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決算書の読み方

本日は決算書の分析ができるようにまずは基本から説明していきます。


決算書の基本

まず、決算書を読むときにどこに何が書いてあるのかを説明していこうと思います。
今回参考にする決算書は、皆さんも知っている任天堂を使ってやってみようと思います。

こちらが任天堂の決算書になります。

決算書の位置の把握

次に説明するのは決算書の位置について説明していこうと思います。

まずは赤丸の部分になりますが上から
・上場会社名
・コード番号→上場企業の証券コードになり、検索する際に会社名で入力するか、証券コードで入力するかで検索できるので便利です。
・コード番号の横のURL→パソコンではクリックすると企業のホームページに移動できます。
・代表者や責任者
・株主総会開催予定日
・配当支払開始予定日
・有価証券報告書提出予定日→決算短信よりも詳しい資料になります。100ページは超えることが多いですが大切な情報も載っているので、深堀り時には閲覧します。
・決算説明資料の有無→こちらは企業はがパワーポイントにわかりやすくまとめてくれる資料になります。任天堂に関しては「有」となっているので決算説明資料が作成されています。
・決算説明開催の有無
この部分だけでも大切な情報は詰まっています。

次にその下を見ていただきます。

こちらは損益計算書になります。
売上や利益等が簡単に記載してあります。
そして任天堂は自己資本に対して当期の純利益の割合はどうか(自己資本当期純利益率=当期純利益÷純資産)
総資産に対して経常利益の割合はどうか(総資産経常利益率=総資産÷経常利益)
売上高に対して営業利益の割合はどうか(売上高営業利益率=営業利益÷売上高)等も記載してくれています。(~率などは他の章で説明するので「そんなのもあるんだー」ぐらいでとばしてもらって大丈夫です。)

次にその下を見ると貸借対照表があります。
こちらは総資産がどのくらいか、純資産がどのくらいか、総資産に対しての純資産の割合はどのくらいか(自己資本比率=純資産÷総資産)等が記載してあります。

最後にキャッシュフローがあります。こちらは現金の流れが記載してあり、とても重要なものになります。

決算書の1枚目のページは以上になりますが、どれも重要なので各章に分けて説明していこうと思います。

第何四半期か見る

では、次に注目していただきたいのが
第何期の決算なのか?ということ
では見ていきましょう

赤丸で囲ってあるところを見て頂くと
第何期の決算かどうかが分かります。
この任天堂の決算書では決算短信と書いてありますがこちらは本決算になります。


ではもうひとつ見てみるとします。


こちらの赤丸は第2四半期と記載してありますので、今年度(2024年)の中間の決算になります。

なぜ、第何四半期か見ることが大切なのかというと、1つは本決算だと、その年の決算の集大成になるため、次の期の業績予想を出すことになります。先ほどの任天堂の決算を見てみましょう。

通期の予想を見てみる

では、通期の予想を見ていきましょう。

こちらは決算書(本決算)の2ページ目になります。
この決算の1番上の部分を見てください。

こちらに2024年3月期の連結業績予想と記載してあります。これが来年度の業績予想が書かれている部分になります。
今回の任天堂の来期の予想は売上高△9.5%と書いてあるので今年に比べて-9.5%減少してしまう予想ですよということになります。(△はマイナスということになります)


実際に比べてみましょう。

実際に確認すると、2023年の売上高は1兆6000億円に対して2024年の通期予想の売上高は1兆4500億円と減少しているのがわかります。
因みに決算書は基本は百万円未満は切り捨てになりますので、決算書に記載しある数字は、百万円から数えることになります。

この予想ですが、企業や業種によっては少しイレギュラーな場合も存在しますので、そちらも説明しておこうと思います。

業績予想のイレギュラーな事例

まずは、2160ジーエヌアイグループの業績予想を見ていきたいと思います。

売上予想が171億円~209億円とかなり幅があります。
このジーエヌアイグループは創薬企業で新薬を開発し、製品として販売する企業になります。
そして、決算書にも今後の見通しについては記載がだいたいありますので、そこも見ていこうと思います。

見通しについては要約すると次の要因で通期予想がレンジになっているとされています。
・子会社のCullgenがこのまま成長し、資金調達を続けると完全連結の対象から外す必要があるかもしれない。そうなると当社の決算数値は大きく向上する可能性がある
・為替市場やサプライチェーン(供給連鎖)等のマクロ経済や地政学的な情勢のため財務予想が困難。
上記の理由からレンジにしてあるとかいてあります。


次に4565そーせいグループの来期予想になりますが、こちらは決算予想に記載がありません。

どうして予想を出していないのか、理由を見てみましょう。

そーせいグループは医薬品開発会社になりますが、臨床試験の結果等によって、新規契約や研究開発進歩に伴うマイルストーンの収入が変わってくるため、先が読みにくいことにより、来期の予想を立てていないということになります。

※マイルストーンとは
医薬品開発の際に発生する、新規化合物を発明した企業への支払金のこと

このようにイレギュラーな事例もありますが、基本的には業績予想を立ててくれているので、それを参考に分析していく感じになります。

まとめ

今回は決算書の読み方について説明していきました。
コツコツ勉強し、決算書が読めるようになっていきましょう!

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