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再開で再会した話

図書館の再開

6月になって、やっと図書館が再開した。

図書館は私の家から徒歩5分の距離にある。そのため、ネットで借りる本を予約しては読む生活が続いていたこともあり、コロナで閉館していた時期は辛かった。

閉館前、図書館に予約していた本は20冊あった。20冊と言っても、人気の本は私の前に予約した人も多く、借りられるまで気長に待つしかない本も多い。

再開した6月1日に図書館に行き、係の人に予約本の順番について訪ねた。閉館中に予約本がリセットされていたら一大事だったからだ。閉館前の予約順で貸し出されることがわかり一安心した。しかし、予約した20冊のうち、もっとも早く借りられそうな本でもまだ私の順番には時間がかかりそうだった。

仕方なく、図書館に並んでいる本のなかから、一冊借りて帰ることとした。それがこの本だった。

松本清張との再会

松本清張の作品を読んだのは40年ぶりかも知れない。私がまだ中学生だったころ、はじめて夢中になった小説は松本清張だった。

今考えるとそののめり込み具合は異常なほどで、おそらく文庫本で出ていた松本清張の本は全部読んだと言ってもいいかもしれない。お小遣いで買えたことで読み始めた文庫本だったが、次第にお小遣いは足りなくなり、母に本を買うことを条件にお小遣いを値上げしてもらった。近所の本屋は松本清張だけが売れていくことに驚いていた。年末読む本がなくなってしまい、正月三が日が明けると、本屋のシャッターが開くのを待って買いに行った。ほとんど中毒だったかもしれない。部屋の本棚が足りなくなり、押入れが松本清張で埋め尽くされた。

松本清張の作品は、出世作の『西郷札』などを除いたほとんどのテーマが「嫉妬」だ。中学生の私は、大人の世界の嫉妬を小説の中で垣間見たかったのかも知れない。

思春期の人格形成の時期に松本清張に夢中になったことは、僕の生き方に少なからず影響を与えたように思う。

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