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グループホーム開設者研修に行ってきました

1.はじめに

 当事業所では、地域との関わりを持ったイベントが年に1回の開催という現状であり、利用者の満足度を向上させるために、この面において開催回数を増やしていくことを目的として現場体験を受講しました。
背景には事業所内でのスタッフの業務過多、地域連携の在り方があると考え、今回の研修で学んだことを述べます。


2.利用者の自立した生活をするためのサポート

⑴ 家族によるバックグラウンドの記入によるアセスメント
 事前に家族にバックグラウンドの聞き取りをすることで利用者のバックグラウンドを把握するようにしているということでした。また入所してからもそれぞれの好きなこと嫌いなことを日々しっかり把握しスタッフ間で共有することで適切なアセスメントを行っています。

⑵ 家族への報告
 些細な事柄でも全て家族へ報告することで家族への安心感を与え、信頼関係を築くようにしていました。家族からの信頼を得て任せていただけるような運営をすることでその後の家族の協力体制も作っていました。

⑶ 理念の沿った介護方針の説明
 入所する段階で家族へ理念の説明をし、それを理解していただくことでトラブルなく利用者のサポートをしていました。通院は家族にしていただくことも事前に伝え、利用者、家族、スタッフとの円滑な運営ができるようにしていました。

⑷ 利用者の参加
 利用者が何ができるのか、何をやりたいのかのアセスメントをしっかりすることにより、日々の業務への参加をしていました。それ自体が利用者の満足度を上げることになると共にスタッフの負荷を減らすことにも繋がる方法でした。


3.地域との繋がり

⑴ 運営推進会議
 家族、元家族と座談会をする取り組みをしているとのことでした。スタッフの中に元家族の方も多く働いているということで、理念を通しての運営が理解され良質なサービスを提供できていることに繋がっていることが伺えました。

⑵ 利用者制作物を通した繋がり
 利用者の方の家族から送られた作物を地域の方に提供することで繋がりを作っていることを知りました。地域に対して価値を提供することまでできれば理想と考えているので、それに対する一つの形でした。


4.看取り

⑴ 医師との連携
 夜間でも対応してくれる地域医師との連携をとっていました。特に連携している医師は看取りについても詳しい方で適切な時期の判断をしていただくことで、家族にとっても大事な時間を提供していました。

⑵ 事前説明
 看取りを行うにあたり、入所前の事前説明と共にその時期がきた時に再度家族へ確認することで安心した看取りが行えるようにしていました。利用者に対して具体的にやることとやらないことを明確に説明すること、家族に対しての事業所からの対応についても明確にしているということでトラブルのない対応をしていました。


5.スタッフ

⑴ 管理者によるスタッフのアセスメント
 スタッフは利用者のアセスメントをすると共に、管理者はスタッフのアセスメントをしているということでした。それぞれのスタッフが何を考え、どういう特徴があるのかよく見ていくことが必要です。

⑵ 半年に1回の面談で評価
 面談により上記のアセスメントに生かしていくこと。また基本的な項目はチェックリストでのチェックをすることで最低限の考え方の理解度を確認していました。

⑶ 日々の業務の中で理念に沿っている行動をしているか
 理念を理解しているかと共に普段の行動がそれに沿っているかを確認していくことが大切ということでした。BPSDのきっかけを自分ごとに捉え理解に努めることで改善できるようにすることをしているそうです。長く勤めているスタッフは自分なりのやり方が確立されてくることもあるため、コミュニケーションをとり一緒に改善していくよう心がけていきます。

⑷ 月に1回の研修
 月1の研修では必要な項目と共にスタッフの希望も聞きながら実施しているそうです。振り返りのレポートは内容をどこまで理解し、理念に沿っているかを確認するための方法として有用でした。そして身についてきたスタッフには講師を任せていくことでより理解を深め、主体的な行動を促すことができます。


6.結論

 今回の研修を通して、地域との繋がりを持つ取り組みを増やすに至るまでに、さまざまな改善点が見えました。利用者の尊厳を重視したアセスメント、家族への細かな説明と対応、利用者自身ができることを大切にしていくことで地域との繋がりを作ること、スタッフの評価と教育。これらの学んだことを取り入れ、利用者はもちろん、家族、スタッフ、地域に貢献する事業所運営を目指します。

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