見出し画像

読書記録#005 起業の天才!江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男(大西康之 著)

読み始めたら止まらない!
高度経済成長期の日本のパワーを感じられる本をご紹介します!

1.概要紹介

40代以上なら名前は聞いたことであるだろう江副浩正さんのパワフルでエキサイティングな一生が描かれた本。生い立ちから、大学在学中にリクルートの前身である株式会社大学広告を立ち上げ、リクルートを大企業に成長させ、リクルート事件、そして晩年東京駅で倒れて亡くなるまでの話が、数々の興味深いエピソードを交えて描かれています。

2.どんな人に読んでほしい?

  • 現代の閉塞感ある日々に辟易としている人

3.本から得た学び・エッセンス

  • 当時はコネ入社が当たり前だった時代に「就職したい学生と企業を繋げる」という今では当たり前のビジネスを生み出した江副。リクナビ、タウンワーク、じゃらん、スーモ、カーセンサー、ホットペッパー、ゼクシィ等々、対象は違えどこのビジネスモデルは今でも付加価値を変えながらリクルートのビジネスとして成立している。これを1960年代に生み出した江副の先見の明がすごい。

  • 男女雇用機会均等法が施行される10年ほど前の1970年代半ばは、どんなに優秀な女性社員であっても、与えられる役割はお茶汲みで結婚が決まったら寿退社がと相場が決まっていた。そんな時代に、江副の「日本リクルートセンター」は男女平等に採用し活躍の機会を与え、優秀な女性が活き活きと働き十分な報酬を得られる環境を作った。固定概念に縛られず、合理性を追求する江副だからこそ成しえたことだった。

  • リクルート事件は、冷静な判断ができず未公開株を配った江副の非はあれど、当時のマスコミは一種のいじめのような報道の仕方だった。

4.さいごに

おもしろすぎて一気読みしてしまいました。
自分が小学生の頃にテレビが騒いでいたリクルート事件。あんなに叩かれてるのにリクルートのCMは流れていて、悪いことした会社じゃないの?と違和感があったことを思い出します。
高度経済成長時代に日本のベンチャー先駆けだった、イキイキとしたリクルート。そんな会社を興した優秀な経営者と持てはやされた一方で、会社勤めの経験もエンジェル投資家の存在もなかったがために、危うい道へと突き進んでしまった江副さん。80年代に世の中が大きく変わっていった仕組みが、よく知っている実業家の名前とともに語られていて本当におもしろかったです。

読了日:2022/08/06