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デジタルの未来を語る 「さあ、これからの話をしよう」〜山田直之編〜

私たちネットイヤーグループが考えているデジタルの未来。その実現のために、特定分野で活躍し、後輩の育成など社を引っ張っていく社員のことを私たちは「リード職」と呼んでいます。 今回は、データアナリストのチームを牽引する、シニアコンサルタントの山田直之です。彼が語る未来とは何か、「さあ、これからの話をしよう。」


データを根拠に説明できる人は、強い

カスタマーエクスペリエンス事業部でシニアコンサルタントをしている山田直之です。データアナリストの専門家としてネットイヤーグループに入社し、2021年で6年目を迎えました。

私がデータ解析の業務に携わり始めたのは、アクセス解析ツールが出始めた2005年頃です。その前からさまざまなインターネットビジネスやウェブサイトの立ち上げを担当してきたのですが、解析ツールに出会ってデータの可能性を感じ、もっと深掘りしたいと思いました。

データを根拠に説明できる人って、やっぱり強いですよね。定性的な施策を打ち出すより、数字をもとに改善策を説明したほうが、はるかに説得力がある。さらに、これまでより取得できるデータが増え、ここ数年でさらに可能性は広がっています。新たなデータによって、新たな視点の提案ができるようになりました。

もちろん、個人情報の取り扱いが厳密になり、リアルなデータは収集しにくくなっています。でもその代わり、AIによる推測の精度が高くなり、ユーザーを多面的に捉えられるようになったと感じています。

データの沼に溺れないこと、データの“その先”を見つめること

昨年から社内のディレクター向けに、データアナリスト教育を始めています。ここで強調しているのが、データを見過ぎないということ。ずっとデータだけを見ていると、迷子になってしまうんです。何の目的でデータを取得し、どんな答えを導き出したいのか。そこを明確にしないと、データの沼に溺れてしまいます。

データの沼と言いましたが、今は取得できるデータが本当に多いですよね。必要ないデータまで、大量に取得できる。だからこそ、この目的をかなえるデータはどこにあるのか、この仮説を裏付けるデータはどこにあるのか、見つける力が求められます。

最初のうちは一つ一つたどらないと、見つけられないと思います。データの山の中から、どこに金脈や宝があるのか、探り出すというのでしょうか。こうした“データの当て感”はやっぱり経験が必要となります。

データアナリストチームのメンバーには、「ビジネスコンサルタントになってほしい」と伝えています。データを取得するだけでなく、ビジネスを理解した上での提案ができるようになってほしい。

クライアントが求めているのは、データではなく、“その先”なんです。何の目的で分析するのかを理解し、「現実的なアクションプランにつなげなければいけない」と、日頃から彼らには話しています。

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ストーリーが見えるレポートで、ネクストアクションへつなげる

クライアントには、毎月さまざまなデータを報告するのですが、その際もただ数字をレポートにしたのでは、先方には響きません。目的のない分析やレポートは無駄。「へぇ、そうなんだ」で終わるレポートに意味はありません。

私がクライアントに報告する際に心がけているのは、データが語りかけるているように見せること。こうした課題があって、このように仮説を立てた。では、その仮説は正しいのか、データで確認してみよう……といったようにストーリーを組み立てていきます。何が言いたいかわからない、ストーリーが見えないレポートでは、次のアクションは起こせません。だからこそ、データを基にした改善提案にクライアントが賛同してくれたとき、最もやりがいを感じます。

新型コロナウイルスが蔓延するようになってから、よりデータの重要性を実感するようになりました。「感染者が前週と比べて何%増えた」「過去最高の感染者数を更新」「人流を80%抑制すると感染者が何人まで減る」など、データが人を動かすことが証明された、この1年半でした。

ただ、データによって間違った誘導をする恐れがあるのも事実です。データを活用したコロナ対策が正しかったかどうかも分かりません。データがクライアントを誤った方向に導かないよう、アナリストには常に冷静な判断が求められます。


顧客のサポート体験を向上し、問い合わせデータを活用する新サービス
ネットイヤーグループに入社して5年が経ちますが、データを定性的な仮説と組み合わせることが重要だという事を改めて実感しています。定性的な仮説を定量的なデータでどう裏付けるか。UXデザインは当社が得意とするところですが、定性的な仮説を立てるUXデザインと、定量的なデータでその仮説を検証するという関係性は常に意識しています。

定量と定性を行き来するコンサルティングは、何もWebサイトの世界だけではありません。この夏スタートした「セルフサポート支援サービス」は、顧客がうけるサポート体験(CX)を良質なものにするためにデータを活用し、カスタマーセンターのコスト削減やLTVを実現するというものです。


問題が生じたときに備えて、企業はFAQやメール、電話など、顧客のために多くのチャネルを用意しています。ところが、顧客が複数のチャネルを横断することでカスタマーセンターの負荷は大きくなり、顧客ロイヤルティも下がると言われています。そこで注目されているのが、「顧客の努力スコア」を可視化したCES(カスタマー・エフォート・スコア)という指標です。

また、コールログ、FAQ内での検索ワード、アクセスログ、NPS(ネット・プロモーター・スコア)など、カスタマーセンター内で計測されるデータも重要です。これらを活用することで顧客の自己解決率を向上させ、CXを改善することを私たちは目指しています。

データは限られた人だけが扱うものではなく、ビジネスに携わるすべての人たちの側にあるもの。これからも、データを起点とした、新しいサービスやビジネスを生み出していきたいです。

カスタマーエクスペリエンス事業部
山田 直之


2000年頃より、事業会社において複数のWebサービスおよび新規事業立ち上げプロジェクトに携わった後、2008年よりデジタルフォレスト(現:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション)でWebアナリストおよびコンサルタントとして活躍後、2016年よりネットイヤーグループに参画。
UX視点でのデータ分析やWeb解析を元にした課題解決型のコンサルティングやPDCA運用支援を得意とし、幅広い業界においてビジネス成功の視点に立った支援を行う。
Net Promoter(R) 認定資格者。Google Analytics個人認定資格者(GAIQ)。

◆記事内で出てきました、セルフサポートの詳細はこちら


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