アドリアン・ラビオ
身長192cm、サン=モーリス出身の端正な顔立ちをしたフランス人がついにトリノの地に降り立った。
6月30日、パリ・サンジェルマンとの契約が満了を迎え、フリートラスファーでの加入となったアドリアン・ラビオは、来期に向けて3人目の新戦力となる。
このジョカトーレの加入はかねてより囁かれていた。
昨夏、パリ・サンジェルマンとの契約延長を拒否し、移籍を申し出たラビオであったが、クラブ側はこの申し出を一方的に却下した(と言われている)。
それどころか、7年間チームに貢献してきたこの功労者をクラブはチームシートから外すことを決めたのである。
半年もの間、試合に出ることができない憂き目をみたラビオは、ついにこの夏、念願であった国外挑戦のチャンスを掴んだ。
すでにフリートラスファーで獲得を決めていたウェールズ代表のアーロン・ラムジーに加え、この若手ミッドフィルダーの加入はクラブに大きくプラスに働くだろう。
一方、加入する選手がいれば、退団する選手がいるのも移籍市場の常である。
2名のMFの加入により、もっぱら退団が噂されているのはドイツ代表MF、サミ・ケディラである。
2015年の夏、レアルマドリードから、(これまた)フリートラスファーで加入した同選手は、類稀なる戦術眼と試合勘を持ち合わせ、前指揮官であるマッシミリアーノ・アッレグリから全幅の信頼を置かれていた。
2017-18シーズンこそ25試合以上のリーグ戦に出場し、クラブの7連覇に貢献したケディラだったが、
昨シーズンは怪我や病気に苦しみ、リーグ戦出場は10試合、とてもではないが主力として計算することはできない残念なシーズンに終わった。
32歳となった経験豊富なベテランは、指揮官の交代や、新選手の加入に伴い、おそらくこの夏の移籍市場で、活躍の場を求め新天地へと向かうだろう。
2020年まで契約を残しているケディラだが、クラブはこの功労者のために契約の解除も検討しているという。
移籍金の獲得を目的とせず、
選手の新しい旅立ちを祝おうとするクラブの粋な計らいに拍手を送りたい。
移籍か残留か。
結論はまだ出ていないが、
どのような結末を迎えようと、
4年間にわたりファンを楽しませてくれたカンピオーネの今後の活躍を期待している。