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読書記録#006 「具体⇄抽象」トレーニング(細谷功 著)

先が読めないVUCA時代のビジネスで役に立つ「具体と抽象」の思考トレーニングについて書かれた本をご紹介します!

1.概要紹介

フェルミ推定で有名な細谷功さんの著書です。
澤円さんのVoicyチャンネル「深夜の福音ラジオ」で紹介されていて手に取りました。
「周囲の人との無用な軋轢や、コミュニケーションギャップの解消にも役立つ」という紹介文の通り、なぜあの人には話が通じないのか、という仕組みを分解して説明された本です。

2.どんな人に読んでほしい?

  • 正解がない問題を考えるのが苦手な人

  • 自分の想いをチームメンバーにうまく伝える方法に悩むマネージャー

3.本から得た学び・エッセンス

  • 以前は、詰め込み式勉強がもてはやされ、知識量が多い人が評価されていた。しかし検索すれば何でもわかる時代になり、知識量の代わりに、正解のない問題に対して法則性を見つけて最善の選択肢を選ぶ能力が評価されるようになった。このためには、具体と抽象を行き来して考える能力が役に立つ。

  • 抽象化とは、個々の事情に法則性を見つけること。何かと何かの関係性を見つけること。図解・言語化すること。Whyと問うこと。共通点を重視すること。都合のいいように切り取ること。

  • 具体化とは、Howを問うこと。解釈の自由度を下げること。相違点を重視すること。

  • これが相手とズレた状態で、ズレていることを認識せずにコミュニケーション取ろうとすると、論点がズレて無用な軋轢が生まれる。

4.さいごに

印象に残ったお話を。
職場に、以下の3つのパターンの人がいたとします。  
 ①能動的に創造的なアイデアを出す人
 ②不平不満ばかり言っている人
 ③淡々と仕事をこなしている人

この3人の評価は、①は高評価、②は評価されず、③が中程度の評価…、と思いきや、問題を見つけているという意味だと①と②は紙一重、③は何も生み出していない、という折り曲げの法則が印象に残りました。
自分は③になってないだろうか、と考えるきっかけになりました。

この本が紹介されていた澤円さんのVoicyでは『仕事のチーム運営の話を野球のチーム運営の話に例えるなど、自分の経験を抽象化して転用して伝えられるようになると、周りのメンバーへの伝わり度合いが高まる』という話がありました。打線重視のチームから走塁と守備で勝つチームに戦略を組み替えるとか・・・、そう考えると分かりやすいですよね。
いろいろな事例で説明がされていてわかりやすい、おすすめの本です。

読了日:2022/09/25