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#33 デザイン学習者とデザイナーのQ&A②「観察力」を養うためのおすすめの本は?

「デザイナーと話す機会があったら聞いてみたい質問」をテーマに、デザインを独学で学んでいる方やデザイナーとしてスキルアップしたいと思っておられる方からデザイナー夫に寄せられる質問と答えをレポートしています。

デザイン学習者とデザイナーのQ&A

このシリーズでは、デザイナー夫がオンラインで開催している「デザインの出前授業」のQ&Aセッションを観察する【デザイナーの妻】が、「よくある質問」を選んでレポートしています。第1回の質問は「デザインの作業スピードを上げるにはどうしたら良い?」でした。講座のQ&Aセッションの様子や第1回質問の答えは、観察日記#32でご覧ください。

質問②「観察力」を養うための、おすすめの本はありますか?

講座の中では、デザイナーとして大切な能力の一つである「観察力」を養うことについて学びます。レクチャーと映像を使ったゲームを通して、「自分は対象をよく見ていると思っていたけど、いかに見ていなかったかを体感する」ことになり、少し驚くとともに、観察力を養うことの重要性を再認識できるようになっています。そこで、独学でデザインを学んでおられる方や個人でスキルアップに励んでいる方から「自分で観察力を養うために役立つ本があれば教えてください」と質問されることが多いのです。

デザイナー夫がこの質問に答える時のみならず、メンターとして生徒さんを教えるときも必ず紹介している本を1冊ご紹介します。

デザイナー夫の答え

デザイナー夫が紹介する、「観察力」を養うための学習本はズバリ、決定版 脳の右側で描け 第4版 ベティー・エドワードズ 著|野中邦子 訳 です。

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「この本をお勧めする理由」デザイナー夫のコメント:
「見ていると思ってたけど、見ていなかった」ということはよくあります。この本のレッスンを通して、目の前のものを見ることができるようになってきます。この本は、スタンフォード大学のマスター課程・エンジニアのコースでも使われていました。新しいものを生み出すために絵を描けるようになったほうが良いということで、エンジニアの人たちも学ぶわけです。であれば、デザイナーもこの訓練を通して「目の前にあるものをきちんと見る」力を磨くべきではないでしょうか?メンターとして教えている子達もこの本のレッスンを通して、どんどん上手になっています。

「脳の右側」とは、右脳タイプの能力(知覚・直感・想像力・創造性など)のことです。これを使って絵を描けと言うのは、私たちが絵を描こうとするとき、右脳の「ありのままを見る能力」よりも左脳タイプの能力(分析、調査、要約、抽象化などの思考プロセス)が発揮されてしまうことが多いからです。

この本は、学校教育では左脳タイプの能力を伸ばす学習内容に重きが置かれ、右脳タイプの能力を伸ばす学習の機会がないがしろにされてきたと説明しています。そのうえで、『左脳モード』が優勢になっている私たちの脳を『右脳モード』に入って作業させるために、12のレッスンを通して「右脳へのアクセス」の訓練をしてくれる仕組みになっています。

レッスンのひとつを例に挙げると、『上下逆さのスケッチ』があります。ある人物が描かれた絵を模写するときに、見本の絵を上下逆さにするのです。『左脳モード』が優勢の脳は、目の前にあるものを「ひと」や「めがね」「鼻」など記号として判断してしまいます。でも右脳の「ありのままを見る能力」が発揮されれば、「人」「めがね」「鼻」と処理せずに、対象を線やかたまりとして捉え、「見たまま」を描けるようになります。

逆さまスケッチでどんな改善が見られたか、体験した人の実例が載っていますので、自分でもやってみたい!という気になります。実際、私【デザイナーの妻】も他の生徒さんと一緒にこのレッスンを体験したことがあります。(観察日記#18では、この本の詳細とレッスンの体験記を書いています。内容が恥ずかしいのでボソッと呟くにとどめます。リンクは貼りません🙈でもデザイナー夫のコメントは有益なのでここに引用します。)

デザイナー夫のコメント(2)観察日記#18より:
この本では、絵を描くことの基本を学べます。デザイナーには画家やイラストレーターになるほどの画力は必要ありませんが、それでも絵が描けた方が良いです。コンピューターやソフトを上手に使えることは大切ですが、そうしたツールに頼らないでもアイデアを表現できるようになるとデザインの幅が広がります。言葉にならないアイデアは描いてみるしかありません。絵を描く上で最も基本的なツールは紙と鉛筆です。実際、コンピュータが使えれば、デザインができようになるというわけではありません。ということで、デザイナーとしての最も基本的な練習として、やはり絵を描くというのはかなり大事です。

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今回は「観察力」を養うための、おすすめの本をご紹介しました。デザイン講義では「おすすめの本を教えてください」という質問は多く寄せられるので、今後もデザイナー夫の本棚からおすすめの本を分野別に取り上げていきたいと思います。

デザイナー観察日記#33、読んで下さってありがとうございました。

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記事の中で使わせていただいてるイラストは、なのなのなさんのイラストです。



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