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ぼくの勝利 #10「復活」 |小説 ユニバーサル・カバラの物語 第四章

ぼくは予備校に戻ると弁護士に相談する。行方をくらましたままの社長の業績を洗いだす。すると裏帳簿が出てきた。社長は予備校の資金を私的な投資に回して焦げつかせていた。ぼくは社長が予備校名義で借りた大金の借用書の無効を申し立てることにする。考えられる手はすべて打つ。

皮肉なことに予備校の売り上げは好調だ。大学進学をあきらめていた子供たちが模試で良い結果を次々に出し、かつてないほど活気に溢れている。ぼくは予備校のカリスマ教師として取材を受けることにする。今までは取材を受ける時間がなかった。積極的にメディアに出ることでギャラを稼ぎ、生徒の数を増やす。予備校は将来性を評価されて銀行から融資を打診される。借金はあっというまに返せるような勢いだ。


逃げた社長が関わっていた投資会社が倒産し、世間は大騒ぎになる。巨額な詐欺被害が明るみになった。逮捕者が続出し、ぼくに借用書を突きつけてきた投資会社の顧問も捕まった。予備校が借りたという大金を叩き返す気満々になっていたぼくは出鼻をくじかれる。逃げていた社長が潜伏先のアパートで逮捕された。ぼくは拘置所まで出向いて社長との面会を求めるが拒否される。

社長は解任となり、ぼくが社長に就任する。倒産の危機は脱したけれど何かを成し遂げたという達成感はない。

取材ではぼくはよくこういう質問をされる。

「なぜ予備校を経営することになったのですか?」

ぼくはこう答える。

「どんな環境にいる子供でも、大学に進学して夢を叶えさせてあげたいと思ったので」

でも本当は違う。ぼくが予備校を経営しているのは成りゆきにすぎない。インタビューされるたびに自分のあいまいな生き方が照らし出されていく。ぼくは子供たちのためにひと肌脱ごうと思ったけれど、それすらも取ってつけたような理由に感じられる。ぼくはなぜ予備校を経営しているのか、本当の理由は自分でも分からないのだ。


「あなたはだれ?
 あなたは何をするの?
 あなたはどこからきたの?
 あなたはどこへいくの?
 あなたの人生の目的はなに?」

ぼくは毎朝自分に問いかける。それなのに答えは一つも見つからないままだ。

…第五章へつづく。

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​誰も読んだことのない、誰も書いたことのない、本当の成功の物語。
「ユニバーサル・カバラの物語」
秘密はここに。


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制作
グッドニー ・グドナソン
中込英人
谷村典子

グッドニー ・グドナソン

モダンミステリースクールファウンダー
リネージホルダー メインイプシスマス

アイスランドの貴族の家系に生まれ、生まれてすぐに双子の兄を亡くす。以来兄の存在を通し、目に見えない世界とこちらの世界を同時に生きるようになる。 10代で英国のミステリースクールに招聘され、カバラ、ヘルメス学、古代エジプトやケルト、ドルイドマジックなどあらゆる魔術と形而上学を学び、最高位の魔術師となる。1997年にモダンミステリースクールを継承(当時はロッキーマウンテンミステリースクールの名称)。「No More Secret」の下、それまで秘密にされてきた真の形而上学の教えをオープンにする。現在は世界60カ国に広がるミステリースクールで教える一方で、DJとしてフジロックのステージに立ったり、ハリウッドの映画祭でプロデューサーとして活動するなど、多方面で活躍。まるでファンタジー映画や物語のようなその生き様を通し、あらゆる可能性と喜びを表現し続けている。オーロラエンタテイメント・エグゼクティブプロデューサー。
中込英人

モダンミステリースクール校長
リネージホルダー サードオーダーイプシスマス

世界中で形而上学を教え伝えるメタフィジックス・ティーチャー。幼少期より空手の天才少年と称され、大山倍達氏のもとで内弟子として研鑽を積んだ武道家でもあり、15歳で渡米した後、飲食店経営などで成功を収める。また、武道の実力を買われ、ダライ・ラマ14世のボディガードを担当。ダライ・ラマ14世から「スピリチュアルな道を人に説くもの」と称されたことをきっかけに、密教の学びを始める。密教行者として厳しい修行を積んだのち、30代で一時帰国。ミステリースクールおよび形而上学の学びと出会い、以降、スクールの拡大に全精力を傾け、2017年に最高峰の魔術師である「イプシスマス」の称号を得る。形而上学をわかりやすく、ユーモアを交え伝えるクラスは、国や文化を問わず常に笑いと活気に満ちている。著書『支配者(エリート)が独占してきた成功の秘笈』『MAX瞑想システム™️ー脳を鍛え可能性を引き出す究極の成功メソッドー』『カバリスト ぼくの成功物語』

谷村典子

作家・脚本家
日本シナリオ作家協会会員

成蹊大学卒業後、会社勤めの傍らで松竹シナリオ研究所卒業。2002年テレビアニメシリーズで脚本家デビュー。テレビ、映画、舞台で、幅広いジャンルの脚本や構成台本を担当する。
L.A.Fear&Fantasy映画祭他では、作品賞などを受賞。タロットをきっかけにモダンミステリースクールと出会い、形而上学の学びを深めている。Atelier ADITI主宰。http://atelier-aditi.jp/

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