自作ポエム

2nd ZINE 「犬たちは遠吠えができる」より



エアコンから変な音がしている
機械は偉い
ダメになった人間は静かにいなくなるのみ
ところで君よ 私と出会えば
必ず光を見る羽目になる
それでもいいか
光に音はない、光のように
私たちは音も立てずに再起する



夕方から船を出す
1日に必要な孤独は今から取り返す
街路樹みたいに数えられない日々にある実りや
風みたいにあつめられない風化した記憶について
考える
なつかしいというだけで涙が出る
夜になると人々はみな家に帰る
夜になると行きたくなる場所が魂の家である
夜になると私は孤独になりたくなる
孤独こそ私の魂の家である

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?