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研修医による、研修医のための症例報告執筆Tool集

(文責:New Field Twitter
2023/05/09 一般公開用 ver1
以下の記事はNotionのサイトと同内容です
(https://honorable-beginner-567.notion.site/Tool-1ba56fcb00e54239999aecbd004794c1?pvs=4)

1. はじめに

学部生、初期研修医の間に1本ずつ症例報告を書く機会を頂いたので、書いた際に使用したツールやTipsを簡単にまとめておきたいと思います。僕より症例報告や原著論文を書いてる人は数多いますが、「素人が指導医に最初に見せるまでに使える」ところを目標にまとめて行きたいと思います。指導医に添削してもらう際に、「君、意外と書けるやん(笑)」となると、指導医も教えるハードルが下がりますし、こちらも修正される部分が少なくなってWin-Winなのではないかと思います。細かい症例報告の書き方に関しては後程提示する成書をご参照下さい。
以下に外科系・内科系の論文のリンクを置いておくので、書き始める際にテンプレにして頂いても良いかもしれません。
(外科系)

  • 26年間で緩徐に増大した乳頭状グリア神経細胞性腫瘍の一例:脳神経外科

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35854961/
(内科系)

  • 学童期のCOVID-19に同時発症した重症免疫性血小板減少性紫斑病の一例:小児科

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37033169/

2. 症例の発案

初期研修医であれば、自分が担当した症例を掘り下げて症例報告を書きに行く、というケースは珍しいかと思います。
基本的には学会発表等、初期研修医向けの発表機会に指導医から症例を割り当ててもらう、というケースが大多数かと思います。
その際、指導医に担当症例のどこが珍しいのかを聞いて、発表に耐えうる考察を作り上げていく流れが通常かと思います。
臨床現場での診断→検査→治療→経過観察の流れのどこかに面白いポイントがあるはずです。
例えば、
① 典型的な症状でなく、診断に苦慮した症例
② 検査所見で既存の文献と違う発見があった症例
③ ガイドラインに則った治療では奏効せず、治療に苦慮した症例
④ 臨床経過に今までに報告されていないイベント(合併症や有害事象など)が起こった症例
などが挙げられるでしょうか。
そのポイントを整理・把握することが第一歩かと思います。
そのポイントに関する文献調査を行い、担当症例が比較的ユニークであれば、症例報告を書けるチャンスがあると考えて良いでしょう。
指導医には「論文になるほどの症例ではないよ」「学会発表までかなあ」と言われることもあるかと思いますが、
せっかく学会発表までするんだから、少しでもチャンスがあれば論文にするつもりで取り組むのも手かなあと思います。
意外と取ってくれる雑誌もあるかもしれません(候補は後述します)。
この項目では、担当症例のポイントについて整理・把握する際に便利なメモツールを紹介します。

  • Notion

…個人やチームがノートやタスクを管理するためのワークスペースアプリです。
メモ、To doリスト、プロジェクト管理、ドキュメント作成、データベースの管理、カレンダーの共有など複数の機能があり、1つのアプリ内
で様々な業務を管理することが出来ます。
ノートやドキュメントの作成には、豊富なフォーマットを使用でき、例えばビジネスのヒアリングに利用する等、情報を整理しやすくなっ
ています。ユーザー間でもコラボレーションがしやすく、コメント機能やタスク割り当て、共有リンクの発行などが簡単に行えます。
Wiki、ドキュメント、プロジェクト。すべてをひとつに。

  • Evernote

…デジタルノートアプリケーションであり、テキスト、画像、音声、Webページ、PDFなど、さまざまな形式の情報をキャプチャして整理・
管理することができます。複数のデバイスを同期することが出来、文書や画像をスキャンして検索可能なテキストとして保存することもできます。
最高のメモアプリ - Evernote で大切なノートを整理

  • Goodnotes

…国家試験勉強で使わない人はいないのではないでしょうか?PDFを取り込んで書き込みでき、教科書やガイドラインなどを持ち運ぶには最適のノートアプリです。
GoodNotes | ベストなiPad用ノートアプリ

  • Google Docs

…言わずと知れたGoogleの文書共有アプリであり、メールで共同編集を可能にすれば、テキストベースの議論をリアルタイムに行うことが出来ます。メールよりは気楽に編集できるかもしれません。
Google Docs: オンライン ドキュメント エディタ | Google Workspace

3. 文献検索

ポイントが定まったら、次にすべきは文献検索になります。
使用するツールとしては、① pubmed、② google scholar、③ Connected Papersになります。
私はまず① pubmedで検索してみた後、pubmedに掲載されていない文献やpubmedの検索で拾えていない文献を調査するために、
② google scholarで検索することが多いです。その後、③ Connected Papersを利用して引用したいReviewや担当症例と類似したCase report
から、関連が強い文献を可視化して文献検索を補強します。この流れを踏めば、一通りの文献検索が可能かと思います。

  • Pubmed

NCBI - WWW Error Blocked Diagnostic

  • Google Scholar

…pubmedで検索した後に、pubmedに掲載されていなかったり、pubmedの検索式で拾えていないような論文を検索するために使用しています。引用数が一目でわかるのも利点です。

  • Connected Papers

…担当症例と関係するReviewや類似したCase reportから、関連の強い文献を可視化することができ、非常に便利です。上記の文献検索ではカバー出来なかった文献が見つかることもあります。
Connected Papers | Find and explore academic papers
pubmedの検索ワードは 「depression」AND 「therapy」のような検索方法でも良いかも知れませんが
より詳しく検索したい場合は、MeSH(Medical Subject Headings)用語で検索式を作成することが出来ます。
MeSHとは、医学分野で使用される一連の標準用語であり、Pubmedの検索において重要な役割を果たしています。
MeSH用語での検索式の作成方法は以下の通りです。

  1. Pubmedのメインページから、「MeSH Database」をクリックします。

  2. 「MeSH Database」ページで、検索窓に調べたい用語を入力します。

  3. 表示された用語のリストから、選択したい用語をクリックします。

  4. 選択した用語のページで、左側にある「Tree View」から、用語が含まれる階層を探し、クリックします。

  5. 選択した階層で、下にスクロールすると、より具体的な用語が表示されます。必要に応じて、これらの用語をクリックして探索します

  6. 選択した用語または用語の組み合わせを含む検索式を作成するには、スラッシュ(/)を使用してそれぞれの用語を区切り、ANDまたはORを使用して連結します。

例えば、「depression」のMeSH用語を調べ、それを含む論文を検索する場合、以下のような式を作成できます。
depression/
同様に、「depression」および「therapy」を含む論文を検索する場合、以下のような式を作成できます。
depression/ AND therapy/
MeSH用語を使用することで、より精度の高い検索が可能になります。
ただ、用語の選択や組み合わせ方によっては、必要以上に検索結果が絞られてしまうこともあります。
そのため、適切な用語の選択や、複数の用語の組み合わせについては、慎重に検討する必要があります。
詳しい検索方法に関しては、こちらも成書を参考にして下さい。

4. 文献管理

文献検索を終了して引用したい・読みたい論文がリストアップできたら、それを管理するツールが欲しくなると思います。
もちろんExcelシートやGoogle spread sheetで管理するのも良いのですが、いざ引用するとなった時に、Word等にプラグイン機能とし
て引用文献を埋め込める機能があると非常に便利です。
古典的な文献管理ソフトとしてはEndnoteがありますが、最近ではPaperpileやZotero 、Mendeley(最近やや改悪された)など複数の文献管理
ソフトが登場しています。原著論文やレビューを書く際になると引用文献数が多くなり、文献管理ソフトは価値を発揮します。
ただ、学会発表や症例報告であれば、多くても引用文献は20程でしょうから、そこまで必要性を感じないかも知れませんね。

  • Paperpile

…サブスクリプションで有料ではありますが、非常に好評な文献管理ツールのpaperpile、Dr.すきとほるさん
(https://twitter.com/iznaiy_emjawak)の解説記事も併せて貼っておきます。余談ですが、Dr.すきとほるさんのブログは研究や疫学、キャリア
等非常に充実しているので、参考資料にリンクを貼っておきます。
Paperpile: Modern reference and PDF management - Paperpile
【研究者が解説】神ツール”Paperpile” 文献管理を10倍効率化

  • Mendeley

…無料で使いやすい文献管理ソフトではありましたが、最近アプリ版がなくなりWebブラウザ版のみになってしまいました。
Mendeley | 無料レファレンスマネージャーおよびアカデミック・ソーシャルネットワーク

  • Zotero

…無料でこちらも最近メジャーになっている文献管理ソフトです。
Zotero | Your personal research assistant

  • Endnote

…古典的な文献管理ソフトで、大学の研究室などではEndnoteを使用している先生が多いかも知れません(大学生協などで売っており、有料ということもあってOfficeとの互換性も良いため)。
Save time, stay organized, collaborate with colleagues and get published with EndNote 20.

5. 学会発表

担当症例が決まって臨床経過をまとめ、考察すべきポイントを絞って文献検索をした後は、地方会や内科ことはじめ等で学会発表をしよう
という話になるでしょう。
一般的にはポスター発表 or 口演の形式で、Introduction(背景)→ Case Presentation(症例提示)→Discussion(考察)→Conclusion(結論 or クリ
ニカルパール)の流れで発表することになると思います。つまり、論文にする際の大まかな流れは学会発表の準備をすることで6~7割型完成
していると言えます。特にDiscussion以外は学会発表後に大きな変化はないでしょう。学会発表は他の先生方から有益なコメントをもら
ってDiscussionを深めてもらい、自分のDiscussionを論文化に耐えうるものに磨き上げる過程、と考えることが出来ます。
学会発表の練習は複数回音読して時間内に余裕を持って終えられるように準備すること、印象に残るスライドを作ること、想定質問を
用意しておき質問に耐えられるようにすること等、ポイントが複数ありますが、詳しくは成書を参考にして頂ければと思います。

  • Ondoku

… 英語での学会発表の際は、このOndokuが便利です。英語テキストがネイティブの発音でどのように発音されるのか、どのくらいのスピー
ドで話されるのかをシュミレーションすることが出来、発表の練習にも使えます。
無料で使えるワード数は月毎に決められていますが、毎月更新されるので無料で使い続けることも可能です。
English Text-to-speech software | Ondoku

6. 論文執筆

学会発表が終わると、次のステップは論文作成です。学会発表で既にある程度内容が決まっている、Introduction(背景)、 Case
Presentation(症例提示)から執筆していくのがモチベーションの持続には良いかも知れません。指導医と相談して、書き切ってから指導
医に見せるのではなく、Introductionを書いた段階、あるいはCase Presentationを書いた段階という風に小刻みにやりとりすることが出来れ
ば良いかも知れません。論文を書くのは非常に腰の重い作業ですし、初めて論文を書く人が最初から最後まで書き切ってから指導医に見せ
るのはかなりハードルの高い作業になります。論文自体の細かい書き方に関しては学会発表と同じく成書に譲りますが、ここでは英語で
論文を書く際に役立つツールをまとめます。

  • DeepL

…言わずと知れた英語翻訳ツール、褒められたことではないかもしれませんが、日本語→英語→日本語を5回くらい繰り返せば英語が苦手な
方でもかなり自然な英語で書ける印象です。
DeepL Translate: The world's most accurate translator

  • ChatGPT/GPT-4

…こちらも紹介は要らないでしょう、OpenAI社によるLLMの代表作ですが、論文作成の点では英文校正に使用するには非常に便利です。
ChatGPTに入力する文章内容は以下の千葉大学整形外科のウェブサイトが参考になります。
Introducing ChatGPT
GPT-4
…千葉大学整形外科ウェブサイト
ChatGPTを使って論文の英文校正をする

  • Grammarly

…こちらもnon-nativeには必須の英語文法修正サービスです。有料版/無料版ありますが、無料版でも十分に使用出来ます。余談ですが
Grammarlyはウクライナ発のサービスであり、個人的にはぜひ有料版で応援したいと思っています。
Write your best with Grammarly.

  • Quillbot

…担当症例のIntroductionを見ていると、先行文献に借用したいフレーズがあることは多々あるでしょう。ただ文字通り借用してしまうと
剽窃になってしまうため、言い換え(para-phrase)する必要があります。Quillbotはそのような際にもってこいのサービスで、内容を入力する
と該当部分をパラフレーズしてくれます。

7. 論文投稿

論文作成が一段落すると、次のステップとして投稿先のジャーナルを検討することになります。
或いは担当症例が決まった時点である程度分野的にこのジャーナルかなとあてをつけておいても良いかも知れません。
ジャーナルというと論文の引用回数から算出されるImpact Factor(通称 IF)が気になることもあるかも知れませんが、一般的に症例報告は
引用回数が稼げないため、ジャーナル方としては採用したくないという意図が働きます。
そのため、症例報告専門で別のジャーナルを創刊し、Open Accessにして投稿費用を稼ぐというビジネスモデルが多いです。
投稿先のジャーナルは指導医と話し合い、指導医が提案してくれることも多いかも知れませんが、ある程度あてをつける際に以下のサイト
は便利かも知れません。

  • Journal / Author Name Estimator

…Abstractの内容を打ち込めば、その内容を元にFocusの近いジャーナルを複数提案してくれるサイトです。非常に沢山のジャーナルが
提案されるのであくまで参考にする程度ですが、使用してみると意外なジャーナルが見つかるかも知れません。
Journal / Author Name Estimator

  • 研修医向けJournal候補

…研修医向けのJournal候補をいくつか挙げておきます。ポイントはPubmedに収載される、Open access費用が無料または安価な点です。
僕も全てに投稿したわけではないですが、簡単にまとめておきます。
① Internal Medicine (内科)
… 日本内科学会の公式雑誌であり、Pubmedにも収載されています。研修医や医学生が初めての症例報告を投稿するのによく候補として上が
るジャーナルで、Accept率も高いです。
Internal Medicine
② Surgical Case Reports (外科)
…日本外科学会の公式雑誌であり、Pubmedにも収載されています。掲載費用は6万円ほどで、Case Reportの中では安い方です。
Surgical Case Reports
③ BMJ Case Report (全般)
…あの医学4大誌BMJの公式の症例報告雑誌です。もちろんPubmedに収載される国際誌であり、投稿費用も比較的安価です。
投稿書式が前もって与えられており、それに沿って記入していけば良いのも便利な点です。
こちらはサブスクリプション制度もあり、症例報告を毎年複数本Publishする施設であれば、Bossに会員になってもらえれば何度投稿しても
定額料金になるプランがあります。
BMJ Case Reports
④ JMA Journal (全般)
…日本医師会の公式雑誌であり、Pubmedにも収載されています。2018年に創刊された雑誌でまだ歴史は浅いですが、何と言ってもOpen
Access費用が無料!!!です。症例報告も受け付けており、Acceptのハードルもそこまで高くないと思われます。中々他の雑誌に拾って
もらえない時や、Acceptのスピードを重視する際には選択肢の一つになる雑誌かと思います。因みに症例報告以外にもShort
Communicationや Opinion、Editorialなど複数の項目を受け付けており、研修医や学生でも気軽に自分のアイデアを論文にするにも良い雑誌
だと思います。
JMA Journal
⑤ Cureus (全般)
…Cureusは症例報告全般を扱う英文雑誌で、Pubmedに収載されており、Open Access費用も安いです。この雑誌は新しい物好きの雑誌で、
そもそもジャーナルのImpact Factorという概念に対するアンチテーゼとして創刊された雑誌です。そのため、IFはないですが、臨床知見を
より早く素早い査読の上で世の中に出すことを目指しており、スピード感がありAcceptもされやすい雑誌です。
日本だとあまり認知度はないですが、実は中国や米国の医学生にはよく知られている雑誌で、論文執筆の経験値を積む+実績を作る目的で
利用されている雑誌です。この雑誌の面白いのは、ChatGPTが出現して多くの雑誌が使用を制限する中で、いち早くChatGPTを利用して
症例報告を書くコンテストなどを主催し、世の中のトレンドと逆行する姿勢をとっていた事です。
The Cureus Journal of Medical Science: Peer-Reviewed, Open Access

8. 査読対応

論文投稿を終えると、数週間〜1,2ヶ月程でジャーナルからAccept, Minor Revision, Major Revision, Rejectの結果が返ってきます。
Acceptであれば、雑誌への掲載が決まったという喜ばしい結果です。今までの苦労が報われた瞬間で脳汁が一番出る瞬間です。
Rejectであれば残念ながら採択されることはないので、また別のジャーナルを探す旅が始まります。
Minor Revision, Major RevisionはRevise次第ではAcceptのチャンスが残されており、Minor Revisionは些細な点を修正すればほぼAccept、
Major Revisionは修正する部分は多いが、まだAcceptの可能性は残されているという結果です。
査読対応としては(大体)2人の査読者のコメントに対して、一つずつ返答して、原稿を修正していくことが基本になります。
最初の投稿段階では
① 原稿 (manuscript)
② Editorへのお手紙 (Cover Letter)
③ その他雑誌により所定の書類
になることが多く、
査読対応として出すのは
① Revise後の修正原稿 (revised manuscript)
② 査読者の一つ一つのコメントに対する返答(Point-by-point responses)
③ 修正したことを知らせる Cover Letter
の書類になります
査読コメントへの返答などはこの記事には記載せず、また成書に内容を譲りますが、中々骨の折れる作業です。
査読者のコメントに対する返答は指導医と議論を重ねながら練り上げていくと良いでしょう。
強制引用について
…査読者は基本的に無償で査読を引き受けて下さっていて、本当に感謝すべきなのですが、稀に自分の論文を論点が逸れるにも関わらず意図
的に引用させてくるという質の悪い査読者にぶつかってしまうことがあります。これは本当に交通事故のようなケースなのですが、私は強制
引用をさせられかけ、Editorにメールをしてその査読者を変更してもらって新たな査読者を立ててもらう、ということを経験しました。
ネット上にもあまり記事が落ちていないのですが、Editageの以下の記事は参考になりました。
実際にこのようなパターンに遭遇した場合には、指導医とよく戦略を相談することが重要です。
強制引用の要求に対処するには: ケーススタディ | エディテージ・インサイト

9. 参考資料

参考になった書籍や資料をまとめておきます。

① 学会発表

はじめての学会発表 症例報告―レジデントがはじめて学会で症例報告をするための8scene
オールインワン 経験症例を学会・論文発表するTips

② 症例報告

論文作成ABC:うまいケースレポート作成のコツ
トップジャーナルへの掲載を叶える ケースレポート執筆法

③ 論文執筆

できる!臨床研究 最短攻略50の鉄則
必ずアクセプトされる医学英語論文 改訂版

④ 参考ウェブサイト

  • 臨床研究論文作成マニュアル

…無料とは到底思えない非常に完成度の高い臨床研究論文作成マニュアルです。症例報告や学会発表に特化しているわけではないですが、
論文の投稿過程や査読者との対応、指導医とのメンターシップについてなど、研究ことはじめと言って差し支えない素晴らしいウェブサイ
トです。是非覗いてみて下さい。
臨床研究論文作成マニュアル

…疫学、研究ツールやTips、キャリアに関して非常に読みやすくまとめられています。僕自身、学部生時代に薬剤疫学の研究室に所属して
大規模データベースを用いた小児インフルエンザの薬剤疫学研究をしていたこともあり、何度もお世話になったブログです。是非覗いてみて
下さい。
研究ハック、研究者キャリア、研究方法について解説

10. 研究SNS

学会発表や論文発表含め、成果をまとめておくことは重要です。
研究をする際に便利なツールを以下に紹介します。

  • researchmap

…日本人向けの研究SNSで最も有名なものです、大変見やすいですし、無料で利用できるので、1本でも論文があれば是非登録してみること
をお勧めします。
researchmap

  • ResearchGate

… 国際的な研究SNSで最も利用者数が多いものの一つです。研究者と論文を紐づけられるだけでなく、その研究者の論文の閲覧数や引用回
数等を一目で確認することが出来ます。日本人にはresearchmapの方が登録者数が多い印象がありますが、海外の研究者とやりとりする際
にはResearch Gateが便利でしょう。
ResearchGate | Find and share research

  • ORCID

…研究者と固有のIDを紐付けて登録できるORCIDという機能です。例えば同姓同名が多い方など、自分の業績を検索すると何故か他の人の業
績が混じり込んでしまう場合があるのですが、ORCIDのIDで紐づけることでそういった状況を回避できます。いわば研究者のマイナンバーで
すね。
ORCID

  • Google Scholar

…Googleが運営している世界共通の研究者情報サイトです、写真とEmail address、英語論文とその引用数が一目でわかります。
海外ではgoogle scholarが研究者としての名刺がわりになります。ただ引用数などはっきり出てしまうので、駆け出しの頃は登録するのに少
し躊躇してしまうかも知れません。

最後に…
症例報告を執筆する際に役立ちそうなツールを一通りまとめ、症例報告作成の手順についても簡単に記事にしてみました。
こんな内容を加筆してほしい!こんなツールもあるよ!というコメントがありましたら、是非お気軽にコメント頂けると嬉しいです。
Notionのこの記事にもコメントは自由に出来るように設定してあります。
この記事を見た皆さんが一つでも初めて知った!というツールがあれば、幸いです。

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