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やると決めたのならば(スピリチュアル編集術 #3)

少ない友人に話したこと、ノートに書き留めたもの、ネットで呟いたもの、深度に順番はなくて、実現させる。行動だけが価値を生み出すタイプの人間は目標を掲げながら走らないと追いつかない。自分が追いかけてくる感覚を楽しみながらバトンを受け取る。自分から自分へのバトンは落としようがない。

雑誌NEUTRAL COLORSは20代で編集したNEUTRALに気持ちだけは立ち返り、40代の自分が作れる限界に挑む。工房で自分たちで刷るものと、印刷所で刷るもの、印刷所で刷ったものを回収して上から自分で刷るもの、製本後にシルクスクリーンで仕上げるもの、、、ハイブリッドで懐古主義的でオルタナティブな印刷方法を模索する。ネタは身から出る本物のドキュメントを時間をかけて追いかける。

特集は「40歳からの人生を変えないインド」にしようと思う。自分の人生に張り付いて落ちない場所のことや、これから未来に実現させたいモデルケースをインドに見に行く。俺の場合はずばり「工房」だ。どんな編集になるにせよ、他にはない紙の可能性を探るために、印刷の形を探していく。クオリティー的にも予算的にも継続可能でワン&オンリーな印刷方法を見つけたい。紙でしか実現できない物としての価値を生み出したい。

タラブックスはもちろん素晴らしいのだけど、次や、他に、目が向かないところが日本人的というかなんというか。他にもたくさんあるはずの手作業の現場をインドに見に行く。自分が印刷工房で刷りながら本を作る理想としてタラを見てきたが、あんなもんレベルが違いすぎて少年が大リーガーを目指すようなものだ。地道にリトルリーグから始めるために視察に行く。

新しい雑誌を「今更」編む。いつも最後かもしれないと思って作っている。20代のNEUTRAL、30代のTRANSIT、40代のATLANTISとは大きく違うもの。それは「自分のカネ」でやるということ。どこまでも自由で恐怖が伴い経験したことないプレッシャーを感じる。どこまで行けるかわからないけれど、ワクワク感だけはNEUTRALを作るために行ったアフガニスタンのそれと似ている。でも、あー、怖い。言っちゃったからやらないとなあ。言ってしまえば、書いてしまえば、後はやるしかない。いつもそうやってやってきたのだ。



完全にインディペンデントとして存在し、オルタナティブな出版の形を模索し続けます。