仲良くなりたいのだ、親友や恋人になりたいのだ。

切り捨てるような関係にはしないで、自分の気持ちと言動が追いつくまでじっくりと親睦を深めていこうと考えている。

現在私が親友と呼べる人たちは、私のドライな対応を乗り越えてまで仲良くしてくれている人たちだ。私の攻撃をものともせずに接し続けてくれた親友たち。本当に感謝してもしきれない思いでいっぱいだ。いつまでも変わらず接してくれてありがとう。もちろん今は触られることに嫌悪感は感じない。

最後に

実は冒頭に述べた彼女とは今年で7年来の付き合いになる。明日、2年ぶりに顔を合わせるのだが非常に楽しみだ。もう壁を感じることはない。思う存分胸の内を曝け出せる。やっとここまできた。私と親しくなってくれてありがとう。

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