2023年コンテンツまとめ

僕の独断と偏見でまとめる2023年のコンテンツまとめ。
例によって範囲は狭め。

【映画】

『バービー』

個人的今年ベスト。すげえ作品を見た。
女性向けのエンパワーメントな作品って要素もあるんだけどそれだけじゃなくて、男女間のあるある要素が編み込まれてて、その描写が絶妙に不愉快寸前レベルのギリギリなところでどっちのサイドに向けても描いてくるのが凄く上手かった。これ分かるな~こういう所あるよな~って描写が絶妙。なのにすげえポップでひたすら楽しい。映画を見ている観客に鏡を当て続けるかのような作品。社会のイジり方がすごくセンスあるように感じた。こんな映画を「バービー」の実写作品として公開するマテル社の気概がすごいし、これが全世界でヒットしているのはなんか世界がいい方向へ動いているんじゃないかって思わせてくれる。作品のSNS側も問題があれど、日本はヘイトのせいであんまり興行収入が伸びなかったのが悲しい。人類全員が見ていろんなことを感じて議論が起こるといいなと。

『怪物』


是枝監督と坂元さんのタッグで「怪物」というタイトル、事前情報少なめの宣伝もあり期待感高めで劇場へ。ひとつの出来事を複数の視点から描くことによって発生する感情のジェットコースターに脱帽。メインキャラクター達へ感情移入させる仕組みになってるからこそ、その人が持つ「怪物」を全受けしてしまう。「怪物」ってそういうことか。絵柄?色味?色彩の感じが神々しい?なんか異世界に来た気分?彼らが笑顔で生きていける世界はまるで異世界のようなのかもしれない。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Volume 3』



いやあ面白かったねえ。色々あったジェームズ・ガン監督のMCU最終作。ちょっと前まで「Vol.3」が出るかさえも怪しかったから見られてよかった。誰が見ても楽しめる最高エンタメ作品。あれだけとっ散らかった様に見えるのにうまくまとまってしまう手腕はジェームズ・ガン監督ならでは。遂にGotGの旅が終わるのかとしんみり。MCUを追うことは自体は正直疲弊しちゃってるんだけど、GotGはMCU界隈に属しながらもいい塩梅で他の作品から独立しているような印象があるので他の作品を知らなくてもこれだけ追ってOKだと思う。相変わらず音楽の使い方も絶妙。最終的に日本の数クールあるアニメの最終回みたいなことをしてくるのはズルいと思う。

(他良かった作品を羅列)
『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』…公開当時見に行かずNetflixにて。劇場行かなくて後悔してるよ。作品のノリはGotGみたいな感じで王道冒険もの。キャラクターの濃さが絶妙。吹き替え版も豪華なのでアニメ好きだったら吹き替えおすすめ。「バルダーズ・ゲート3」の予習にもぜひ。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』…アカデミー賞作品賞!!にしては変な映画すぎるだろ。超クセのある描写がひたすら続いていた…と思ったらどんどん純粋なラブストーリーになっていく展開がマジ愛。規模が半端なくデカいことになっているのに結局人間いちばん大事なのは愛と優しさ、っていうプリミティブなことに収束するのが美しかった。
『FALL/フォール』いわゆるジャンルもの。高所恐怖症の自分がわざわざ見に行って本当に死にそうな気持ちになって見に行って後悔して、見終わった後はなぜか見に行って良かったな〜!と思う一本。ワンシチュエーションながら意外にバリエーションがあり、信じられないくらい手汗が出る激烈で地獄みたいな作品。
『aftersun-アフターサン-』なんだろう、すごく美しくて切ない作品だった。心に残り続ける一本。あの時の親父ってどう思ってたんだろう、親も人間なんだよなあ。親になってもいい年になってこそ分かる大人の感情をすごく絶妙な味付けで見せてくれる作品だった。これは皆に見てほしいな。

【アニメ】
『スキップとローファー』(TVアニメ)



なんだかんだ言ってTVアニメで本当に毎週楽しみだったのはこの作品かも。
学生生活モノ、尚且つ分かりやすい恋愛要素メインな作品だと下手すれば単調になったり、いやそんな展開にはならないだろうと興醒めしてしまいそうな展開があることも少なくないんだけど、「スキップとローファー」は出てくるキャラクターが全員愛おしいし主役だし誰かが欠けたらこの学生生活は無いんだろうな、と思わせてくれる。ちょっとずつ日常が変わっていって、当人には大きな変化なれど、俯瞰してみればほんのちょっとの変化でしかない。この空気感を表現出来ている作品は意外に少なくて、出来ている作品はとかく名作になりがち。もちろんこの作品も大名作だった。ずっとこの学生生活を見ていたいし味わいたいと思わせてくれた、青春作品としてワンランク上の経験ができる作品。こういう人生送りたかったな~って思うけど、自分の高校生時代も客観的に見たら案外こうだったのかもしれない。

『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』(Netflix)

このタイミングでエドガー・ライト監督の「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」のアニメ化!?しかもアニメ制作はサイエンスSARU!?しかもエドガー・ライトが製作総指揮!?ウォー!絶対面白いやん!!!!と期待していた作品。いやー超面白かったね。製作陣がスコピルのキャラクター全員好きなんだろうなあ。映画版は正直扱いが軽いキャラクターも少なくなくて、あくまで一人の脇役レベルだったキャラもしっかり描写しているところが真摯。可愛くて愛おしくてなんかえっちく見えるデザインも魅力的だし、アニメのクオリティが高くてヌメヌメと絵が動くシーンも多く、2023年最新のカートゥーンネットワーク作品を見てる感じだった。ネクライトーキーのOP曲も劇伴のanamanaguchiも最高!絶対見たほうがいい。

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(Dolby Cinema)

史上最強アニメーション映画の続編がようやく公開。マーベル作品含め「マルチバース要素」を採用する作品が増えてて、「ノーウェイホーム」もとんでもないことになっていたんだけど、「アクロス・ザ・スパイダーマン」はより広い世界観から様々なスパイダーマンが集結していて、前作の正当進化版でありながら話の幅がとんでもなく広がっていて、これあと1本で終わらせられるの!?って不安になってる。前作スパイダーバースに影響を受けたであろう高クオリティな3Dアニメフォロワーが沢山あり(SLAM DUNKとか)、目が肥えてきてそんじゃそこらの表現じゃ驚かなくなってきたんだけど、「アクロス・ザ・スパイダーバース」は流石だった。ドルビーシネマだと絵の綺麗さと音の緻密な構成をフルで味わえたので次作もドルビー推奨。でも吹替版も超面白かった。

(他良かった作品を羅列)
『山田くんとLv999の恋をする』…目新しさ、みたいなのは少なかったけどずっと見ちゃってた。すごく可愛いって感じの絵柄ではないんだけど妙にしっくりくるというか。OPの『ぐらでーしょん feat. 北澤ゆうほ / KANA-BOON』いい曲だったなあ。
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』…石見舞菜香さんをこれでもかと味わえる脳髄直結型癒やしアニメ。あの声でニヤつかないの無理だと思う。放送中にやってた、全国各地の名所をまわるイラスト企画も良かった。実は府中アニメ。
『ホリミヤ-piece-』…「スキップとローファー」の様に日常をいい塩梅で描くアニメ。これも終わって欲しくなかった。なんか主人公グループ達の仲間に入れてくれている感じがするんだよね。彼彼女らを見てるんじゃなくて一緒に居る感覚。前作同様「淡い」OPのこそばゆい青春感。
『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』…なんかオールドスタイルな作品だな…って印象から思ったよりも展開するストーリーのドライブ感にハマった。秋葉原という街を表現するための様々なアニメ・ゲーム作品のライセンス管理とか大変だったはずだけど、そのコンテンツ描写があることで物語に深みが出るのよね。AI作成コンテンツの扱い方も個人的に納得できた。古賀葵さん大活躍。
『SHY』…下地紫野さんを主役に抜擢してくれて本当にありがとうございます。ほのぼのしたシーンもあれど、心理描写が結構エグめな感じで続くのが意外だった。2期楽しみ。
『北極百貨店のコンシェルジュさん』…短い作品だけど情報量多め。ああ、いい話見たなあ。って思った。tofubeatsさんの劇伴にスカート澤部さんのあの楽曲、音楽の印象も強い作品。コンシェルジュのピンズ買っちゃったよ。
『窓ぎわのトットちゃん』…大晦日に見てドスンと食らってしまった。ほのぼのな日常に忍び寄る戦争の影。いつの間にか戻ってこれない世界になっているのが本当に怖かった。黒柳徹子さんが生きていてよかった。作中いつ何が起きてもおかしくない空気なので。

【ゲーム】

『Marvel's Spider-man 2』


インソムニアック製スパイダーマンゲーム第3弾。PS5専用ゲームになったことでPS5のスペックをフル活用した驚異のゲーム体験は唯一無二。グラフィックも音響もロード時間もコントローラーの反応も全部リッチで贅沢なプレー体験だった。ストーリーも胸アツでスパイダーマンというコンテンツでも相当上位では?ウルヴァリンのゲーム化も楽しみ。

『PlayStationポータル』

ゲームではなくて周辺機器。携帯機なんだけど単体では遊べず、リモートプレイでPS5を動かすためのマシン。え?PCでもスマホでもリモプできるし、そもそも家にテレビとPS5あるからそれで遊べばいいじゃん??って思うけど、携帯機でぱぱっとPS5のゲームが遊べるのが超便利で驚いたし、ゲームを遊ぶ頻度が圧倒的に増えた。海外出張でも現地のスマホローミングに繋げれば違和感なく普通に遊べた。DualSenseの振動もそのまま。ベストバイアイテムかな~。


音楽
『For the Beautiful Feeling / The Chemical Brothers』

2月の来日が超楽しみ。レイヴパーティーの香りがするアルバムだった。

『Quest for Fire | Don't Get Too Close / Skrillex』

こんな凄いアルバムを2日連続でリリースするなんて。当時みんな超ざわついていたように思う。特に「Xena」が好きですね。

『FINE LINE / パソコン音楽クラブ』


通しでめっちゃ聞いた。作風が幅広くて、Jポップソングとして捉える曲もあればクラブミュージックとして聞く曲もありで。そこはかとなくポップンミュージックとかダンレボ的な雰囲気が漂ってるのもなんか良い。
『Day After Day』のMVがめちゃくちゃ格好良いので未チェックの方はぜひ見てほしい。


『ぐらでーしょん feat.北澤ゆうほ / KANA-BOON』

上でも書いたけど本当にいい曲。でも今MV見るとちょっとモヤっとしてしまうのが悲しい。でも本当にいい曲。

『New Jeans / NewJeans』

今年はNewJeansの年だったと思う。サマソニの狂乱も目の前で味わった。「NewJeansおじさん」なんて言葉も生まれたけど多分自分のことなんだろうと思うわ。パワパフのジャケも良すぎ。


今年は特にコンテンツが多くてなんか浴び続ける年だったと思う。もっと素直にいろんなものを味わいたいなあと。歳をとってだんだん落ち着いてきたような気もするが、まだまだ前のめりで色んなことを味わいたいなあと思っている。2024年も楽しみ。

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