見出し画像

事実上のデフレ脱却はほぼ不可能

政府がデフレ脱却を表明するかどうか検討しているらしい。デフレ脱却はほぼ不可能と思う理由。


デフレとは何なのか

デフレ(でふれ)

世の中のモノやサービスの価格(物価)が全体的に継続して下落すること。英語表記「deflation」の日本語読み「デフレーション」の略語です。一般的には、不況でモノやサービスに対する需要が減少し、供給を下回ることで発生します。一方で、同じ金額で買えるものが多くなるので、お金の価値は上がることになります。いったんデフレになると、モノの値段が下がるので、企業業績の悪化から賃金が減少し、消費の減退につながり、さらに物価が下がるといった、「デフレスパイラル」を引き起こしやすくなります。物価の水準を適正に管理することは中央銀行が金融政策を担ううえでの最大の目的です。

三井住友DSアセットマネジメント

政府が表明する「デフレ脱却」と事実上の「デフレ脱却」は違う。政府は都合の良いデータだけを切り取って、「ほらデフレ脱却!」と表明するだけだ。実際、一部の消費者を除いて需要が減少から増加に転ずることは、ほぼありえないだろう。

ツッコミどこ満載のデフレ脱却イメージ

物価上昇 → 企業収益改善 → 賃金上昇 → 個人消費回復 → デフレ脱却

こうはならない。

物価上昇 →(消費税収UP)→ 企業収益改善 → 内部留保上昇 → 賃金据え置き → 個人消費据え置き → デフレ継続

こうなる。

まず物価上昇は、消費税収UPになるので、政府も歓迎していることだろう。また、物価上昇により企業収益改善は、企業による。原材料費が高騰している企業は、収益改善にはならない。

また企業収益が改善されたとしても、今まで通り内部留保が積み上がるだけで、賃金上昇には繋がらない。よって個人消費は冷え込んだままで、消費者の需要は上がらずデフレ脱却にはならない。

もし政府が都合の良いデータの切り取りをして、デフレ脱却を表明すると、企業は物の値段を上げやすくなるだろう。個人消費需要は改善されていないので、まったく売れないということになる。

デフレ脱却宣言なんてものは、言うだけならどうとでも言えるということだ。

ますます差がつく貧富の差

上記のように書いたが、例外がある。賃上げできる企業勤めの人や物価を上げることができる自営業者、投資家だ。一部では金回りが更に良くなり、これらの人は消費をするかもしれない。

中小企業のサラリーマンは、賃上げの恩恵を受けることができず、物価高をもろに食らい、今よりも厳しい生活になるだろう。今ですら貯蓄を崩してなんとか生活している人は、結構ヤバいことになると思われる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?