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店を作ってデータを入力する

前回の日記から一週間程度だが、連休がつづいたこともあり、そこそこ進捗があった。まずはボルタック商店ができた。

アイテムの絵を表示したので画面がギチギチに

ボルタック商店はリルガミンの施設の中で、訓練所に次ぐ実装が面倒くさい場所だと思う。オリジナルのウィザードリィは、各キャラクターは装備品を入れても8つしかアイテムがもてず、倉庫のようなものがない。直近で使わないアイテムは適当な名前をつけたキャラクターを作って持たせて酒場に待機させなければならない。ボルタック商店は、売ったアイテムがまた店先に並ぶため、当面使う予定のないアイテムを売ってちょっと倉庫代わりにできる。そのうち、ボルタック商店に全商品をそろえたくなってがんばった気がする。
これはボルタックの商店がドラクエのような店のように作るのではなく、商品の登録と削除、商品数を管理しなければならないということだ。

店主のメッセージウインドウをつけた

あとはコーディングがおわったあたりでやろうと思っていたが、余裕があるうちにやっておいたほうが後々困らないだろうということでデータ入力を始めた。データ入力って書くとあれだが、モンスターやアイテムを情報を入力していくことだ。この手のものはツクールであったりするとちゃんとした入力フォームがあったり、たぶんちゃんとやるならエクセルかなんかからcsvに変換していれるのだと思うが、最初のWizardryはそれほどアイテムやモンスターの数が多くないので、手でいれていくことにした。

アイテム
モンスター

こ、これは面倒くさい…誰かのブログにも書いてあったが、途中から余計なことを考えずに心を無にして一心不乱で打ち込むようにした。モンスターを入力してなんとなく感じたのは、どうもゲームシステムを作ったアンドリュー・グリーンバーグも途中で面倒くさくなってきたのだと思われる部分が節々にあり、私の想像だが、4Fくらいまでは真面目にモンスターデータを設定し、さらに9Fと10Fくらいのモンスターもちゃんと作ったが、5Fから8Fくらいは面倒くさくなり(あるいは元々4Fまでと10Fしか作らなくて、その後膨らませただけなのかも)同じ種類のmobでただ単に強さを変更したような感じのものが続いている。モンスターやデータの入力は私の場合はこれでもコピペができるからいいが、当時はかなり面倒くさかったのではないだろうか。
モンスターのデータ自体も、タイポなのか、意図的にやっているのかがはっきりしないところが結構ある。いい例がArch Mageという魔法使いだが、7FにでてくるArch Mageは9Fにでてくるそれとレベルなどは一緒の割に使える魔法レベルが2に制限されていたりする。これは魔力切れを表現したいのか、あるいはArch Mageは弱いというイメージを植え付けて9Fでしっぺ返しをするためのものか、まあでもこれらは深読みで、個人的にはただのタイポだと思う。
モンスター自体は今更だが、D&Dにそれなりに準拠していると思う。忍者や侍はおいておいて、たとえばワイバーンをみてみると、

すんません。得物屋から勝手に引用

レベルは7で、HDは7+7。ACは3で、ダメージは2-16と1-6の二回攻撃。特殊攻撃が毒。遭遇数は1-6。となっている。ワイバーンは竜の一応遠い眷属だが、火の息は吐かない。毒の棘のある尻尾をもつ。私はワイバーンはこういうものだと育てられたので、ワイバーンが火を吹くとすごく違和感を感じる。
話をもどそう。実際、1977年にリリースされた、AD&Dの第一版をみると、

今は昔のルールブックがpdfで安価に買えるいい時代

なんと、準拠どころの騒ぎじゃないな。全く同じじゃないか。レベルは7で、HDは7+7。ACは3で、ダメージは2-16と1-6の二回攻撃。特殊攻撃が毒。遭遇数は1-6。寸分違わず一緒だ。ちなみに第0版も同じスペックだった。これを見るに、Wizardryは普通にD&Dシミュレータとして作ったと思われる。入力の面倒臭さはおいておいて、データを0から考え直さなくてよいのは楽だったに違いない。逆を言えば、テーブルトーク用のルールでも、結構コンピュータゲームとして破綻せずに遊べてしまうということか。これはちょっと勉強になるな。参考までに、日本で有名になったAのつかないD&Dでは、青箱にワイバーンの記述がある。

エキスパート

説明がすごくシンプルだ。生物図鑑並みにモンスターの説明をするようになるのは、WotCに買収されてからなのだろうか。ちなみにその後の改訂版の第二版だと、

スペックかわらず

第二版はあくまで改訂版なので、この辺はかわっていないのだろう。第三版は電子版をもっていないのでちょっと飛んでPathfinder(3.5版相当)だと、

もうまったく違うmobに

第三版からルールが変わって互換性が保てなくなっている。ただちょっとおもしろいのは、今までドラゴンの遠い眷属であることはいいつつも、はっきりとドラゴンとは言っていなかった。Wizardryでも不確定名は「ドラゴン」ではなく、「奇妙な動物」となっている。ところが、PathfinderからはLarge Dragonであるとはっきり明言している。それでも火の息は吐かない。ただその攻撃方法はドラゴンの近接に近いものになっている。Pathfinderはモンスターの説明がすごく丁寧で絵もバタ臭いがひとつひとつ書かれていて読み応えがすごくある。中身がきれいすぎるので、実際遊ぶときは装飾などを省いた軽量版をつかうことになる。
もう話の趣旨からはずれるが、最後に悪名高い第4版は飛ばして、複雑になりすぎて格闘ゲームやシューティングゲームみたいに一見様お断りになってしまったTRPGをスタートしなおした第5版を見てみよう。

違うゲーム

すごくシンプルになっている。これをみると、いかに3.5が複雑なのかよくわかる。同じD&Dでも、ルールがかわっているので当然スペックは違うが、説明書きは第一版とかわっていない。ここから言えることは、D&Dのワイバーンはやはり火を吹かないことだ。ゲームとかで火を吹くようになったのはどこからなのだろうか。私は日本のゲームが初ではないと思う。すごくバタ臭い洋ゲーでも火を吹くワイバーンをみたことがあるからだ。


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