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電話帳を整理したら執着を少し手放せた気がしたという話

思い立ってスマホの電話帳の整理をしてみた。
友達は少ないはずなのに登録件数は400。
絶対に要らない。
5周ほど見返して徐々に削る。
130件まで減った。

400。
友達が少ないことがコンプレックスだった私。
自尊心を保つにはいい塩梅の数値だ。
なぜ友達が少ないかというとコミュニケーション云々の前に他人に興味ないからね(笑)
今ははっきりそう言えるけどこれまでは言えなかったな。友達が多いことや協調性があることが最上とされる社会。その物差しで自分を測っていつも苦しんでいた。

電話帳を膨れ上がらせたものは何か。
それは私の執着だ。
仏教における人間が苦しむ原因、それが執着。

私の電話帳は空っぽ同然。
執着により体裁だけ整えられた。
400は連絡先の情報の数であり、繋がりの強さを証明するものではない。私が求めていたのは情報の数ではなかったはずだ。

電話帳を眺めていると懐かしい名前が次々に飛び込んできた。地元の友達、元彼、バイト仲間、転職した同期などなど。
元気かな?何してるかな?と1人1人に思いを馳せながら消去する。疎遠になってしまった理由は色々だが、主に自分が原因だ。きっと相手の電話帳に私の名前は残っていない。
これまで色々な人と出会う機会が私にもたくさんあったこと、そして、その縁を昇華できなかったのは自分であることに改めて気づく。

でももうそれは過去のこと。悔やんでもしょうがない。縁があればきっとどこかでまた巡り会う。あの時はこうだったね、なんて答え合わせもしてみたい。今の時代SNSもあるし本当に連絡を取りたいときはなんとかなるさ。

元々断捨離好き。
常に捨てられるものがないか探している。
電話帳は盲点だった。
ちなみに今の若者は電話帳の件数が少ないらしい。連絡方法が主にLINEだから。
登録件数で昭和生まれがバレるということか。
実におもしろい。

電話帳を270件削除した。
270件分の執着を手放せたと思うとなんだかとてもスッキリした。

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