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手に甘えない仲林プロ 教科書のような秀逸な攻守バランス【Мリーグ】

 手の良さに甘えない攻守のバランスが秀逸でした。

 2024年3月25日(月)のMリーグ2023-24レギュラーシーズン第210戦です。

 U-NEXT Pirates・仲林圭プロが南2局、雀士の模範となる「教科書」のような打ち回しを見せました。

 第210戦はEX風林火山・松ヶ瀬隆弥プロ、赤坂ドリブンズ・鈴木たろうプロ、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳プロ、U-NEXT Pirates・仲林圭プロの並び順。

 南2局を迎え、持ち点は西家・仲林35800、東家・たろう28100、北家・松ヶ瀬18300、南家・岡田17800です。

 ラス目の岡田プロが12巡目に四萬をツモり、カンチャンの5索待ちでいち早く聴牌しました。

 岡田プロは發・ドラ2の手です。両面への手変わりを狙い、黙聴に構えました。

 3着目の松ヶ瀬プロも12巡目に赤5筒を引き入れ、六萬・九萬待ちで追いつきました。

 こちらも黙聴を選択しました。

 松ヶ瀬プロは14巡目に三萬をツモ切り、六萬・九萬待ちでリーチに踏みこみました。

 場に六萬と九萬は3枚ずつ計6枚出ていました。

 2着目で親のたろうプロが15巡目にこの三萬をチー。3筒・6筒待ちで聴牌しました。

 その直後、トップ目の仲林プロが15巡目に九萬をツモった手牌です。

 仲林プロは中が暗刻の好形のイーシャンテン。6枚切れの六萬・九萬待ちで松ヶ瀬プロがリーチするとは読みにくく、九萬を押したいところです。

 ところが、仲林プロはロン牌の九萬を止め、現物の三萬を外しました。

 仲林プロはトップ目なので、九萬を勝負しませんでした。

 ただし、中の暗刻落としによるベタオリもしません。三萬と四萬が松ヶ瀬プロの現物なので2枚外して、九萬へのくっつきの聴牌をしぶとく狙っています。

 手の良さにも、中の暗刻にも甘えず、見事な攻守のバランスです。

 仲林プロは17巡目に8索をツモり、現物の四萬を切りました。

 岡田プロは18巡目に危険牌の3索をつかみ、聴牌を崩しました。

 一方、仲林プロは18巡目に七萬をツモりました。松ヶ瀬プロの中筋の4索を外し、カンチャンの八萬待ちで聴牌しました。

 仲林、たろう、松ヶ瀬の3プロの聴牌で流局。ロン牌を止め、聴牌にこぎ着けた仲林プロの絶妙な打ち回しが光りました。

 仲林プロはその後、決めに行ったリーチがめくり合いで敗れ、2位にとどまりました。それでも、まさに教科書のようなこの一局の打ち回しは素晴らしかったです。


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