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『哀れなるものたち』の哀れでないエマ・ストーン

『哀れなるものたち』を観てきた。映画好きなので、何となくオシャレっぽいというだけで観たかったのだ。結論から言うが、オシャレな洋服、可愛いエマ・ストーン、しか言うことがない映画だった。こんなに言うことがない映画について何かを書くのか?とも思ったが、何処を見渡しても自分と同じ意見の人がいないので仕方なく書くことにした。
 
 まず、良いところから話そう。そう、手放しで賞賛出来るのは、エマ・ストーンだ。この映画の中のエマ・ストーンは可愛いったらなかった。突拍子もない役柄を楽しんでやっているのが伝わってくる。赤ん坊の真似やダンスシーン、セックスシーン、どれをとっても楽しそうに演じるので観ていてとても楽しい気分になった。そして洋服だ。私の知る限り、周りの洋服好き達は映画を観ていない人でさえ、ちらりと観たポスターや予告だけでその洋服を絶賛していた。一応時代設定は19世紀後半らしいが、その時代を遊ぶかのようなデザインと材質感。スケ素材。それを着こなす可愛いエマ・ストーン。ちなみにエマはセックスシーンでも全然いやらしさがない。肉体は少女っぽい細身体型で、モデルっぽい。顔はファニーフェイスなのでファンタジーに合う。そんな感じなのでどんなに激しいセックスシーンを見せられても、何もいやらしさを感じなかった。そんなわけでそんな彼女が着こなす現代風19世紀ドレスは雑誌から抜け出した妖精のようであった。あぁ可愛いエマ…

 さて、賞賛は皆がしているのだろうから、もういいだろう。私らしい言葉で話そう。一言で言えば内容はペラッペラであった。いや、ペラッペラは言い過ぎなら、中学生レベルだ。しかし、内容が中学生レベルなのに、エログロが多いせいで悲惨なことに子供っぽい大人向けになってしまっている。簡単に言えば「色々なものに押さえつけられた女性が羽ばたいて行く物語」と言えるだろうが、まずウーマンリブを描こうとするのに、その女性の脳は性別のあまり感じられない赤ん坊脳から始まるのだ。正直言ってその設定から女を真摯に真正面から見る気あんのか?くらい言い出す輩がいてもおかしくないのでは?と思ったが、そんな人は今のところいないようだ。そしてそこからは漫画さながらのまぁウィリアム・デフォーがあの顔なのでファンタジーなのだが、あえて露悪的に言えば、ありきたりなお菓子のような話が続き、最後もお粗末で安易な終わり方、よく言えば上手くまとめて、はい、ちゃんちゃん、であった。まあ不思議な世界だし、変なストーリーで面白くないことはないので、最後まで観られるし、映画館で観る方が楽しめる映像なので、中学生には勧められる、と言うくらいで、これ以上書くことがない。エマ・ストーンは出てきた頃から好きな役者の1人だが『ラ・ラ・ランド』に『哀れなるものたち』で、自分と趣味が違うことはわかった。可愛いので許しちゃうが、彼女の出る映画は私にとっては要注意なのかもしれない。

 と言うわけで、いろんな人からあの映画どうだった?と聞かれるのでここにやっつけで書いてみた。こんなことしか言えずに辛い。しかし『哀れなるものたち』を観る「哀れなるもの(自分含む)たち」へ一言。それでも私は映画を観るのをやめないだろう。

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