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毒抜きで、春の訪れを待つ。

最近、日差しが暖かくなってきたなぁなんて思う。

春になってきたなぁ〜。

不意にベランダに目を向けると、育てているアネモネに花芽が出ていた。

私の家では、毎年このアネモネが風と共に春の訪れを教えてくれている。


皆さんは花はお好きですか?
また、好きな花はなんですか?


私は赤いアネモネが1番好き。

和名は牡丹一華(ぼたんいちげ)。
寒さや病害虫に強く、初心者でも育てやすい。
花言葉は「はかない恋」 「恋の苦しみ」
由来はギリシャ神話からだ。

よく花言葉を調べたりもするのだが、花のイメージや神話とか歴史から、花に物語が生まれるのってすごくオシャレだなぁって思う。
それに、花から人の思い出が生まれたりもする。


ここで1つ、私の花との思い出を話そう。

実は、私は過去に一度、今も引き摺るくらいの大失敗失恋をしてる。

所謂、黒歴史ってやつだ。
もはや笑い話にしたいくらいのやつだ。

小学校始めから高校にかけて好きな子が居た。
高校生の時に、長い片思いに終止符を打って、結果はご覧の通り。

まあ泣いた。

落ち込んだし、多分それを今でも引き摺ってる。
恋愛において、今後誰も自分を好きにはならないだろうと思っているし、
私自身”好き”が分からなくなっている。

でも、これは自分の撒いた呪いだ。

それに、忘れようとしても、忘れた頃にあの子が夢に現れるのだ。

あの子に対して恋愛感情諸々もう無いが、後悔があるので自分が忘れさせない様にしているのかもしれない。

そんな大引き摺り失恋事件の直後に、アネモネと出会った。

絵を描くのに花のモチーフはどうかなと思い、パソコンで探していたらたまたま見つけた、
赤と少しの白の綺麗な花。

それまでは、お花綺麗だなぁ〜くらいの興味程度だったけど、

この花をもっと知りたくなった。

花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」


ピシャーン!!


雷が落ちたかと思うくらい衝撃が走った。
出会うべくして出会ったと。

失恋直後な事もあって、

アネモネはこんなに可愛いのに、こんなに可愛い花でも失恋するのかぁ。とか。

めちゃくちゃ失恋仲間を見つけた気持ちだった。

それに加えて少し自分を重ねて見ているところがある。

毒だ。

アネモネには毒がある。

私は当時、自分に好きな人が居る事でからかわれるのが大嫌いだった。
だからバレたくなくて、素直になれなくて、気持ちの裏返しで「嫌い」だのなんだのと相手に毒を浴びせていた。

今だからこそ言えるけれど、そりゃあ振られるよって。馬鹿だよなぁ。
最初から素直になればよかったのに。
愚かだなぁ。最低だなぁ。なんて

後悔先に立たず。

そして私はアネモネを育てる事にした。
実物を見たい。
私の行き場のない愛情を花にあげよう。

それからは、早かった。
植木鉢を買い、季節を見て種を植えた。

植物はポジティブな言葉を掛けると元気が出て、ネガティブな言葉を掛けると枯れてしまうっていうのをどこかで見て、毎日水やりの度に「可愛いね」「頑張れ」「素敵だね」といっぱい言葉を掛けた。

傍から見たら、変な人だがそんな事を気にもとめず応援し続けた。

そして、2月の中旬からポコポコと花が咲き始めた。

種から育てた植物が花を咲かせる。
その嬉しさを思い出したのは、小学生時代のアサガオ以来だった。

むふむふと、にやけた顔で沢山写真を撮った。

この花は私が育てました!!凄いでしょう!!

初心者でも育てられる花なのに、すごく声高らかに胸を張って親に自慢もした。

花瓶に飾りたいなって剪定する時には、アネモネに対して感情移入し過ぎて、首を切る感覚になってしまい、ごめんねと謝りながら茎を切っていたり。

結局、ポジティブな言葉を掛けて元気になったかは分からなかったが、私にはシャキッと凛々しく咲いてくれてるように見えた。

そんなこんなで私のお花生活が幕を開けたのであった。

今でも、育ててる花に対して「可愛いね」「綺麗ね」と声を掛けるように心掛けている。

花を通して、素直さを学んだのだ。

人だって同じだよね。
ポジティブな言葉は元気が出るけど、ネガティブな言葉を投げられると枯れたくなるよね。

自分だってそのはずなのにね。
猛反省。


余談だが、花には色によっても花言葉があったりする。

アネモネの場合
ピンクは「希望」「待ち望んだ」
白は「希望」「期待」「真実」
紫は「あなたを信じて待つ」
青は「固い誓い」

私の一番好きな赤色は
「君を愛す」

赤色のこれぐらいストレートな気持ちを向けれるのがすごくかっこいいなって思う。

そんな可愛くてかっこいい赤のアネモネが好きなのだ。

私もこれぐらいストレートな気持ちを育てていきたい。


いつになるかは分からないが、
私にもう一度、春が訪れたら
思いっきり赤いアネモネを咲かせようと思う。

もちろん、毒抜きで。

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