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2023年ライオンズベストゲーム

2018年から毎年勝手に開催しているベストゲーム選手権の時間です!
10月22日から約10日間、Googleフォームでアンケートを募らせていただきました。ノミネート40試合の中から最大5試合を選ぶ形式で、323人の方から回答をいただきました。
毎年のことながら何の権威もない投票にお付き合いいただきありがとうございます。
(ここまでほぼ昨年のコピペ)

このnoteでは得票数上位5試合と、同時に募集したチームMVP上位3名を紹介していきます。
チーム的には悔しいシーズンでしたが、こんなシーズンだからこそ数年後に振り返った時に「こんな試合あったなー」と味わい深いはずです。

ベストゲーム

第5位

78票 得票率24.1%
9/20 4-1F@ベルーナ 絶好調の佐藤龍2ランで先制。渡邉が今季初登板初勝利。木村文紀引退試合

F 000 000 010
L 000 202 00x

F×上原-山本-玉井-福田-北浦
L○渡邉-佐藤隼-豆田-平井-S田村

4裏L2-0F 佐藤龍世2号2ラン
6裏L4-0F D.マキノン13号2ラン
8表L4-1F 加藤豪将6号ソロ

2021年途中にトレードでファイターズに移籍していた木村文紀。17年目を迎えた今季は一軍出場がなく、9月18日に引退を表明。20日のベルーナドームでのライオンズ戦に出場することが報じられ、多くのライオンズファンが「キム」との別れを惜しみに球場に詰めかけた。
ライオンズは僅かながらCS進出の可能性を残している状況で、今季初登板の渡邉勇太朗が先発。世代は違えど、埼玉の高校野球を盛り上げた2人が対決することになる。
初回2死1塁で迎えた第1打席、ライオンズ時代の登場曲「Share Happiness」を背に木村が打席に立つ。渡邉もアピールに必死だ。カットボールを交えた全力投球を見せる。逆方向へいい当たりが上がったが、背番号9を受け継いだ蛭間拓哉がキャッチ。球場は温かい拍手に包まれた。


第2打席は4回1死走者なしの場面。今度はもう一つの登場曲「ひまわり」が鳴り終わるや否や、初球のストレートを思い切り振り抜きレフト線への二塁打に。ライオンズにとってはこの試合初めてのピンチだったが、それを感じさせないくらい大きな歓声がベルーナドームに響いた。

木村は4回裏の守備に一度就いてから交代を告げられ、両チームの選手たちと握手をかわす。メジャーを知る新庄監督らしい粋な計らいだった。

その4回裏に試合は動く。木村の入団時を知り、プロ初登板時にも守備に就いていた栗山巧が二塁打で出塁。「ほんまはホームランを打って、ホームランボールをあげたいと思っていた」というコメントがいかにも栗山さんらしい。

 
そして木村と一緒に21年にファイターズにトレード移籍した佐藤龍世が低めのボールをすくい上げてレフトスタンドへ舞い落ちる2ランホームラン。この試合に特別な想いをもつ2人の活躍で2点を先制した。

 
こうなると試合はライオンズペースだ。渡邉は球数を要しながらも粘って5回無失点。6回にはD.マキノンにも2ランが飛び出す。8回に1点こそ奪われたものの、リリーフがしっかり締めて4-1で快勝となった。

 試合後には木村が記念撮影のため再びグラウンドへ。レフトスタンドのライオンズファンからの木村コールが起こっても最初は遠慮していた木村だったが、松下建太マネージャーが半ば強引にレフトへ向かわせたのも最高だった。
決して派手な活躍を見せ続けた選手ではないけど、キムの人柄と意外性がとても好きでした。17年間本当にお疲れ様でした。


第4位

92票 得票率28.5%
8/4 3-2B@ベルーナ8回に平井が逆転を許すが、直後に中村ソロで同点。9回岸が自身初のサヨナラ弾で劇的勝利

B 000 000 020
L 000 010 011x

B山崎福-比嘉-山田-宇田川-×阿部
L平良-平井-○増田

5裏 L1-0B M.ペイトンタイムリー2ベース
8表 L1-1B 茶野篤政タイムリー
8表 L1-2B 頓宮裕真タイムリー
8裏 L2-2B 中村剛也10号ソロ
9裏 L3-2B 岸潤一郎3号ソロ

オールスターを挟んで7連勝。一時期は18あった借金を9まで減らし、この日からホームにバファローズを迎えた。
この日の先発は平良海馬。直近の登板で四球が目立っており、この日も走者を出しながらの投球となる。5回までに4四球を与えるが、安打も1本だけで無失点。打線はバファローズ・山崎福也の前に4回まで0を並べていたが、5回に先制に成功。長谷川信哉・M.ペイトンに連続二塁打が飛び出した。しかしその後が続かない。6回にも2死1・塁で長谷川が倒れ、1-0の攻防が続く。

7回無失点の平良に代わり8回はセットアッパー・平井克典がマウンドへ登るが、2連覇中の首位チームは1-0の展開を許してくれない。先頭・若月健矢がセンターフェンス直撃の一打を放つと、ペイトンが処理にもたつき三塁打にしてしまう。続く茶野篤政がレフト前に落とし同点。この間わずか2球。1点の儚さを感じるしかなかった。その後2死までこぎつけるが頓宮裕真にタイムリーを許し逆転。連覇で格段に増えたバファローズファンが一塁側で大いに盛り上がる。
その裏の攻撃も宇田川優希のフォークに翻弄され、連続三振であっという間に2死。9回の攻撃に希望を託すしかないかと思った矢先、この日一軍に復帰していた中村剛也が真ん中に入ってきたフォークを振り抜き、打球はあっという間にレフトスタンドへ。いつも通り淡々とベース一周する中村、そしてネクストバッターズサークルで代打の準備をしていた栗山さんも眉一つ動かさない。「さんぺいがホームラン?打って当然だろ?」と言いたげな栗山さんの姿に痺れた。

9回を増田達至が3人でキッチリ締めると、その裏バファローズは19試合連続無失点と好調の阿部翔太を投入。先頭の古賀悠斗が倒れ、打席には途中出場の岸潤一郎。厳しい暑さで足を攣った長谷川に代わり8回の守備から出場していた。3球で追い込まれが、4球目のスプリットに上手く対応し打球はバックスクリーン左へ飛び込むサヨナラホームラン。終盤に逆転される苦しい展開も、効果的な一発で試合をモノにした。

第3位

96票 得票率29.7%
8/9 6-0F@エスコンF 隅田132球11奪三振でプロ初完投初完封。打線が5・7回に3点ずつを奪い強力に援護

L 000 030 300
F 000 000 000

L○隅田
F×マーベル-山本拓-玉井-立野

5表 L2-0F 源田壮亮2点タイムリー
5表 L3-0F M.ペイトンタイムリー2ベース
7表 L6-0F 外崎修汰3点タイムリー2ベース

1年目に1勝10敗と苦しんだ隅田知一郎。今季も開幕から2連敗で心配されたが、4月19日ホークス戦で涙のプロ2勝目を掴み取る。その後は一進一退が続いたが、7月10日にはプロ初登板以来のHQSをマークしてチームの連敗を8で止める活躍を見せていた。
エスコンF初登板となったこの日は序盤から絶好調。初回から矢澤宏太・郡司裕也・野村佑希を三者連続三振に取ると、その後もストレートが冴え7回まで9奪三振無失点の好投。打線が5・7回に3点ずつを奪いこの時点で6点リード。チームの勝利をほぼ手中に収め、隅田がどこまで投げるかに焦点が移っていった。
7回裏も清宮幸太郎・A.マルティネス・万波中正の長距離砲トリオを3者連続三振に取って球数は96球。前述の7月10日に7イニングを投げたのが自己最多だったが、8回も直訴して続投。しかしここからが苦しかった。先頭の松本剛こそ2球で退けたものの、その後の2つのアウトを奪うのに19球掛かってしまった。これでトータル117球。前年に2度あった112球を上回りこの時点で自己最多の球数だ。
ベンチと隅田本人の判断が注目されたが、初完投・初完封を懸けて隅田は9回もマウンドへ登る。敵地ながらビジターファンのライオンズファンから熱い声援が送られる。それでもやはり最後の1イニングは試練の連続だった。2死1塁に漕ぎ着けるまではよかったが、A.マルティネスにライト線へ運ばれる。一塁ランナーが生還するかと思われたが、三塁を回ったところでギリギリ止まってくれた。とても肝が冷えた。続く万波には際どいボールが続き四球。隅田も思わず苦笑いを見せる。2死満塁で松本剛。初球のカーブを引っ掛けさせサードゴロ。送球がファーストミットに収まる最後の最後までヒヤヒヤだったが、隅田を中心にライオンズナインに笑顔の輪が広がった。

オフにこの試合を振り返り「完封したことで100球を越えても投げさせてもらえるようになった」と語った隅田。その言葉を裏付けるように、この試合を迎えるまでの14登板では6回以上投げたのが7度、100球を超えたのが6度だったのが、この試合以降の7登板全てで6回以上をクリア、100球超は4度。投球内容も起用法も大きなターニングポイントとなった完封劇だった。


第2位

109票 得票率33.7%
4/13 2-0M@大宮今井が8回1死までノーヒット投球。138球11奪三振の熱投で自身3度目の完封

M 000 000 000
L 002 000 00x

M×メルセデス-西村-坂本-小野
L○今井

3裏L1-0M 外崎修汰タイムリー
3裏L2-0M ショート藤岡裕大タイムリーエラー

2019年以来の大宮開催となったこの日の主役は今井達也だった。
強風が吹く中で自慢のストレートに加えカーブ・スライダーが冴え、7回まで4四死球を与えながらもノーヒット投球を続ける。3回に奪った2点のリードが十分すぎるくらい圧巻の投球だった。強風、地方球場のグラウンドと難しい条件が揃う中でもノーヒットノーランへの期待が高まっていった。
しかし西口二軍監督の怨念かは定かではないが、そうは問屋が卸さない。8回1死から安田尚憲の打球が三遊間を突破。あと5人に迫っていたノーヒットノーランの達成はならなかった。しかし今井ならいつかはノーヒットノーランを達成してくるんじゃないか。そんな期待を十分抱かせてくれる快投だった。
初めてのヒットを許した今井だが、その後は落ち着いて三振を2つ奪い後続を退けた。8回109球。並の投手なら継投の選択肢があったかもしれないが、そこは今井達也だ。本人もベンチもファンも続投一択だっただろう。9回のマウンドに上がる際に再び今井の登場曲「Narco」が流れ、スタジアムDJ・リスケさんがコール。ヒットと四球でランナー2人を許し、同点・逆転のピンチを招いてしまったが、最後は球数を要しながらG.ポランコをファーストフライに仕留め、自身2年ぶり3度目の完封を成し遂げた。
今井はシーズンが終わってみれば19先発10勝5敗 防御率2.30の好成績。変わらず四球は与えるものの、圧倒的なパワーとスタミナで「勝てる投手」に成長した。138球11奪三振5四死球で完封を果たしたこの日の投球は、今井の成長を体現していたと言えるだろう。



第1位

127票 得票率39.3%
4/18 7-3H@東京D5年ぶり東京D開催は外崎4年ぶり1試合2HRで快勝。平良が序盤は制球に苦しむも2勝目

H 100 000 110
L 000 250 00x

H×石川-又吉-板東-大津-田浦
L○平良-ティノコ-青山-佐藤隼

1表L0-1H 栗原陵矢タイムリー
4裏L1-1H 外崎修汰3号ソロ
4裏L2-1H 中村剛也2号ソロ
5裏L5-1H 外崎修汰5号3ラン
5裏L7-1H M.ペイトン3号2ラン
7表L7-2H 今宮健太犠飛
8表L7-3H 近藤健介内野ゴロ間

5年ぶりの東京ドーム開催はレジェンド・松坂大輔の始球式で幕を開けた。先発転向で注目された平良海馬が2四球をキッカケに初回に先制を許す。チームはこの時点でシーズン8勝6敗と好調だったものの、苦手・東京ドームでの一戦とあって嫌な予感がする。5年前の主催試合も敗れている。

しかしそんな杞憂を東京ドームらしい一発攻勢で振り払ってくれた。4回外崎修汰が3号ソロをライトスタンドへ運ぶと、続く中村剛也もレフトポール際への一発を放ちあっという間に逆転に成功。直前のエスコンFでの2試合で合計16点を奪っていた好調な打線が火を噴いた。ここから先は一気呵成だ。5回には外崎が又吉克樹から今度はライトスタンドへ3ラン。再びランナーを置いてからペイトンも右中間へアーチを架け、試合を決めた。
先発の平良は支配的な投球とは行かなかったが6回1失点にまとめる。リリーフが失点したものの、9回は佐藤隼輔が反撃を封じて快勝となった。
外崎はこの時点で打率.292、5本塁打。出塁がなかったのは1試合だけと、打率2割台前半に低迷した過去2シーズンからの復調を期待させてくれた。また中村はここから本塁打を量産し3・4月度月間MVPを獲得。攻撃力不足が叫ばれていたチームを引っ張ってくれた。
そして試合後には郷ひろみさんのスペシャルライブ。この時点ではまだデビューしていなかった蛭間拓哉の登場曲「2億4000万の瞳~エキゾチック・ジャパン~」などを熱唱し大盛り上がり。
平日の東京ドーム開催とあって普段はライオンズを見る機会がない人も球場を訪れていただろう。そんな人たちにもライオンズの魅力が伝わったのではないかと感じさせる一日だった。

チームMVP

第3位

119票 得票率36.8%
中村剛也
88試合322打席 17本塁打 打率.258 出塁率.339 長打率.481 OPS.819
3・4月度大樹生命月間MVP

通算2000試合出場…7/6vsM
通算3500塁打…8/4vsB
通算2000三振…4/29vsE

3・4月は絶好調で自身5年ぶりの月間MVPを獲得。その後戦線離脱があったものの、終わってみればチームトップの17本塁打。守備には一度も就かず、栗山巧とDHを分け合ったことが功を奏したか終盤まで打線を引っ張った。通算454本塁打で今季をスタートし、2008年最初の本塁打王獲得時のライバルだったT.ローズ、若手時代に指導を仰いだ土井正博を抜き歴代12位の通算471本塁打に。目標とする通算500本塁打にはまだ少し時間が掛かるものの、まずはあと3本と迫った西武ライオンズ初期を支えた田淵幸一に並びたい。そして何よりも同期の栗山巧と2人でまだまだ元気にプレーするところを見ていたい。

第2位

138票 得票率42.7%
髙橋光成
23登板 155.0回 10勝8敗 120奪三振 防御率2.21 FIP3.17 QS率73.9%

3年連続の開幕投手を務め、4年連続で規定投球回をクリア。三振率を向上させるなど投球内容にも進化が見られた。特に4月8日ホークス戦での8回11奪三振無失点、7月16日ファイターズ戦、25日マリーンズ戦での2試合連続完封は圧巻だった。
それだけに8月の体調不良後にぶっつけ本番に近い形で復帰し2登板連続KOされてしまったこと、9月にコンディション不良により抹消されてしまったことは心残りか。昨年は175.2回を投じていたが、20回ほどイニングを減らすことになってしまった。オフにはポスティングによるMLB移籍を訴えたが認められず。とはいえ来季は恐らくNPBラストイヤーになるはず。更に圧倒的な投球でチームを引っ張ってくれることを期待したい。

第1位

150票 得票率46.4%
平良海馬
23登板 150.0回 11勝7敗 153奪三振 防御率2.40 FIP3.00 QS率78.3%

昨オフの契約更改では先発転向を直訴。プレッシャーも掛かる立場だったが見事に役割を果たしてくれた。3自責点以上は3試合だけ、悪くても2自責点以下にまとめる投球。HQSは14回と今井に並んでリーグ2位タイだった。登板後のコメントを見ていても、良くも悪くも自分がコントロールできることに集中している印象を強く受ける。リリーフ時代からクレバーな投手だとは思っていたけど、役割が変わっても淡々と投球に集中する姿は今時のアスリートという印象がピッタリだ。先発としての調整法もどんどん掴んできたはず。今年も十分すぎる成績だけど、来季も更なる飛躍を期待したいし、それができる投手だろう。


皆さん投票した試合・選手は入っていたでしょうか?
改めてになりますが、ランクインしたところで特に名誉がある訳ではないこんな投票にお付き合いいただきありがとうございます。
来年は1位に優勝決定試合がランクインして、ベストゲームもMVPも選ぶのにもっともっと悩むようなシーズンが見れますように!
まだまだオフは長いですがお元気にお過ごしください!ではまた!

来季に向けて意気込むTONOSAKI

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